■ 【栃木】指定廃棄物「1カ所集約」反対を 解除後は国が責任 県内10団体が知事に要望
東京新聞 2016年6月26日
高濃度の放射性物質を含む「指定廃棄物」をめぐり、県内の複数の住民団体が福田富一知事に対し、国が目指す県内一カ所の処分場建設に知事として反対し、指定が解除された廃棄物を処分する責任を国から市町に転嫁させないよう求める申し入れ書を提出した。
県環境森林部を通じて十五日付で文書を提出したのは、廃棄物問題の情報共有に取り組む「ゴミ問題を考える県連絡会」(下野市)を中心とした十団体。
申し入れ書は「地震国の日本で、将来にわたり放射性物質が漏れ出さない施設を造ることは困難だ」と問題提起。茨城県で指定廃棄物の分散保管の継続 が認められたことや、宮城県で三カ所の処分場候補地が選定を「返上」したことにも触れ、「栃木県でも新たな方針転換が必要」と強調している。
放射性物質濃度が一キログラム当たり八〇〇〇ベクレル以下となった廃棄物の指定を解除できる仕組みを国が示したことについては、「通常の廃棄物と 同様に処分するのではなく、保管を続け、将来的に東京電力の責任で処分するように求めてほしい」とした。県は七月上旬にも申し入れに回答する方針。
提出者には、足尾鉱毒事件と闘った田中正造について学ぶ活動を続ける「田中正造大学」(佐野市)や、県が那珂川町で計画している馬頭最終処分場の整備に反対する「那珂川町の自然と環境を守る会」なども名を連ねた。 (大野暢子)