仮置き場の最終処分場に運び込まれた災害ごみ
河北新報「<宮城豪雨>大和町で焼却施設パンク寸前」より転載
■<宮城豪雨>大和町で焼却施設パンク寸前
河北新報-2015/09/19
記録的豪雨で全域の約1割が浸水、浸水家屋208棟に上った大和町では、町内の処理施設に運び込まれる災害ごみの焼却が追い付かず、施設がパンク寸前に陥っている。
黒川地域行政事務組合環境管理センターに11日以降に搬入されたごみの総量は964トンに上り、1週間で処理できる量のおよそ3倍。焼却炉を早朝から夕方 までフル回転させるが、ごみの山は減らない。約1キロ離れた最終処分場を仮置き場にしたが、あと数日であふれる恐れがあるという。
大型連休中に被災住宅の片付けが進めば、ごみはさらに増える見込み。センターの佐藤初雄所長は「職員は荷下ろしなどを絶えず手伝い、肉体的、精神的に疲弊してきている。損傷を防ぐために焼却炉も本来なら週に1日は休ませたい」と窮状を訴える。
処理場を運営する黒川地域行政事務組合は、町を通じ、近隣自治体への支援要請を始めた。同組合の佐野英俊助役は「余力のある自治体がいくらかでもごみを受け入れてくれればありがたい」と話している。
黒川地域行政事務組合
大和町、大郷町、富谷町、大衡村の4町村
ごみ焼却施設
処理能力 80t/日(40t/16h×2炉)
炉形式 ストーカ方式
搬入された災害廃棄物。畳(手前)や、不燃ごみ(奥)などに分別して集められている=鹿沼市環境クリーンセンターで
鹿沼市 環境クリーンセンター焼却能力 177t/ 日( 59t/16h×3 基)
炉形式 准連続燃焼式焼却炉
■【茨城】鬼怒川決壊 災害廃棄物次々と 常総の仮置き場 搬入車長蛇の列
東京新聞 2015年9月19日
関東・東北水害で1万以上の建物が浸水した常総市では、水害発生から1週間以上たつ今でも、水をかぶった家具などの災害廃棄物を運ぶトラックが絶 えない。市は仮置き場を増やしたり、重機でごみを積み上げたりと受け入れ場所の確保に努めるが、当分の間、大量のごみを運ぶ車が消えることはなさそうだ。 (妹尾聡太、増井のぞみ)
ごみの仮置き場には、水をかぶった災害廃棄物が次々に持ち込まれている=常総市で
常総環境センター
炉形式 キルン式ガス化溶融方式
処理能力 焼却施設 258t/24h (86t/24h×3炉)
■「関東・東北豪雨」、気象庁が命名
日本経済新聞-2015年9月19日
気象庁は18日、東北、関東地方で大規模な水害を引き起こした記録的な大雨を「平成27年9月関東・東北豪雨」と命名したと発表した。同庁は「積乱雲が次々と帯状に流れ込む『線状降水帯』が10個以上連続して発生した」と説明している。
同庁によると、7~11日に観測された総雨量は関東地方の最も多い地点で600ミリ超、東北地方では500ミリ超となり、9月の平均降水量の2倍だった。栃木、茨城、宮城各県では24時間降水量が観測史上1位の値を更新した地点もあった。
大きな気象災害で命名されたのは昨夏、広島市北部に大規模な土砂災害を引き起こした「平成26年8月豪雨」以来。