*: 平均値は各地点の年間平均値の平均値であり、濃度範囲は年間平均値の最小値及び最大値である。
**: 大気については、全調査地点(709地点)のうち、年間平均値を環境基準により評価することとしている地点についての結果であり、環境省の定点調査結果及び大気汚染防止法政令市が独自に実施した調査結果を含む。
***: 地下水については、環境の一般的状況を調査(概況調査)した結果であり、汚染の継続監視等の経年的なモニタリングとして定期的に実施される調査等の結果は含まない。
****:土壌については、環境の一般的状況を調査(一般環境把握調査及び発生源周辺状況把握調査)した結果であり、汚染範囲を確定するための調査等の結果は含まない。
☆表は「平成26年度ダイオキシン類に係る環境調査結果について」より
環境省のホームページで、「平成26年度ダイオキシン類に係る環境調査結果」が公表されている。
大気、公共用水域水質及び地下水質の基準値は、年間平均値なので、高めの数値が出ると、測定回数を増やせば均される。平成26年度の大気の測定値は、あまり異常値のような値はなかった。しかし、河川等の水質や底質は、ほぼ例年超過している地点が多い。東京江東区の横十間川天神橋のように、それぞれの地域で何らかの対策は行われていてもあまり改善されていないということだろう。
平成25年度調査で「仙台市太白区で地下水質110pg-TEQ/l」は、平成26年度は0.018pg-TEQ/lとなっていた。
環境省 2016年3月31日
平成26年度ダイオキシン類に係る環境調査結果について(お知らせ)
環境省では、ダイオキシン類対策特別措置法に基づき平成26年度に国及び地方公共団体が実施した、全国の大気、水質、水底の底質及び土壌のダイオキシン類環境調査結果を取りまとめました。
1.調査の概要
(1)大気 : 645地点(1,983検体)
(2)公共用水域水質:1,480地点(1,956検体)
(3)公共用水域底質:1,197地点(1,272検体)
(4)地下水 : 530地点( 531検体)
(5)土壌 : 872地点( 872検体)
2.調査結果の概要
大気、地下水質では、全ての地点で環境基準を達成していましたが、公共用水域の水質・底質では、それぞれ環境基準を超過した地点がありました。また、土壌については、環境の一般的状況を調査した結果においては、環境基準を超過した地点はありませんでした(表1参照)。
継続調査を実施している地点のダイオキシン類濃度の平均値は、大気、公共用水域の底質については低下傾向、公共用水域の水質については概ね平成25年度と同程度でした(表2参照)。
なお、毒性等量の算出に当たっては、平成19年6月のダイオキシン類対策特別措置法施行規則の改正を踏まえ、平成20年度調査分より毒性等価係数(WHO-TEF(2006))を用いることとしています。
2.今後の取組
今後も、ダイオキシン類対策特別措置法に基づき、ダイオキシン類の環境中への排出の低減、環境調査の適切な実施等に努めます。
添付資料 平成26年度ダイオキシン類に係る環境調査結果 [PDF 855 KB] 表1 平成26年度ダイオキシン類に係る環境調査結果(総括表) [PDF 114 KB] 表2 ダイオキシン類年度別調査地点数及び濃度 [PDF 160 KB]
(参考)各環境媒体における環境基準値
大 気 :0.6pg-TEQ/m3以下(年間平均値)
公共用水域水質:1pg-TEQ/L 以下(年間平均値)
公共用水域底質:150pg-TEQ/g 以下(年間平均値)
地下水質 :1pg-TEQ/L 以下
土 壌 :1,000pg-TEQ/g 以下
(注1)基準値は、2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンの毒性に換算した値とする。
(注2)大気、公共用水域水質及び地下水質の基準値は、年間平均値とする。
(注3)土壌の簡易測定法により測定した値(以下「簡易測定値」という。)に2を乗じた値を上
限、簡易測定値に0.5 を乗じた値を下限とし、その範囲内の値を土壌の測定方法により測定
した値とみなす。
(注4)土壌にあっては、環境基準が達成されている場合であって、土壌中のダイオキシン類の量
が250pg-TEQ/g 以上の場合(簡易測定法により測定した場合にあっては、簡易測定値に2を
乗じた値が250pg-TEQ/g以上の場合)には、必要な調査を実施することとする。
平成26年度ダイオキシン類に係る環境調査結果 [PDF 855 KB]
(抜粋)
5 調査結果
平成26 年度の各環境媒体における調査結果を表1に示した。また、平成9年度から平成26 年度までの調査地点数及び濃度を表2に示した。
なお、毒性等量の算出にあたっては、大気の平成10 年度以前の調査分についてはITEF(1988)を、大気の平成11 年度から平成19 年度の調査分及びそれ以外の媒体の平成19 年度以前の調査分については、WHO-TEF(1998)を用いている。
(1)大気
大気については、都市計画法の規定による工業専用地域等通常住民が生活しているとは考えられない地域ではなく、かつ、夏期及び冬期を含む年2回以上の調査が実施された地点についてのみ、年間平均値を環境基準により評価することとしている。これらの調査地点は全国645 地点あり、ダイオキシン類濃度の平均値は0.021pg-TEQ/m3、濃度範囲は0.0036~0.42pg-TEQ/m3であった。
大気環境基準(基準値;年間平均値0.6pg-TEQ/m3以下)と比較すると、645 地点(一般環境497 地点、発生源周辺122 地点、沿道26 地点)の全てで環境基準を達成していた。これにより平成18 年度以降、全ての測定地点で環境基準を達成していることになる。
なお、709 地点中64 地点は、年間平均値を環境基準により評価することとしている地点ではないが、ダイオキシン類の大気中の濃度を把握する上で貴重な情報となる。
このため、これらの地点も含めた全調査地点の濃度分布を図1に示した。
大気汚染防止法に基づき大気環境モニタリングが開始されて以降のダイオキシン類の大気調査の推移を表2に示した。全国のダイオキシン類濃度の平均値の経年変化をみると、平成9年度0.55pg-TEQ/m3、平成10 年度0.23pg-TEQ/m3、平成11 年度0.18pg-TEQ/m3、平成12 年度0.15pg-TEQ/m3、平成13 年度0.13pg-TEQ/m3、平成14年度0.093pg-TEQ/m3、平成15 年度0.068pg-TEQ/m3、平成16 年度0.059pg-TEQ/m3、平成17 年度0.052pg-TEQ/m3、平成18 年度0.050pg-TEQ/m3、平成19 年度0.041pg-TEQ/m3、平成20 年度0.036pg-TEQ/m3、平成21 年度0.032pg-TEQ/m3、平成22 年度0.032pg-TEQ/m3、平成23 年度0.028pg-TEQ/m3、平成24 年度0.027pg-TEQ/m3、平成25 年度0.023pg-TEQ/m3、平成26 年度0.021pg-TEQ/m3となっている。平成10 年度以前はダイオキシン類のうちPCDD及びPCDFのみの調査であり、かつ毒性等量の算出方法が異なり、同一地点の経年変化ではないものの、ダイオキシン類濃度は全般的に低下傾向が見られる。
PCDD及びPCDFについて、平成9年度から平成26 年度にかけて環境省及び地方公共団体が継続して調査を実施している地点における濃度の推移を表3及び図2に示した。
継続調査地点は全国28 地点あり、これらの地点における平成26 年度のPCDD及びPCDFの平均値は0.022pg-TEQ/m3であった。平成9年度の0.65pg-TEQ/m3に比べ大幅に低下しており、年々低下する傾向にある(表3)。
(2)公共用水域水質
公共用水域の水質については、1,480 地点で調査が行われ、これらの地点のダイオキシン類濃度の平均値は0.18pg-TEQ/L、濃度範囲は0.012~2.1pg-TEQ/L であり、21地点(地点超過率:1.4%(河川20 地点、湖沼1地点))で水質環境基準(基準値;年間平均値1pg-TEQ/L 以下)を超過していた。
継続調査地点(全国665 地点)におけるダイオキシン類濃度の平均値は、平成26年度は0.20pg-TEQ/L であり、経年変化は僅かながら低下する傾向がみられる(表3)。継続地点の濃度分布を図3、平均値の経年変化を図4に示した。
(3)公共用水域底質
公共用水域の底質については、1,197 地点で調査が行われ、これらの地点のダイオキシン類濃度の平均値は6.4pg-TEQ/g、濃度範囲は0.068~660pg-TEQ/g であり、2地点(地点超過率:0.2%(河川2地点))で底質環境基準(基準値;150pg-TEQ/g以下)を超過していた。
また、継続調査地点(全国409 地点)におけるダイオキシン類濃度の平均値は、平成26 年度は9.4pg-TEQ/g であり、経年変化は僅かながら低下する傾向がみられる(表3)。継続地点の濃度分布を図5、平均値の経年変化を図6に示した。
(4)地下水質
地下水質については、概況調査が全国530 地点で行われ、ダイオキシン類濃度の平均値は0.050pg-TEQ/L、濃度範囲は0.012~1.0pg-TEQ/L であり、水質環境基準(基準値;年間平均値1pg-TEQ/L 以下)を超過した地点はなかった。濃度分布を図7に示した。
また、汚染の監視等を目的とする汚染井戸周辺地区調査が5地点、継続監視調査が15 地点で実施され、濃度範囲は0.015~4.8pg-TEQ/L であり、1地点で環境基準を超過していた。
(5)土壌
土壌については、平成26 年度の土壌調査は、一般環境把握調査(603 地点)では、平均値は1.6pg-TEQ/g、濃度範囲は0~57pg-TEQ/g、発生源周辺状況把握調査(269地点)では、平均値は4.0pg-TEQ/g、濃度範囲は0~100pg-TEQ/g であり、いずれの調査でも環境基準(基準値;1,000pg-TEQ/g 以下)を超過した地点はなかった。
一般環境中の概況を示すこれらの調査結果をあわせた872 地点では、ダイオキシン類濃度の平均値は2.3pg-TEQ/g、濃度範囲は0~100pg-TEQ/g となる。濃度分布を図8に示した。
また、濃度の推移を把握するため3~5年の期間をおいた後に実施する継続モニタリング調査は4区域4地点、4検体で実施され、濃度範囲は0.051~0.42pg-TEQ/g であった。
6 まとめ
(1)調査結果の評価
大気及び地下水質では、全ての地点で環境基準を達成していたが、公共用水域水質・底質では、それぞれの環境基準を超過した地点がみられた。土壌については、環境の一般的状況を調査(一般環境把握調査及び発生源周辺状況把握調査)した結果では、環境基準を超過した地点はなかった。
(2)今後の取組
現在、法等に基づきダイオキシン類の排出規制等が実施されており、今後とも法の適切な運用により、ダイオキシン類の環境中への排出の一層の低減に努めることとしている。常時監視についても、その適正かつ効果的な運用を図り、環境中のダイオキシン類濃度の実態及びその推移を的確に把握することを通じて、対策の効果の確認、未知の発生源の把握等に資する必要がある。
環境基準を超過した地点等については、各地方公共団体において、現在、所要の調査、対策が検討され、取組が行われているところであるが、平成27 年度以降の常時監視においても、これらの地点を考慮して、環境調査が実施されることとなる。
報告書より環境基準の超過地点を抜粋
例年、おなじみの地名も多い、、、若干の改善傾向もみられるが、、
●平成26年度ダイオキシン類環境調査結果(大気)超過は0
環境基準 大気:0.6pg-TEQ/m3以下(年平均)
全ての測定地点で、年平均にすれば環境基準は超過せず
しかし、例えば、濃度範囲の最大値での超過はあり
都道府県/所在地測定/地点名/地域分類/検体数/平均値(pg-TEQ/m3)/濃度範囲(pg-TEQ/m3)最小・最大
埼玉県 さいたま市農業者トレーニングセンター 一般環境 5 0.42pg-TEQ/m3 0.031pg-TEQ/m3~ 1.9pg-TEQ/m3
●平成26年度ダイオキシン類環境調査結果(公共水域 水質)
環境基準 公共水域 水質:1pg-TEQ/L 以下(年平均)
年平均で超過の21地点超過と最大値で超過の地点
都道府県/水域分類/水域名称/地点名称:m環境基準超過件数 , n検体数: 平均値,最大値
宮城県 河川鶴田川下志田橋(サイホン) 1 1 2.1 2.1
宮城県 湖沼伊豆沼伊豆沼出口 1 1 1.6 1.6
山形県 河川犬川犬川橋 1 2 0.87 1.6
茨城県 河川山田川荷下橋 1 2 0.96 1.2
茨城県 河川茂宮川郡長橋 1 2 0.90 1.1
茨城県 河川鵠戸川片神辺橋 1 2 1.0 1.8
茨城県 河川中通川伊丹神橋 1 2 0.76 1.1
埼玉県 河川綾瀬川上流畷橋 1 2 0.81 1.4
埼玉県 河川綾瀬川上流新簀子橋 1 2 0.70 1.3
埼玉県 河川綾瀬川上流槐戸橋 2 4 1.3 2.9
埼玉県 河川綾瀬川上流綾瀬川橋 1 4 0.84 1.9
埼玉県 河川綾瀬川上流上綾瀬橋 1 4 0.71 2.1
埼玉県 河川綾瀬川下流内匠橋 2 4 0.81 1.1
埼玉県 河川綾瀬川下流手代橋 1 4 1.1 2.2
埼玉県 河川新方川昭和橋 2 4 1.4 3.2
埼玉県 河川新方川昭和橋 2 4 1.4 3.2
埼玉県 河川古綾瀬川綾瀬川合流点前 1 4 0.56 1.1
埼玉県 河川伝右川伝右橋 2 4 0.91 1.4
千葉県 河川南白亀川観音堂橋 1 2 1.1 1.4
千葉県 河川平久里川平成橋 1 2 2.0 3.6
千葉県 河川清水川清水橋 1 2 1.1 1.9
千葉県 河川与田浦川与田浦橋 1 2 1.1 1.1
千葉県 湖沼手賀沼手賀沼中央 1 4 0.63 1.2
東京都 河川中川下流飯塚橋 1 4 0.88 1.5
東京都 河川中川下流高砂橋 1 4 0.90 1.1
東京都 河川綾瀬川下流内匠橋 2 4 0.81 1.1
東京都 河川荒川下流(2) 堀切橋 1 4 0.81 2.0
東京都 河川隅田川小台橋 1 4 0.69 1.3
東京都 河川新中川小岩大橋 1 4 0.73 1.3
新潟県 河川信濃川中流庄瀬橋 1 4 0.96 1.4
新潟県 河川信濃川下流平成大橋 1 4 0.68 1.2
新潟県 河川大通川大通橋 1 2 0.73 1.1
新潟県 河川新川槙尾大橋 1 2 0.69 1.1
新潟県 河川関川下流稲田橋 2 4 1.3 2.3
新潟県 河川関川下流直江津橋 2 4 1.2 2.5
新潟県 河川保倉川下流古城橋 1 4 1.5 4.2
新潟県 河川福島潟潟口橋 2 4 1.1 1.5
新潟県 河川新発田川東港新橋 1 2 0.87 1.1
新潟県 河川矢代川下流新箱井橋 1 3 0.94 2.3
新潟県 河川新井郷川下流大正橋 1 4 0.91 1.4
新潟県 河川落堀川藤村橋 1 2 1.1 1.8
富山県 河川富岩運河、岩瀬運河及び住友運河萩浦小橋 2 2 1.7 1.9
山梨県 河川鎌田川鎌田川流末 1 2 0.62 1.1
長野県 河川聖川聖川 1 2 0.61 1.1
愛知県 河川長田川潭水橋 1 4 0.69 1.5
愛知県 河川鹿乗川米津小橋 1 4 0.58 1.1
愛知県 湖沼油ヶ淵中央 2 4 0.86 1.3
三重県 河川笹笛川八木戸橋 4 10 1.4 4.5
三重県 河川岩田川観音橋 1 4 1.4 3.4
三重県 河川金沢川千代崎樋門 1 2 0.74 1.3
大阪府 河川道頓堀川大黒橋 1 4 0.62 1.5
大阪府 河川恩智川住道新橋 1 2 0.88 1.2
大阪府 河川恩智川福栄橋下流100m 1 2 1.2 2.0
大阪府 河川恩智川三池橋 1 2 1.2 2.0
大阪府 河川神崎川新三国橋 1 2 1.1 1.9
大阪府 河川古川徳栄橋 1 4 0.97 1.9
大阪府 河川玉串川JAグリーン大阪前 1 2 0.90 1.2
●平成26年度ダイオキシン類環境調査結果(公共水域 底質) 2地点超過
環境基準 公共用水域底質:150pg-TEQ/g 以下
年平均で超過の21地点超過と最大値で超過の地点
都道府県/水域分類/水域名称/地点名称:m環境基準超過件数 , n検体数: 平均値,最大値
東京都 河川横十間川天神橋 1 1 210 210
富山県 河川富岩運河、岩瀬運河及び住友運河萩浦小橋 1 1 660 660
大阪の木津川 千本松渡、住吉川 住之江大橋下流、木津川 運河船町渡は改善された
●平成26年度ダイオキシン類環境調査結果(地下水質) 超過は0
環境基準 地下水質:1pg-TEQ/L 以下(年平均)
検体数, 平均値(pg-TEQ/l), 最大値(pg-TEQ/l)
京都府和束町1 1.0 1.0 ぎりぎり1.0
継続監視調査
岡山県倉敷市児島田の口1 4.8 4.8g-TEQ/l
●平成26年度ダイオキシン類環境調査結果(土壌) 超過は0
環境基準 土 壌:1,000pg-TEQ/g 以下
さすがに1,000pg-TEQ/g超過はゼロ
継続モニタリング調査
広島県尾道市高須町0.10
広島県東広島市西条町大沢0.42
広島県廿日市市阿品台五丁目0.051
福岡県八女市酒井田0.063