日刊工業新聞「太平洋セメント、LIBリサイクルを20年に事業化−セメント製造工程で希少金属回収」より転載
■太平洋セメント、LIBリサイクルを20年に事業化−セメント製造工程で希少金属回収
日刊工業新聞-2015年8月21日
太平洋セメントはリチウムイオン二次電池(LIB)のリサイクル技術の実用化に乗り出す。セメント工場に独自の熱処理設備を設置し、セメントの製造工程 に組み込んで希少金属を回収する実証実験を2016年度に始める。車載向けを中心にLIBのリサイクル需要の急増を見込み、20年をめどに事業化を目指 す。
LIBを解体・分解してプラスチックや基板を取り出した後、セメント製造工程で排出する熱で焙焼する。電解質は蒸発させセメント製造工程で無害化する。熱処理後は破砕・選別してリチウムやアルミニウム、鉄、銅などを回収する。残りかすはセメントの燃料とする。
もともとセメントはさまざまな産業が排出する廃棄物や副産物を受け入れ、原燃料に利用して製造する。受け入れ可能な廃棄物・副産物を増やすことはコスト 削減と収益増加の両面に寄与する。LIBは理論上100%リサイクルが可能で「捨てるところがない」(三浦啓一執行役員中央研究所長)。同社は11年に松 田産業と共同でリサイクルの研究開発に着手し、13年度からは経済産業省の補助を受けて技術開発を進めてきた。
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