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産廃処理行政 曲がり角 操業期限まで7年 県、新施設か 事業停止か/滋賀

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■  産廃処理行政 曲がり角 操業期限まで7年 県、新施設か 事業停止か
読売新聞 2016年9月7日

操業期限が2023年までとなっているクリーンセンター滋賀(甲賀市で)

操業期限が2023年までとなっているクリーンセンター滋賀(甲賀市で)



◇操業期限まで7年 県、新施設か 事業停止か

 産業廃棄物処理を巡り、県が新たな判断を迫られている。2008年から稼働する県内唯一の管理型産廃最終処分場「クリーンセンター滋賀」(甲賀市甲賀町神)の操業が、地元との合意で23年までとなっているためだ。新施設の操業までは用地選定や地元合意などが必要で、残る7年で受け入れ先は決まるのか。県は県内での産廃最終処分事業停止も視野に議論を進める。(川本修司)

 ■計画の3分の1

 センターは県や市町、民間34団体が1982年に設立した3セク「県環境事業公社」(理事長・三日月知事)が運営。年間搬入量を約6万7500トンと見込み、開業から15年間で90万立方メートルを埋め立て、満杯になるとしていた。

 しかし、企業のリサイクルが進むなどし、運び込まれる産廃は開業直後、計画の3分の1~2分の1にとどまり、事業収入が低迷。建設時に融資を受けた金融機関への借金返済にも苦しみ、県が公社に寄付する形で返済を肩代わりする事態に発展した。

 14、15年度は搬入量が持ち直しているものの、経営状況が改善するまでには至らず、県が借金返済に支出した総額は約75億円に及ぶ。今後、操業終了まで、県はさらに約20億円を負担する可能性があるという。

 ■難しい選択

 センターの操業期間は、建設時の住民との交渉により、15年間とすることで合意しており、24年以降は県内で有害物質を含む産廃の最終処分先がなくなる。

 県は8月、センターの今後に関する基本方針素案を公表。将来的な課題として「早い時期に県の関与のあり方も含め、一定の方向性を示す必要がある」とした。

 考えられる主な選択肢は二つだ。一つは新たな用地を選定し、 施設を整備する場合。ただ、現施設でも地元合意を経て開業まで16年かかっただけに、あと7年のうちに別の場所で合意を得て、新施設の操業にこぎつけられ るか、現時点では見通せない状況だ。現施設は整備などに約120億円が投じられており、新施設も相当の事業費が必要になる。

 もう一つは県内での産廃最終処分事業をやめるというものだ。 産廃の処理責任は排出事業者にあり、すでに県外で有害物質などを処理しているケースもあるとみられる。ただ、県内で停止となると、運送コストの増大が懸念 されるほか、公社そのもののあり方も問われることにもなる。

 県循環社会推進課は「24年以降は白紙」としつつ、「周辺府県の状況や産業界の考えなど情報収集を進めたい。何年もかかる事業であり、県民から広く意見を募りたい」と説明。今後、具体的な対応を急ぐ考えだ。

 ◆管理型産廃最終処分場 ダイオキシン類などの有害物質を含む産廃を埋め立て処分する施設。廃プラスチック類や汚泥などが対象となる。埋め立て後、分解などで発生した水分が地中に溶け込んで汚染されないよう、水処理施設などの併設が義務づけられている。


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