■ 豊島産廃、直島で一時保管 香川県、期限内での島外搬出急ぐ
日本経済新聞 2016年11月22日
香川県は21日、豊島に不法投棄された産業廃棄物について、無害化処理を進める直島の施設で一時保管を始めたと発表した。豊島産廃は想定を上回る量が推計され、公害調停で決まった2017年3月末の搬出完了が危ぶまれている。県は期限に間に合わせるため、今月から搬出ペースを上げており、通常の無害化処理では追いつかない分の一時保管に踏み切った。
一時保管は直島環境センター内の1階メンテナンス通路など屋根のある9カ所、567平方メートルを使う。フレコンバッグ1個に約1トン、計1617個分(1600トン以上)を確保した。従来の保管ピット(約1400トン)を上回る分を保管する。
豊島産廃の推計量は90万3556トン。9割以上の搬出・処理が完了しているものの、相次ぎ上振れし、従来のペースでは「期限内処理は予断を許さず厳しい状況」(廃棄物対策課)。県は今月から日曜も作業し、島外搬出ペースを上げていた。
記者会見した浜田恵造知事は「(推計の基になった調査以降も)5メートル前後の深さの産廃が連続して見つかっている」とし、期限内処理が厳しい状況に変わりがないことを強調した。