■欧州環境庁、長距離越境大気汚染物質の排出インベントリ1 - EICネット
EICネット-2015年7月22日
欧州環境庁(EEA)は、長距離越境大気汚染物質条約(LRTAP)の下、EU排出インベントリ1990–2013年版報告書を公表し、ほとんどの大気汚染物質が長期的な減少傾向にあるものの、依然として多くの国が排出上限を超えていることを明らかにした。主な報告内容は下記の通りである。
・EU全28カ国で1990年以降、最も減少したのは硫黄酸化物で87%減。一酸化炭素、非メタン揮発性有機化合物、窒素酸化物、アンモニアもそれぞれ66%、59%、54%、27%減少。しかし過去10年間は、それ以前とくらべ減少率が鈍化。
・粒子状物質(PM10とPM2.5)は2000~2013年で約20%減少。
・鉛、カドミウム、水銀、ダイオキシン等も1990 年以降大幅に減少。
・LRTAPのヨーテボリ議定書で定めた4物質(窒素酸化物、非メタン揮発性有機化合物、硫黄酸化物、アンモニア)のEU15カ国全体の排出上限は達成された。しかし2013年はEU内8カ国が1物質で超過、オーストリア、アイルランド、ドイツは2物質で超過。
今回の報告書では、初めてブラックカーボンの排出量も示された。報告書のデータは、EEAの大気汚染物質排出データビューアで閲覧できる。【欧州環境庁】