■【岐阜】協定で2023年に操業終了 エコセンター恵那
中日新聞 2014/07/20
恵那市の「エコセンター恵那」は2003年、可燃ごみの固形燃料(RDF)化に炭化の工程を加えて導入された中間処理場。4月に炭化をやめたが、県内唯一のRDF化施設だ。地元との協定期限を見据え、市は昨年に市民委員会を設け、新施設建設を前提に処理方式や候補地を協議している。
RDF化施設はダイオキシン類の規制強化などに対応するため、一九八〇年代後半から各地で導入された。国の助成もあって、市もそれまでの焼却方式を転換し、三十三億一千九百万円でセンターを建設。燃料を買い取った企業が炉を傷めないよう除塩する炭化を取り入れた。
ごみを乾燥させRDFにすることから当初は、空気を汚さずに燃料も製造できる「夢のリサイクル施設」と言われた。しかし技術的には確立されておらず、各地のプラントで不具合が生じ、近年は建設されていない。
センターの炭化物は県内の一社が買い取って、助燃剤として使っていた。今年四月には「技術進歩と他の燃料の高騰で、塩分が残ったRDFでも買い取り先が増えた」と炭化を停止。RDFを納める先は県内と岡山県内の計三社に増えたものの、運搬費は相変わらず市の負担だ。
導入に先立つ二〇〇〇年末、市と建設地の長島町久須見区は建設協定と公害防止協定を締結し、操業を二十年以内とした。稼働後の大きな事故は確認されていないが、市は十年の節目に「ごみ処理施設整備検討委員会」を設置し見直しを始めた。
◆新施設を年度内にも提言
検討委は昨年八月、市内の十三地域自治区と事業者の代表、公募市民、有識者ら十八人で設置された。今年五月までに視察を含め五回の会合を開き、中間報告をまとめた。
四回目の会合では、新施設の処理方式を協議した。コンサルのデータを基に市が選んだ主要三方式とRDF化方式を、処理の安定性や経済性などで採点。ストーカーと呼ばれる炉の中の格子上でごみを移動させ、焼却する「ストーカー方式」が最高点だったが、市は「運転方法により経費も変わってくるので確定ではない」という。
建設候補地の情報は各地域から自薦、他薦で募っており、六月末時点では一件も寄せられていない。市は「要望と用地の規制、周辺環境などを踏まえ、行政からある程度の候補を挙げて選んでもらうことになる」と話す。
「不安を抱えながら旧処分場を二十五年、現施設を二十年の約束で受け入れてきた」と、センターがある長島町の地域自治区代表の委員磯村源蔵さん(72)。「既に市民の義務を果たしたというのが地元の総意」と受け止めている。
技術が進歩しても、市民にとって処理場は依然として「迷惑施設」。市の言う「長く愛される施設」を造るには、十分な協議と説明がなければ後の火種となる。検討委は今後、五回程度の会合を経て年度内にも市長に提言する。 (田中富隆)
全文転載
関連(本ブログ)
■RDF発電所:廃止問題 紀南清掃センター存続も 御浜町長、議会に「比較検討中」 /三重(2014年06月18日)
中日新聞 2014/07/20
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RDF化施設はダイオキシン類の規制強化などに対応するため、一九八〇年代後半から各地で導入された。国の助成もあって、市もそれまでの焼却方式を転換し、三十三億一千九百万円でセンターを建設。燃料を買い取った企業が炉を傷めないよう除塩する炭化を取り入れた。
ごみを乾燥させRDFにすることから当初は、空気を汚さずに燃料も製造できる「夢のリサイクル施設」と言われた。しかし技術的には確立されておらず、各地のプラントで不具合が生じ、近年は建設されていない。
センターの炭化物は県内の一社が買い取って、助燃剤として使っていた。今年四月には「技術進歩と他の燃料の高騰で、塩分が残ったRDFでも買い取り先が増えた」と炭化を停止。RDFを納める先は県内と岡山県内の計三社に増えたものの、運搬費は相変わらず市の負担だ。
導入に先立つ二〇〇〇年末、市と建設地の長島町久須見区は建設協定と公害防止協定を締結し、操業を二十年以内とした。稼働後の大きな事故は確認されていないが、市は十年の節目に「ごみ処理施設整備検討委員会」を設置し見直しを始めた。
◆新施設を年度内にも提言
検討委は昨年八月、市内の十三地域自治区と事業者の代表、公募市民、有識者ら十八人で設置された。今年五月までに視察を含め五回の会合を開き、中間報告をまとめた。
四回目の会合では、新施設の処理方式を協議した。コンサルのデータを基に市が選んだ主要三方式とRDF化方式を、処理の安定性や経済性などで採点。ストーカーと呼ばれる炉の中の格子上でごみを移動させ、焼却する「ストーカー方式」が最高点だったが、市は「運転方法により経費も変わってくるので確定ではない」という。
建設候補地の情報は各地域から自薦、他薦で募っており、六月末時点では一件も寄せられていない。市は「要望と用地の規制、周辺環境などを踏まえ、行政からある程度の候補を挙げて選んでもらうことになる」と話す。
「不安を抱えながら旧処分場を二十五年、現施設を二十年の約束で受け入れてきた」と、センターがある長島町の地域自治区代表の委員磯村源蔵さん(72)。「既に市民の義務を果たしたというのが地元の総意」と受け止めている。
技術が進歩しても、市民にとって処理場は依然として「迷惑施設」。市の言う「長く愛される施設」を造るには、十分な協議と説明がなければ後の火種となる。検討委は今後、五回程度の会合を経て年度内にも市長に提言する。 (田中富隆)
全文転載
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