■ 福島第1原発事故 試験焼却の安全性問う バグフィルターの放射性物質除去率 /宮城
毎日新聞 2016年12月8日
仙台で11日、医師が講演
東京電力福島第1原発事故による指定廃棄物の基準(1キロ当たり8000ベクレル)以下の放射能汚染廃棄物処理を巡り、県は各市町村に対して試験焼却を要請している。この焼却で放射性物質の除去のために使われる「バグフィルター」の効果について考える講演会が11日、仙台市青葉区の仙台弁護士会館で開かれる。岩手県宮古市の岩見億丈医師(58)が講演し、自ら算定した放射性物質の除去率を提示し、安全性に疑問を投げかける予定だ。
バグフィルターは「ろ布」と呼ばれる布を使ってばいじんを取り除く。11月3日に開かれた市町村長会議での県の説明によると、廃棄物に付着した放射性物質は、焼却されると大部分は飛灰となり排ガスとして排出される。このガスを急速冷却して微粒子状にして灰に付着させ、バグフィルターで捕捉する。国立環境研究所はこのフィルターの除去率を「99・99%」と公表している。
岩見医師はこのフィルターの除去率について調査。岩手県遠野市が2012~14年に実施した汚染牧草と一般ごみの混焼前と混焼後の牧草などに含まれる放射性セシウムの総量を比較した結果、除去率は「64・6%」と算出されたという。これに伴って、焼却炉から1立方メートル当たり1・4ベクレル前後の微量の放射性セシウムを含む排ガスの漏出が続いた可能性があると指摘する。これは、環境省のガイドラインに基づく測定下限(同2ベクレル)以下に当たる。
また、岩見医師は宮古市で実施した焼却でも「約2割がバグフィルターを通り抜けた」としており、「放射性廃棄物を一般廃棄物焼却炉で処分するのは中止すべきだ」と強調している。
除去率を巡る岩見医師の提起は、1日に開かれた大崎市議会全員協議会で議員が「住民説明会で資料として示すべきだ」と市に求めるなど、焼却反対派の主張の支えの一つになっている。
講演会は11日午後2時から。問い合わせは東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター(022・399・6907)。【山田研】
■ <汚染廃棄物>栗原市民、試験焼却反対も
河北新報 2016年12月8日
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■ 福島第1原発事故 美里町、放射能汚染廃棄物「試験焼却に応じる方向 ...
毎日新聞-2016/12/06
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毎日新聞-2016/12/06
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