グラフは東京二十三区清掃一部事務組合「清掃工場別の処理単価(平成29年度決算)」から作成
23区清掃一組「清掃工場別の処理単価(平成29年度決算)」が公表されている~
例年、年度末ぎりぎりの公表だったが、ここのところはやいのだ!!
23区唯一のガス化溶融炉の世田谷清掃工場、平成29年度の処理単価は25,151円/トンとなった~
(平成27年度はダイオキシン類対策で操業停止も長引き処理単価は51,463円/トン) 大規模清掃工場の新江東は、なにしろ焼却量がダントツ多いので例年は処理単価もいちばん少ないのだが、、、
平成29年度は8,452円/トン(平成28年度は7,560円/トン)
練馬清掃工場は7,833円/トンで素晴らしい。新しい工場は効率がいいのだろうか、、、
港清掃工場が8,393円/トン、港は、通常1炉は予備炉であったが、平成28年12月21日から3炉フル稼働。 運転管理のほぼ全面委託となった大田清掃工場は9,448円(平成28年度は8,309円/トン)年々高くなる、、、
渋谷清掃工場(200t/日)は小規模工場で効率が悪い29,128円/トン(平成28年度は27,406円/トン)
北清掃工場も、発電デキズのトラブル影響で処理単価がたくなっている、
東京二十三区清掃一部事務組合 更新日:2018年3月11日
清掃工場別の処理単価(平成29年度決算)(PDF:225KB)
例年通り、数字だけみてもよくわからないので、いろいろグラフで比較してみた~
故障やトラブルによる焼却炉停止回数が少なく、順調に処理が可能な施設ほど処理単価は低くなっている。
灰溶融施設は、福島原発事故以降、電力逼迫に対処するため、主灰単独溶融、複数炉施設は1炉稼働と、溶融処理量は減少し た(もともと順調に稼働していた施設は極僅か)。故に、当然の如く、灰溶融処理の単価は、シンジラレナイほどの割高単価(平成23年度は 88,016円/トン~964,427円/トン)となってしまった。それでも、平成24年度、25年度は少しは溶融量も増えて、処理単価も多少は改善され たのか?中防の灰溶融処理は「今後の灰溶融処理の休止について」で平成25年度末までの稼働で、平成26年度から休止となった。27年度は足立、世田谷、品川が休止、28年度は板橋も休止、、、28年度以降の稼働は多摩川と葛飾の2施設のみとなった~
◆灰溶融施設別の処理単価と溶融量(平成29年度)
◆清掃工場別 処理経費内訳(平成29年度)
大規模施設は、処理単価としては効率はいいのだろうが、新江東清掃工場の人件費+物件費計はダントツの3,335,082千円。それでもごみ搬入量は394,609トンで、処理単価は8,452円/トンとなった。
◆清掃工場別 人件費の内訳(平成29年度)
清掃一組の集計では、人件費としては直営分のみで、灰溶融炉運転管理委託や清掃工場運転管理委託は物件費の中に入っている。
また、灰溶融施設併設の清掃工場は、灰溶融炉が休止などとなったため、平成25年度から「清掃工場受付搬入など」の業務も溶融炉運転管理の事業者に委託している。中央、渋谷、千歳清掃工場は「受付搬入等業務委託公募型プロポーザル方式」で事業者を選定しているが、いずれも清掃工場にプラントメーカーが受託している。
工場の規模はそれぞれ違っても、おおむねかかる人件費に大差はないとみえる。逆に、これまでの運転管理業務だけの委託では、結局は、直営職員との混合編成になるので、それほど効果があるとも思えない。平成27年度からの、新大田清掃工場は運転管理等業務に加えて技術管理や設備保全等業務を含めた委託となったが、直営職員も7名で、結果的に、人件費の合計は新江東清掃工場とおなじくらいになっている~
◆受付搬入業務委託(平成29年度)
中央、渋谷、千歳清掃工場は「受付搬入等業務委託公募型プロポーザル方式」で事業者を選定
◆清掃工場別 光熱水費(平成29年度)
中防の灰溶融炉稼働中は、ダントツの電気料金であったが、灰溶融は休止となったが、飛灰の薬剤処理でも光熱水費は中防は多い、、、
足立、世田谷の光熱水費も多い、 これまで中防の灰溶融がダントツで、いつも年間10億円を超していたので他が目立たなかったが、、、世田谷は故障による炉停止が飛び抜けて多いので、いつも立ち上げ立ち下げ回数が多くて都市ガスの助燃を要する。平成27年度は、ダイオキシン対策でほとんど停まっていたが、29年度もそれでも、、、北清掃工場の298,797千円は、発電機の故障で8ヶ月間も発電停止というトラブルがあったので、発電できずに、売電どころか買電となった。その間の損失は約4億5千万円ということで、、
◆清掃工場別 定期点検補修・整備工事(平成29年度)
◆清掃工場別 薬剤購入費(平成29年度)
◆清掃工場別 環境対策測定等(平成29年度)
目黒清掃工場は建替中、環境対策測定の内容は?汚染土壌の調査などは?
◆清掃工場別 主灰の資源化費用(平成29年度)
「予算のあらまし」から主灰のセメント原料化事業予算から処理単価を試算すると
平成31年度:実施予定量 40,000t 予算 1,868,441千円(46,711円/t)←高くなっている
平成30年度:実施予定量 30,000t 予算 1,352,928千円 (45,098円/t)
平成29年度:実施予定量 15,000t 予算 698,197千円 (46,546円/t)
平成28年度:実施予定量 10,000t 予算 468,567千円) (46,857円/t)
平成27年度:実施予定量 5,000t 予算 247,840千円 (49,568円/t)
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続きは明日また~
清掃工場別処理単価は平成17年度分からの公表である、、
昨年、清掃一組は「15年間の財政状況(平成12年度~26年度)」を公表しているので、、
平成12年度から平成16年度の5年間もより透明化した~
◆清掃工場別処理単価の推移(平成17年度~平成28年度)
大田第二は、不燃ごみを燃やしていた特殊な清掃工場、
◆灰溶融施設別処理単価の推移(平成17年度~平成28年度)
こうしてみると、大田の灰溶融はなぜあのように単価が低くおさえられていたのか?
大きな疑問、元々、スラグの有効利用などはおこなわないということでの稼働だったが、
◆清掃工場別人件費の推移(平成17年度~平成28年度) <直営職員人件費>
杉並の平成17年度、18年度?
◆灰溶融炉運転管理委託費の推移(平成17年度~平成28年度)
確かに、運転管理を受託しているプラントメーカー側からみれば、灰溶融の運転は1炉稼働になるし、委託費は抑えられて、、その上、計画的に施設も休止するというのだから、、、「受付搬入等業務委託」程度の代替え業務では採算があわないのかもしれないが、、、しかし、大事故など起こす前に、早く撤退した方がいいかもしれないなどと、、、事業が終了してほっとしているメーカーもいるかもしれない。
◆清掃工場別 受付搬入業務等委託の推移(平成25年度~平成28年度)
◆清掃工場別運転管理等業務委託費の推移(平成18年度~平成28年度)
◆清掃工場別光熱水費の推移(平成17年度~平成28年度)
新大田清掃工場の平成26年度の光熱水費461,773千円には、休止となった大田第一工場の経費を含む
それにしても金食い虫の中防灰溶融炉の電気代、、、平成26年度から溶融炉は休止に
◆清掃工場別定期点検補修・整備工事費の推移(平成17年度~平成28年度)
◆清掃工場別薬剤購入費の推移(平成17年度~平成28年度)
◆清掃工場別環境対策測定等費の推移(平成17年度~平成28年度)
大田第一の平成20年は雨水のダイオキシン関連??
大田清掃工場の平成26年度は第一工場の休止に伴う休止前清掃等の経費が含まれているようだ~
平成26年度 464,786千円(平成25年度 68,392千円)
◆清掃工場別 主灰の資源化費用の推移(平成27年度~平成28年度)
「予算のあらまし」から主灰のセメント原料化事業予算から処理単価を試算すると
平成30年度:実施予定量 30,000t 予算 1,352,928千円 (45,098円/t)
平成29年度:実施予定量 15,000t 予算 698,197千円 (46,546円/t)
平成28年度:実施予定量 10,000t 予算 468,567千円) (46,857円/t)
平成27年度:実施予定量 5,000t 予算 247,840千円 (49,568円/t)
◆清掃工場の処理経費内訳推移(平成17年度~平成28年度)
◆清掃工場等経費の合計推移(単位:千円) 《清掃工場+溶融施設》
こうしてみても、各年により、建替え工場等もあるので単純な比較はできないのだが~
清掃工場別の処理単価(平成28年度決算)
注釈↓↓
◎清掃工場別の経費の算出について
【人件費】
平成28年度の組織別の給与支給実績等により計上しています(退職手当及び社会保険料本人負担分は除く。)。
同一組織において複数の施設を所管している場合は、係別の配分定数等を参考に按分しています(職員数も同様に按分)。
【物件費】
ごみ焼却作業及び埋立処分委託について、平成28年度の各清掃工場における執行実績により計上しています。
同一清掃工場において複数の施設を併設している場合、共有部分など、経費を正確に算出することが困難なため、
按分計算などにより算出しているものがあります。例えば、電気料金については、支出額を焼却施設と灰溶融施設の消費電力量で按分しています。
残灰等埋立処分委託の経費には、排水処理経費(固定費)分を清掃工場とそれ以外の施設の埋立処分量に応じて按分した上で合算しています。
指定廃棄物の保管は、国からの委託により実施しており、清掃工場の運営経費ではないため、その経費(990千円)
については工場別処理単価の計算から除いてます。
【溶融量】
灰溶融の溶融量は、灰溶融炉に投入した灰及び塩基度調整剤の量です。
【その他】
有明清掃工場には、管路収集作業の経費が含まれています。
杉並及び光が丘清掃工場は、平成28年度は建替工事中です。(杉並清掃工場は平成29年9月30日にしゅん工しました。)
中防灰溶融施設は、平成26年度から、足立・品川・世田谷清掃工場は平成26年度途中から、板橋清掃工場は平成27年度末から、灰溶融処理を休止し設備管理等の業務経費を灰溶融部門に計上しています。
表内の各計数は、それぞれを四捨五入により算出しているため、合計額が一致しない場合があります。
◎本表に含まれていない経費
1 減価償却費(建物や工作物について、耐用年数に応じて価値が減少したと認められる費用)
2 組合債償還金(工場建設などのために借入れた組合債の元金と利子の償還費用)
3 本庁管理経費(組合の本庁組織の管理運営経費)
4 施設整備費(工場の建設などに要する経費)
5 歳入(エネルギー売払収入、合築施設からの光熱水費分担収入など)
関連(本ブログ) 平成27年度分
■23区清掃一組「清掃工場別の処理単価(平成27年度決算)」公表、20清掃工場平均11,851円/トン2017年04月10日
参考
☆東京二十三区清掃一部事務組合「ごみれぽ23 2018」ダウンロード(PDF:15,768KB) より
【灰溶融の処理形式】
板橋:平14.11竣工 住友重工電気式交流アーク式 (180トン/日)
多摩川:平15.6竣工 クボタ燃料式表面溶融式(回転型)(30トン/日)
足立:平17.3竣工 荏原電気式プラズマ式・トーチ(130トン/日)
品川:平18.3竣工 日立造船燃料式表面溶融式(固定型)(180トン/日)
葛飾:平18.12竣工 タクマ電気式プラズマ式・黒鉛電極(110トン/日)
中防灰溶融:平18.12竣工 三菱重工電気式プラズマ式・黒鉛電極(400トン/日)
世田谷:平20.3竣工 カワサキ電気式プラズマ式・トーチ(120トン/日)
参考
☆グラフは清掃一組「事業概要(平成29年度)」より作成
☆23区ごみ処理量とごみ処理原価の推移
※ごみ処理量は持込みごみ含む
おまけ
◆23区のごみ量推移(明治33年~平成27年)◆
この1人1日当たりのごみ量は、単純に23区のごみ総量を人口で割ったもの
(環境省の計算の資源化分も含むごみ総排出量とは異なる)
※平成10年度までは「東京都清掃事業百年史」参考、以降は清掃事業年報などから作成