■魚の大量死、原因は化学物質=JFE出資の製鉄所が排出-ベトナム
時事通信-2016年7月1日
【ハノイ、台北時事】ベトナム政府は30日、中部ハティン省などの海で4月に相次いで起きた魚の大量死について、台湾の総合石油化学メーカー、台湾プラスチックが建設し、日本のJFEスチールも5%出資する製鉄所からの排水に含まれる有害化学物質が原因と発表した。
排水システムの試験運転で、規制基準を上回る濃度の有害物質が海に流出したという。台湾プラスチック側は「申し訳ない」と謝罪。再発防止策を取るとともに、漁業関係者らに対し総額5億ドル(約500億円)超の補償を行う意向を表明した。
ベトナム政府は当初、魚の大量死に製鉄所が関係する確証はないとの見解を示し、製鉄所関係者も「魚と近代的な製鉄業のどちらを選ぶのか」などと発言。そうした対応に住民らの反発が強まったため、政府が調査を進めていた。(2016/06/30-22:59)
■北中部の魚大量死、フォルモサが530億円賠償―結論公表
日刊ベトナムニュース-2016年7月1日
北中部地方ハティン省、クアンビン省、クアンチ省、トゥアティエン・フエ省の沿岸一帯で4月に発生した魚の大量死について、ベトナム政府は30日17時からハノイ市で記者会見を開いた。記者会見には、国内外の多くのメディアが集まった。
マイ・ティエン・ズン政 府官房長官は会見で、北中部地方での海洋環境汚染及び魚の大量死は、フォルモサ・ハティン・スチール(Formosa Ha Tinh Steel Corporation=FHS)がハティン省キーアイン郡ブンアン経済区で展開する工場の試運転中の違反や事故に起因するとの結論を公表した。
会見に先立ち、FHSは28日、環境汚染を引き起こしたことに責任を負い、政府及びベトナム国民に謝罪すること、また経済損失を受けた漁民及び海洋環境 汚染処理に対する賠償金として総額11兆5000億VND(約530億円)を支払うことなどを公約した。これを受けて、FHSの陳源成董事長が送った謝罪 のビデオメッセージが会見の場で流された。
今回、国内外30機関の科学者100人余りが調査と原因究明にあたった。調査の結果、チームは主な廃水の発生源をブンアン経済区のFHS工場と特定。廃水により毒素を含む化合物が形成され、海底に沈んだ同物質が海流に乗って南へ移動し、魚を大量死させたと結論付けた。
■ベトナム政府、台湾プラスチックに罰金510億円 日本経済新聞
■北中部の魚大量死、間もなく結論公表―デモ発生に注意喚起 日刊ベトナムニュース
■米国で汚染水道1800万人利用 鉛が基準値400倍も
東京新聞-2016年7月1日
【ワシントン共同】米国内の約5300に上る公共水道システムで、水が鉛や銅に汚染されるなどの問題があり、当局の対応の遅れから、利用者計 1800万人以上が危険にさらされているとする報告を、米シンクタンクの天然資源保護協会(NRDC)が6月30日までに発表した。基準の400倍の濃度 の鉛が検出された水道もあった。
米国では、中西部ミシガン州フリントで鉛による水道水汚染が原因の健康被害が問題となり、水質への関心が高まっている。
政府指針は、水道水中の鉛などの濃度について適切に監視し、基準を超えた場合は低減措置の実施や、国への報告を求めている。