東大阪のごみ処理施設、電気売って金額9億収入に
産経ニュース 2018年6月14日
大阪府東大阪市は、昨年本格稼働した市内のごみ処理施設で、平成29年度に余熱を使って発電された電力による収入が約9億円にのぼったと発表した。当初の想定より数億円多いといい、担当者は「思った以上に発電効率がよく、トラブルもなかったため」としている。
このごみ処理施設は東大阪都市清掃施設組合が運営する第五工場。同市と大東市のごみを焼却する際の余熱を利用し、蒸気タービンを稼働させることで発電。昨年3月から稼働しており、環境省によると、発電機を設置する全国のごみ処理施設のうち、西日本では最も発電効率がよい施設とされている。
同組合によると、昨年度に第五工場で発電された電力約9500万kWh(キロワットアワー)のうち、約7400万kWhを関西電力に売った。9億円の収入は、ごみ処理施設で年間約40億円かかる運営費の一部にあてられるという。
東大阪都市清掃施設組合の第五工場、西日本では最も発電効率がよい施設となっている~
余剰電力を関西電力に売電しても9億円の収入なんだ、、
少しでも高く売電しようと新電力事業者(PPS)と契約すると、ロジテック破産のように売電未収入のリスクを背負い込むし、、、、廃棄物発電も、バイオマス分は固定価格買取制度による安定収入となっていても、電力自由化による価格変動で売電収入も影響は大きいようだ。
自治体によっては、廃棄物処理施設を「発電所」として位置づけ、本来の目的がどこにあるのかよくわからないようなところも見受けられるが、、廃棄物発電も、売電を従来の電力会社であれ、新電力にであれ、発電が順調に行われてこその収入源である。
昨年度、23区のある清掃工場(600t/日)では、発電機の故障で8ヶ月も発電ができなかったというとんでもない事故も起きている。ともかく焼却炉は通常通りの稼働で、どこかの市のように「ごみ処理非常事態宣言」には至らず、本来の廃棄物の処理には支障がなかったとはいえ、なにが禍となるかはわからない。ちなみに23区の清掃工場余剰電力の売電収入は、稼働19清掃工場で平成27年度は117.7億円、平成28年度は98億円だった。平成29年度は更に落ち込むことだろう。(売電収入は3月分~翌年2月分)
東大阪都市清掃施設組合
第五工場(焼却施設)
建設概要
処理能力 200t/24h炉×2基
設計・施工 JFEエンジニアリング(株)
型 式 全連続ストーカ式(ハイパー火格子焼却炉型)
所在地 東大阪市水走4丁目6番25号
竣 工 平成29年3月15日
環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成28年度)について」から
表-8 エネルギー回収(ごみ処理量当たりの発電電力量)取組の上位10位施設 注32)
31) 市町村・事務組合が設置した施設において比較
複数の炉の余熱を使って発電している場合は合算
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