東京新聞-「豊洲移転、早くて1年後に 五輪トンネル 側道で代用 環2の大会前整備断念」より
■ 豊洲移転、早くて1年後に 五輪トンネル 側道で代用 環2の大会前整備断念
東京新聞-2016年11月19日
東京都の小池百合子知事は十八日の定例記者会見で、築地市場(中央区)から豊洲市場(江東区)への移転の可否に関して、早ければ来夏にも判断する考えを表明した。移転が決まった場合、早くても移転時期は二〇一七年冬~一八年春になる見通し。このため、二〇年東京五輪・パラリンピックで、選手村や競技会場を結ぶ「環状2号」の建設計画のうち、大会までに築地市場跡地の地下にトンネルを通す現計画を断念、地上道路で代替する。
小池知事は市場移転延期の長期化で「(環2の地下化は)物理的に間に合わない。より現実的な形で、地上の道路をつくり、円滑な大会運営を確保する」と説明。築地市場跡地の地下トンネル化は、大会後に完成を目指す方針も示した。
環2は都が整備する幹線道路で、築地市場跡地を通る新橋-豊洲間(三・四キロ)が未開通。築地市場の移転後には、トンネル内に片側二車線の本道、市場跡地の地上部に片側一車線の側道を整備する計画だった。
都建設局によると、一八年冬までに築地市場が移転して着工すれば、側道を活用して造る地上の道路は五輪に間に合うという。現計画より車線が減るため、大会時は信号システムを改良して青信号を連動させるなどの対策で補い、円滑な通行を確保したい考えだ。
一八年冬までに築地市場が移転できない場合は「既存の道路を活用して迂回(うかい)する」(小池知事)ことも検討する。また同市場跡地は大会期間中、選手や大会役員らが使うバスや乗用車の駐車場の候補地になっている。都の担当者は「市場が移転しない場合、駐車場は別の場所を探さなければならない」と話す。
大会組織委員会は十八日、「道路の整備や駐車場確保については都が開催都市として責任を持って対応していただきたい」とのコメントを出した。
◆移転可否、来夏に判断市場移転の工程表では、豊洲市場の建物下に土壌汚染対策の盛り土がなかった問題を受け、安全性を再検証している専門家会議は一七年四月ごろに報告をまとめると想定。盛り土を前提に行った環境影響評価(アセスメント)が修正で済めば、小池知事は同年夏ごろに移転の可否を判断する。アセスメントがやり直しになれば、移転の時期はさらに約一年延びる。
移転延期に伴う市場業者への損失補償は、来年四月から受け付けや支払いを開始。業者の資金繰りを支える「つなぎ融資」も行う。
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