■ 【特集】「市民騙しているのと一緒」奈良市ゴミ収集の勤務実態とは?
毎日放送 2016年10月5日
(略)
「午後3時40分です。プラスチックゴミの収集作業が始まりました」(取材班)
ようやく収集されたプラスチックゴミ。なぜ、出発時間の遅い収集車があるのか?取材班、収集業務もしていた市の現役職員への接触に成功。不可解な勤務実態が明らかになりました。
「3人収集体制が奈良市の体制です。それが作業員1人休んで、2人になったとき、午前中の可燃ゴミの収集のみで、午後からは収集しなくていい。そのプラスチックゴミを残業という形で午後3時から収集して、その間何も仕事してないから」(奈良市職員)
職員によりますと、午前7時半に出勤。3人1組で燃やせるゴミの収集をします。昼休憩は45分間。そして、午後はプラスチックゴミの収集で、4時までの勤務が通常だとのこと。
しかし、1人が休んで2人1組になると勤務時間が変わります。午前中は同じように燃やせるゴミの収集ですが、午後の作業は免除となるのです。そして、希望すれば午後3時から作業を再開し、4時以降は残業代が発生、休憩は4時間にもなるのです。
取材班がセンターの様子を見ていると、午後4時以降、残業代が発生する時間に次々と車が戻ってきました。どの車も職員は2人です。本来、3人体制ですが、1人休むことが常態化していて、約6割の車が2人体制、そのため残業も増えているのです。4時間もの昼休憩。その間、職員は何をしているのでしょうか。
「休憩所で寝てるか、テレビ見てるか、スマホとかでゲームしたり。はっきり言って市民騙してるのと一緒ですわ」(奈良市職員)
2人での収集になると、極端に優遇されるという奈良市収集課の勤務実態。奈良市ではゴミの収集事業の半分近くを民間の事業者に委託していますが、そこではすべて2人体制、もちろん4時間もの休憩はありません。民間と奈良市との差はなんなのか?取材班、収集課の責任者に問いました。
Q.公社(民間事業者)にできて、収集課にできないのはなぜ?
「公社さんが採用してい2人収集は安全上問題がある。安全に関するコストをどう考えるかっていうのは、奈良市の考え方と清美公社の考え方に少しズレがあると思います。」(奈良市 片山卓収集課長)
安全性のために2人収集は避けたいとのこと。では、4時間もの休憩、そして残業は本当に必要なのでしょうか。
「やむを得ず2人収集で職員に負担をかけている部分は疲労回復していただくという考え方です」
Q.残業代も仕方ない?
「職員の安全ですね。けがして補償とかなったら全部税金からになりますからね」
幹部を大幅に入れ替える奈良市環境部。市民の理解を得られる「クリーン」な職場に生まれ変わることができるのでしょうか。