放射性物質汚染対処特措法に基づく特定廃棄物 ( ※ ) 及び除去土壌等の処理フロー(福島県内)
( ※ )対策地域内廃棄物又は指定廃棄物(特措法 20 条)
「放射性物質汚染対処特措法の施行状況に関する取りまとめ(資料編)」より
セシウム濃度高くとも焼却処理、
先日、火入れ式がおこなわれた 飯舘村蕨平の仮設焼却炉、そして、仮設資材化実証事業のことをあれこれ調べていて、あらためて、対策地域内廃棄物や指定廃棄物の焼却処理の危うさを考えてしまう。対象廃棄物のセシウム濃度が高いため、焼却灰等は、とてつもなく高濃度になるということである。それらを、一般廃棄物処理同様に、仮設焼却炉で処理するということだから。
東京電力開閉所敷地(田村市・川内村)内における 農林業系廃棄物減容化事業とは~
今、競争入札にかけられている、「東京電力開閉所敷地(田村市・川内村)内における 農林業系廃棄物減容化事業」もそうである。鮫川同様に、いわば、実証事業そのものである。入札説明書や質問回答など目を通すと、、一 般廃棄物や産業廃棄物の処理のプラントメーカーが、手探り状態で、放射性廃棄物の焼却処理を行うということがみて取れて、、危ういというより、恐ろしくなってくる。このようなものでも、どんなものでも、、これまで福島の仮設焼却炉建設で、入札不調など一度もないので、きっと、どこかが請けるのだろうが、、、、
放射性廃棄物は原発ごみの焼却炉で
先日、東京電力の「きょうから試験運転 第一原発構内廃棄物焼却施設」というニュースを見ながら、、電力会社は、原子力発電に伴う放射性廃棄物のうち、燃やせるものは「雑固体廃棄物焼却」と称して燃やしているのだから、、、それも、通常の濃度が千Bq/Kg~百万Bq/Kg(平均10万Bq/Kg)というものを処理しているというのだから、電力会社の原発ごみの焼却炉で全て処理してほしいものだと思う。福島原発事故でばらまかれた放射能、汚染された廃棄物は、すべて東京電力が責任を持って、これまで培ってきた放射性廃棄物の焼却処理のノウハウで処理すべきである。あまりにも膨大な量で、とても無理なことは承知の上ではあるが、すべて、原発事故が招いた放射能汚染ごみである~
東京電力開閉所敷地(田村市・川内村)内における 農林業系廃棄物減容化事業
県内24市町村の農林業系廃棄物の集約処理に向け、仮設焼却施設設置の準備中
気になった部分を入札説明書などから抜粋
業務期間
設計・施工期間:契約締結日から平成29年2月末日まで
運営期間:平成29年3月1日から平成31年8月末日まで(2年6箇月間)
解体・撤去期間:平成31年9月1日から平成32年3月末日まで
業務の対象となる廃棄物
1 )処理対象物
処理対象物とする農林業系廃棄物の量は、表1-1のとおり、全体で約49千tである。設置候補地が所在する田村市及び川内村で保管されている処理対象物の量は、合わせて約25千tであり、全体の1/2を占めている。なお、バークについては、現在も、関係事業者において既存の処理施設での処理可能性を模索しているところであり、既存の処理施設での処理が困難と判断された場合に限り、処理対象物に加えることとする。
2)処理対象物の放射性セシウム濃度
処理対象物の放射性セシウム濃度は10,000Bq/kgを超えるものもあるため、電離放射線障害防止規則(以下「電離則」という。)に従って本業務を行うこと。
稲わらの平均値56,800Bq/Kg、最大値286,100Bq/Kgとは大変だ!!
「福島県鮫川村における実証事業」」では、稲わらで8万Bq/Kg超えもあったが、
稲わら、牧草、落葉などとの混焼で、セシウム濃度と処理量のバランスで、平均濃度を8000Bq/Kg以下に抑えていた。それでも飛灰が6万Bq/Kg程度になっていた。
2.炉形式
以下に示すいずれかの方式とすること。
1 ) 焼却方式の場合:ストーカ式、流動床式または回転炉式
2 ) ガス化溶融方式の場合:シャフト式または流動床式
3. 処理能力
仮設焼却施設は連続運転式とする。仮設焼却施設は、1炉1系列で構成し、点検、補修時等においては炉の停止は、2年6箇月間で処理完了することを考慮し適切な停止を行うこと。「表1-1処理対象物量(想定)」に示す処理対象物を計画ごみ質の範囲内におい60t/日の能力を有すること。
6 . 運転方式
仮設焼却施設は連続運転式とする。仮設焼却施設は、1炉1系列で構成する。仮設焼却施設は、90日以上にわたり、連続運転が行えるように計画すること。
8 . 焼却条件
1 ) 燃焼温度850°以上とすること。
2 ) 1 )の燃焼温度でのガス滞留時間2秒以上とすること。
3 ) 溶融炉溶融温度(ガス化溶融方式の場合) [ ] °C以上とすること。
「質問回答」から抜粋
質問内容:万が一、焼却残渣やばいじんに100,000Bq/kgを超えるCs濃度のものが発生した場合、環境省殿にて中間貯蔵施設へ搬入いただけるものと考えてよろしいでしょうか。
質問回答:100,00Bq/kg超のばいじんは発生しないよう処理してください。万一発生した場合は環境省担当官と協議するものとします。
質問内容:処理対象物には、土砂等の不燃物が混入していないという想定でしょうか。混入しており、焼却不可である場合、業務敷地内での保管とし、業務完了後の最終的な扱いは環境省のご担当者との協議と考えてよろしいでし か。
質問回答:不燃物類の混入は、想定してください。可燃物と土砂の混合物は焼却対象とします。焼却炉に投入できないがれき、金属類等が混合していた場合は、適切に選別、保管後、最終的な扱いを環境省担当官と協議してください。
質問内容:「放射性セシウム濃度」とありますが、ここで言う放射性セシウム濃度とは一時保管場所の空間線量率であるとお考えでしょうか。もしくは、現地調査時に一時保管されている処理対象物を全てサンプリングし、放射性セシウム濃度を測定する、という考えでしょうか。あるいは、対象物表面の線量率を測定し、セシウム濃度を推定するということでしょうか。ご教示ください。
質問回答:処理対象物の放射性セシウム濃度です。100,000Bq/kgを超える燃え殻、ばいじんを発生させないように処理するために必要な調査を計画し、実施してください。検体数、測定方法検体数は環境省担当官と協議し承諾を得るものとします。
質問内容:「ばいじん(原灰)の放射性セシウム濃度が100,000Bq/kg以下となるよう、焼却対象物を調整して焼却処理すること。」との記載は保証項目でなく努力目標であり、100,000Bq/kgを超えた場合、受注者がその責を追うものではないとの理解でよろしいでしょうか。
質問回答:100,000Bq/kg超のばいじんは発生しないよう処理してください。万一発生した場合は環境省担当官と協議するものとします。発生を防止するために装置の改造、追加などが必要になった場合は受注者の負担で実施してください。
ということで、仕様書や質問回答を読んでいて、「パーク」の意味がわからなかったのでネットで検索すると、、、樹木の樹皮ということのようだ。
すでに、下記のような実証試験もおこなわれていた。
独立行政法人日本原子力研究開発機構 福島技術本部
「平成 23 年度「除染技術実証試験事業」 放射能汚染された木材・樹皮の水洗及び焼却によ る除染・廃棄物減容化技術の実証 郡山チップ工業株式会社」
「フクシマエコテッククリーンセンター埋立処分計画案について」をみると、処分場面積:約9.4ha(埋立地面積は約4.2ha)・埋立容量:約96万㎥・埋立地の残余容量:約74万㎥となっているが、環境省の、ここのところの、 飯舘村蕨平(わらびだいら)の減容化施設と資材化実証事業、楢葉町の「仮設焼却施設及びセメント固型化施設」、そして、今、入札中の田村市の「(東京電力)開閉所農林業系廃棄物処理業務(減容化処理)」をみる限り、 、なんとか廃棄物のセシウム濃度を10万Bq/Kg以下にしてエコテックに埋立処分できるように躍起になっているようにみえる。なにしろ、中間貯蔵施設など、いつになったら動き出すのかもわからないので、、、
■ 開閉所農林業系廃棄物処理業務(減容化処理)の発注について(お知らせ)
こ のたび、福島県内24市町村の農林業系廃棄物を減容化する仮設焼却施設の用地確保など発注に必要な準備が整ったことから、開閉所農林業系廃棄物処理業務 (減容化処理)の事業者の公募(一般競争入札)を行いますのでお知らせいたします。本業務は、1日の処理能力60トン程度の仮設焼却施設を建設し、県内 24市町村の農林業系廃棄物を焼却により減容化処理するものです。
概要
東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故に伴い、福島県内においては放射性物質に汚染された農林業系廃棄物が大量に発生しており、早急に減容化処理に取り組むことが課題となっています。
今般、農林業系廃棄物の減容化処理に取り組む仮設焼却施設の用地確保など発注に必要な準備が整ったことから、開閉所農林業系廃棄物処理業務(減容化処理)の発注を行うこととなりました。
本業務は、田村市と川内村にまたがる東京電力株式会社南いわき開閉所敷地内の一部に1日の処理能力60トン程度の仮設焼却施設を建設し、県内24市町村内の農林業系廃棄物を焼却処理して減容化するものです。
<施設概要>
設置場所:福島県田村市都路町古道地内、双葉郡川内村上川内地内
東京電力株式会社南いわき開閉所内の一部
用地面積:約60,000㎡(うち施設面積は約15,000㎡)
処理能力:60トン/日程度
処理見込み量:約49,300トン
処理対象物:稲わら、牧草、牛ふん堆肥、ほだ木・きのこ原木等
<処理対象となる市町村>
田村市、川内村、郡山市、須賀川市、鏡石町、天栄村、石川町、玉川村、平田村、浅川町、古殿町、三春町、小野町、白河市、西郷村、泉崎村、中島村、矢吹町、棚倉町、矢祭町、塙町、猪苗代町、湯川村、いわき市
2.入札方式
一般競争入札(総合評価落札方式)
3.今後のスケジュール
10月21日(水) 一般競争入札公告
11月16日(月) 申請書及び資料の提出期限
12月10日(木) 入札
添付資料
対策地域内廃棄物又は指定廃棄物も、焼却処理での減容化が当然のようにおこなわれる、、、、
○福島県内の除染土壌などの発生量は、減容化(焼却)した後で、約 1,600万~約2,200万㎥と推計。
(参考:東京ドーム(約124万㎥) の約13~18倍に相当)
中間貯蔵開始後30年以内の県外最終処分について
○福島県外での最終処分に向け、8つのステップに沿って取組を進めていく。
○具体的には、放射能の物理的減衰を踏まえつつ、幅広く情報収集しながら、まずは、研究・技術 開発、減容化・再生資源化等の可能性を踏まえた最終処分の方向性の検討等に取り組む。
○並行して、情報発信等を通じて、低濃度生成物の再生利用と県外最終処分に係る全国民的な理解の醸成を図る。
「放射性物質汚染対処特措法の施行状況に関する取りまとめ(資料編)」から抜粋
除染や汚染廃棄物の処理等に活用し得る新技術について実証試験を行い、その有効性の評価・公表も行われてきた(平成23年度は内閣府・JAEAも実施)。平成26年度までに累計83件の実証・評価を行い(内閣府・JAEA分を含む)、その内容は、排水処理を含む除染、可燃物を対象とした廃棄物処理、土壌等の減容化等に関するものである。実証の成果を実際の除染、汚染廃棄物の処理に役立てることとされており、除染関連で9件、廃棄物処理で1件の実証成果が既に実際に活用又は活用に向けて検討されている。そのほか、これらの技術開発の成果は、平成27年7月に第1回が開催された「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会」等における議論を通じ、新たな政策方針の検討にも活用されている。
中間貯蔵開始後30年以内の県外最終処分に向けて、除去土壌等の減容化・再生利用にできるだけ早い段階から取り組むことが重要である。併せて除去土壌等の減容化・再生利用は、中間貯蔵施設への輸送の負担の軽減等の観点からも重要であり、地元の理解と再生利用先の確保を前提として、その搬入前の実施も検討すべきである。このため、最終処分の対象となる除去土壌等の放射能濃度や量等の技術的要件も念頭に置いて、長期的な戦略とスケジュールを明確にした上で着実に除去土壌等の減容化・再生利用に関する技術開発及び必要な環境整備を進めるとともに、情報の発信やモデル的な再生利用の取組等を通じ、安全・安心を確保しつつ、全国民的な理解の醸成を図っていく必要がある。また、施設の整備や管理等に当たっても最終処分や再生利用を見越した計画とすることが重要である。
ということで「除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会」では~
関連(本ブログ)
■福島県内の災害廃棄物の処理進捗、仮設焼却炉の設置状況、契約情報(平成27年10月2日現在) 2015年10月09日
対策地域内廃棄物処理 ( 国直轄)
・田村市-- 既存の処理施設で処理中
(設置しない方針(既存の処理施設にて処理中)2,300t
・川内村 村内の災害廃棄物、片付けごみ 7t/日 日立造船(約29億円)
(稼働中 平成26年12月より) 2,500t
指定廃棄物処理( 国直轄)
・田村市・川内村
・県中、県南、いわき、川内村、会津、南会津の農林業系廃棄物、下水汚泥(想定)
・田村市、川内村内の除染実施区域(20km圏外)の除染廃棄物(想定) 6 0 t / 日
(競争入札実施中)
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要注目ブログ ↓↓ (新聞報道や環境省の発表だけでは見えてこないことも満載である)
●『ごみから社会が見えてくる-福島原発事故による放射能汚染ゴミの処理を追う-』では、
福島県内の放射能汚染ごみの問題、仮設焼却炉建設問題、現地での説明会、自治体、省庁交渉などさまざま角度で取り上げている。
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関連(本ブログ)
■田村市、川内村が(指定廃棄物?)減容化施設受け入れ/福島 2015年07月17日
■環境省が減容化施設を計画 都路、川内にまたがる東電施設に 2013年07月12日
電力用語集(電気事業連合会)
開閉所 かいへいしょ switching station
構内に設置された遮断器などの開閉装置により電路を開閉するところで、発電所・変電所および需要場所以外のものをいう。
変電所と異なり変圧器などの電気を変成する設備を持たず、主として母線と開閉装置からなる。開閉所を設ける主な目的の1つとして、送電線停止区間の短縮による系統安定度向上、供給信頼度向上が挙げられる。
グラフは途中までだが、7月で焼却終了しているので、グラフも完成させよう、、
■福島鮫川村「仮設焼却施設の運転状況」焼却対象物と焼却灰のセシウム濃度(焼却は7月末まで) 2015年06月03日