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生活圏から離れた森林、除染行わない方針決定(除染ガイドラインを改定へ)

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■ 大半の森林、除染せず 環境省方針、生活圏から20メートル外
福島民友 2015年12月22日
東京電力福島第1原発事故に伴う県内の森林除染について環境省は21日、住宅など生活圏から20メートルの範囲と日常的に人の出入りがある場所を除き、大半の森林では原則として除染しない方針を示し、有識者でつくる環境回復検討会で了承された。
 会議後、井上信治環境副大臣は「広い森林を面的に除染するのは物理的に困難で(落ち葉などの堆積物を取り除くことによる)土壌流出など悪影響もある。住民にとって一番良い手法を考えた結果だ」と語った。同省は今後、除染に関するガイドラインを改定し、方針を反映させる。
 県土の7割を占める森林の除染をめぐって国は、住宅や農地の近隣20メートル以内と、キャンプ場など人が日常的に立ち入る森林については除染しているが、それ以外については方針を示していなかった。
 環境省は、これまでの実証事業の結果から「森林内の放射性物質が雨や風の影響で森林の外に流出する量は少なく、生活圏の空間線量への明確な影響は確認されていない」とした上で、「堆積物の除去を行えば土壌流出を招く」と結論づけ、除染は適当でないと判断した。
 ただ、斜面が急な場所などでは土壌が宅地近くまで流れ込み、除染前より除染後の放射線量が上がった場所が確認された。このため必要なモニタリングの継続や生活圏への土壌流出を防ぐ木製柵の設置、土のうを積むなどの対策を講じる。
 会議で同省は、林野庁と連携し作業の機械化による屋外作業時間の短縮や作業員の被ばくの低減、情報発信強化などに取り組む方針を示した。有識者か らは「除染をしないなら、林業をどういう形で再生させていくか検討する必要がある」との指摘が相次いだ。今後、林業再生の手法をどう示せるかが焦点とな る。

■ 生活圏以外除染せず 環境省、土砂流出を懸念 県内森林
福島民報 2015年12月22日
環境省は民家や農地から約20メートル以上離れた森林で除染を実施しない方針を最終的に固め、21日に東京都内で開かれた有識者による環境回復検討会で示 した。生活圏に影響を与える森林からの放射性物質の飛散は確認されず、線量低減のため落ち葉を除去すると土砂流出などが懸念されると判断した。 ..

■生活圏から離れた森林、除染行わない方針決定
TBS News-2015年12月21日
 原発事故以降、福島県内で行われている除染。土や落ち葉などを取り除いて放射線量を下げるという、気の遠くなるような作業です。環境省は、生活圏から離れた森林では、この除染を行わないと決めました。地元の住民からは「裏切りだ」という声も出ています。...

■生活圏外、森林除染せず…環境省方針
毎日新聞 2015年12月21日
 環境省は21日、東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染作業について、生活圏から離れ、日常的に人が立ち入らない大部分の森林は除染を行わない 方針を有識者検討会に示した。森林から放射性物質が飛散することによる生活圏の空間線量の増加が確認されていない上、除染で落ち葉を取り除くと、土砂流出 などの悪影響が出る可能性があるため。委員から異論は出ず、環境省は近く除染ガイドラインを改定する。
「飛散なし」と判断
 森林は福島県の面積の7割を占める。生活圏から20メートル以内と、キノコ栽培やキャンプなどで人が日常的に立ち入る場所については、落ち葉などを除去することになっている。しかし、それ以外については、対応が決まっていなかった。
 環境省によると、今回除染を見送る場所については、原発事故時に葉や枝に付着した放射性物質の8割程度が土壌表層にとどまり、生活圏の空間線量に影響するような飛散は確認されていないという。また、降雨などによる流出も確認されていない。
 一方、積もった落ち葉などを広い範囲で取り除くと、表土の流出などの悪影響が懸念される。このため、除染は行わず、柵や土のうの設置で放射性物質を含む落ち葉や表土の流出を防ぐことが適切と判断した。植林や間伐など、森林再生に向けた取り組みも進める。
 環境省の除染担当者は「森林全体を除染するのは難しいし、作業による悪影響も考えられる。地元にとって最良の方法を選んだ」と話した。【渡辺諒】

■地元・福島、住民から反発とあきらめの声
TBS News-2015年12月21日
 地元・福島県では、生活圏から離れた森林の除染を行わないとする国の方針について、住民からは反発とあきらめの声が上がっています。
 福島県の内堀知事は、生活圏から離れた森林除染は行わないとする国の方針について、承知していないとしながら国に今後の方向性を示すよう求めました。
 「環境省に対して森林除染の今後の方向性をしっかり出して欲しい。森林は福島県全体で非常に大きな面積がある」(福島県 内堀雅雄 知事)
 一方、避難生活が続く福島第一原発の地元・大熊町の住民は・・・
 「森林の中に家があるような形、森林の中に生活圏がある。裏切られたというような気持ちでいっぱい」(避難する大熊町民)
 「国でやらないと決めた以上はやらないのでは、もうどうしようもない」(避難する大熊町民)

 

 


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