北九州PCB廃棄物処理施設の処理の流れ
JESCO「北九州PCB廃棄物処理施設のご案内」パンフレットより
いわば、、、北九州市の立入検査で協定値を超過していることが発覚ということ、、、なんとお粗末なことである。
環境基準値超過、協定値超過、事故やトラブルが起こるたびに、、、操業はストップする。処理期限の再延長はなし。
たまたま定期点検中ということで、その間に原因究明や対策を講じなければ、、、
せっかくの、地域住民の他地域の廃棄物受け入れ了承も、、こういうことで躓くとは残念だ、、、
北九州一期施設では、平成20年8月に排気中のベンゼン濃度の管理目標値を超過している。
豊田でも平成19年1月にベンゼン濃度の超過あり、、、
NHK 2015年10月31日
PCB=ポリ塩化ビフェニルを無害化する北九州市若松区の処理施設で、排気ガスから基準の11倍を超える有害物質の「ベンゼン」が検出され、北九州市は原因の究明と再発防止を求めるとともに適切な措置を講じるまでの運転停止を指示しました。
北九州市は若松区のPCBを無害化するための国の処理施設との間で環境保全協定を締結し、適宜、検査を実施するなどして協定の内容が順守されているかどうか、監視しています。
北九州市によりますと、今月14日、施設からの排気ガスを測定したところ、協定で定めた1立方メートルあたり45ミリグラム以下とする協定で定めた濃度の11倍を超える1立方メートルあたり520ミリグラムの「ベンゼン」が検出されたということです。
「ベンゼン」は発がん性などが指摘されている人体に有害な物質ですが、これまでのところ北九州市に住民への健康被害や周辺の環境への影響は報告されていないということです。
今回の事態を受けて北九州市では施設側に対し原因を究明するとともに再発防止策の報告を求めるとともに、適切な措置を講じるまで運転を停止するよう指示しました。
北九州市環境監視課の佐々木恵子課長は「あってはならないことが起き、非常に遺憾だ。今後とも厳しく管理を徹底するよう求めていきたい」と話しています。
北九州 PCB処理事業所の「環境モニタリング計画」をみると、排気のベンゼン測定頻度は1 年に 2 回となっている。
「平成26年度環境モニタリング調査結果」では、2期施設では、排気の系統により測定結果もばらつきがあるが、定量下限値未満、6mg/m3、22mg/m3、32mg/m3となっている。年2回の測定で、測定時は最大限の注意はしているのだろうから、その時々の作業工程の違いなのか、、、ベンゼンの排出は45mg/Nm 3 以下を大きく下回るとは言いがたい状況とも言える。北九州事業所、施設の定期点検中となっているが、活性炭が飽和状態なのか?それとも何らかのトラブルか、、、JESCOでは、北九州市からの報告があるまでなんら気づかずか~ 定期点検で、活性炭などチェックするのだろうが、
北九州以外の他事業所の環境モニタリング計画のベンゼンをみると、
同じ脱塩素化分解方式でも測定頻度も目標値も若干異なる。
(東京事業は水熱酸化分解方式処理方式なのでベンゼンなし)
ベンゼン 測定頻度 協定値など (脱塩素化分解方式)
北九州 環境モニタリング計画 (金属ナトリウム分散体法( SD 法))
排気 2回/年 45mg/m3以下(協定値)
大気 敷地南西端 (1カ所)4回/年 0.012mg/m3(参考)環境基準値等
豊田 環境モニタリング計画 ((金属ナトリウム分散油脱塩素 化法( OSD 法))
排気 4回/年 50mg/m3以下(排出管理目標値)
(操業開始後半年間は毎月1回)
大気 敷地境界1ヶ所 4回/年(四季毎)
大阪 環境モニタリング計画 (触媒水素化脱塩素化法 ( Pd/C 法))
排気 2回/年 0.35mg/m3以下(自主管理目標値) ←同じ脱塩素化分解方式でも0.35mg/m3以下
北海道 環境モニタリング計画 (金属ナトリウム分散体法( SP ハ イブリッド法))
排気 4回/年 50mg/m3N以下(排出管理目標値)
排出ガス量 3000m3以上では50mg/m3N
(操業開始後半年間は毎月1回)
大気 敷地境界東側の南端、PCB処理情報センター 4回/年
(操業開始後半年間は毎月1回)
■北九州PCB廃棄物処理施設 協定値を超えるベンゼンの排出について
(概要) 平成27年10月 30 日に北九州市から通報を受け、 北九州市が10月14日に サンプリングした 当事業所からの排ガス中に 同市との協定に基づく 協定値(45mg/ N m 3 ) を 超えるベンゼン(520mg/ N m 3 )が検出されていることが判明しました。
北九州市によるサンプリング は、当事業所 2 期施設 の PCB無害化 液処理 後工程から施設外に排出される排ガスについて 行われました。その後、当該施設は定期点検の ため 10月2 1日 より 操業 を 停止 しています 。
原因 については現在調査中です が 、その結果を踏まえて、今後適切に対応してまいります 。 なお、今回 の事象によるPCBの排出は有りません。
1. 発生状況
北九州PCB処理事業所では、PCB無害化のため脱塩素化分解 を行っています。無害化 後の 分解液 は 固液分離 処理を行 って おり、その 工程で生じた排ガスは活性炭槽を通して 大気に排出しております。
平成27年10月14日(水)13時30分に 当該工程の 大気排出口で北九州市によるベンゼンの行政測定 のためのサンプリ ングが 行われました。 当日のサンプリング時の 操業 状況は 、PCB無害化処理後の 分解液 の 固液分離処 理 運転中で 、 液体は処理 済油受槽に送液 し 、固体は固形物充填室内コンテナに充填 中でした 。
この 測定結果 について、 本日 北九州市より通報を受け、 排出口より協定値を超えるベンゼン(520mg/ N m 3 )が 検出 さ れていることが判明しました。
当該工程は定期点検のため10月21日 から 操業停止し ており 、その後のベンゼン 排出は有りません。
2. 発生原因
北九州市の通報を受け 、 原因調査 中です 。
3. 今後の対応
北九州市からは、原因 究明 と再発防止に関し報告を求めるとのご指示をいただいており ます。また、 その内容をご了解いただ き、 再発防止の効果を確認していただく までは当該プロセスの操業を 停止する よう ご指示も いただ いております。
JESCO「最近の主なトラブル等について」より転載 (ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業検討委員会資料かな?)
○排気中ベンゼン濃度の管理目標値超過(北九州事業所:H20.8.12(分析結果判明日))
1.トラブルの概要
平成20年8月9日に採取した液処理設備の排気の測定点G4において、ベンゼンの測定値が120mg/Nm3となり、自主管理目標値50mg/Nm3を超過したことが、8月12日に分析会社より速報値の連絡で判明した。
施設は定期点検のため8月12日未明に液処理設備の運転を停止していた。
同時期(7月28日~29日)に測定した周辺環境(大気)のベンゼン濃度は、0.0024mg/m3であり、自主管理目標値:0.012mg/m3を下回っていた。
2.原因と対策
(1)原因
ベンゼンは、トランス油のPCBを無害化のため脱塩素化処理する際に、トランス油に含まれているTCB(トリクロロベンゼン)が脱塩素化されて発生する。
今回のG4排気ベンゼン濃度の超過は、トランス油の処理量の増加により、液処理工程で発生するベンゼン量が増加し、吸収塔の絶縁油の12バッチ毎の交換ではベンゼンが吸収しきれず、高濃度のベンゼンが後段のセーフティネットの活性炭槽を通過し、活性炭も破過していたためと考えられる。
(2)対策
営業運転再開前に、G4排気の活性炭の交換、吸収塔の絶縁油の全量交換を行った。G5の排気系も同様に交換した。
9月18日の営業運転再開後、吸収塔の絶縁油の交換頻度を見直しつつ、G4排気における吸収塔及び活性炭の前後の排気中ベンゼン濃度の測定を行った。
吸収塔出口(活性炭入口)でのベンゼン濃度が50mg/Nm3以下とすることを目標に、絶縁油の交換頻度を、従来のトランス油の処理12バッチ毎から、8バッ
チ毎さらに6バッチ毎に見直した。しかし、絶縁油の交換頻度の増加では、吸収塔の能力が改善されず、活性炭がベンゼンに対してセーフティネットではなく吸着設備として機能していることが判明した。
今後、2期施設の操業開始に伴い、ベンゼンの発生源であるトランス油中のTCBをPCBの無害化処理の前に分離することから、発生するベンゼン量も大幅に低くなり、吸収塔の入口のベンゼン濃度が低くなると予想している。TCBを分離したトランス油での1期施設の液処理設備試運転で、昨年12月までと同様に排気中のベンゼン濃度の傾向を把握するため、吸収塔及び活性炭の前後の排気中ベンゼン濃度を確認し、排気中のベンゼンに対する最終的な対策を検討することとしている。(排気系統図あり)
豊田事業所のベンゼン濃度超過
●豊田PCB廃棄物処理施設におけるベンゼン濃度管理目標値の超過について(平成19年1月30日)
平成24年9月には、「管理目標値を超えるおそれのあるベンゼンの排出」ということで、活性炭の交換作業で、作業員が、交換後の運転再開作業において、「誤って吸着槽のバイパス管のバルブを開けたため」、ベンゼンを含む排気ガスが活性炭を経由せずに外部に排出したとか~