河北新報「<汚染廃棄物>88%が1000ベクレル以下」より
■ 一斉焼却案、市町村に提示=基準以下の汚染廃棄物-宮城県
時事通信 2016年11月3日
東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む廃棄物の処理問題で、宮城県の村井嘉浩知事は3日夜、国の基準以下の汚染廃棄物について、県内のごみ処理場で一斉焼却を始める方針を市町村に示した。
方針は仙台市内で開かれた市町村長会議で提示。村井知事は終了後、「基本的に理解いただけたと思う。議会や住民への説明が必要だが、安全かつ慎重にということを説明していく」と述べた。
■ 【福島第1原発事故】 宮城県が基準以下廃棄物の焼却を市町村に要請
産経ニュース 2016年11月3日
宮城県は3日、ごみ処理施設を保有する県内市町村に対し、東京電力福島第1原発事故で発生した汚染廃棄物の焼却を要請した。付着した放射性物質の濃度が基準値以下で指定廃棄物に該当せず、各地に分散保管されている牧草など約3万6000トンが対象。住民の反発を懸念し、市町村側が処理を先送りしていた。
市町村長を集めて仙台市で開いた会合で要請した。市町村側は、12月の次回会合で受け入れるかどうか表明する見通し。
県は会合で、住民の不安を和らげるため、事前に試験焼却して安全性を確認する方針を伝えた。汚染廃棄物と家庭ごみを混ぜて焼却すれば、放射性物質の濃度上昇を抑えることができるとの考えも示した。
基準値以下の廃棄物は、一般ごみとして市町村が処理責任を負う。県内に約3400トンある指定廃棄物の処理方法は決まっていない。
■ <汚染廃棄物>88%が1000ベクレル以下
河北新報 2016年11月4日
県は3日、放射性物質で汚染された国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の廃棄物について放射能濃度の測定結果を公表した。25市町村が保管する計3万4007.3トンのうち、88.6%が1000ベクレルを下回った。
国の基準値以下で市町村が処理を担う汚染廃棄物の保管量は表の通り。濃度測定の過程で正確な量の把握を進めた結果、6月の集計時よりも減少した。
県の測定分では、加美町が7506.8トンで保管量が最も多く、大崎市(5522.1トン)、登米市(4747.2トン)、白石市(3275.6トン)の順となっている。各自治体が堆肥化や土壌へのすき込みなど焼却以外の方法で独自に処理できる400ベクレル以下の廃棄物は、計2万1491.8トン(63.2%)に上る。
国の基準を超すとされながら未指定のままにされ、環境省の再測定で基準を下回った廃棄物は10市町の計1965.7トン。栗原市が最も多く636.0トン、大崎市557.4トン、美里町334.8トンだった。
濃度別では、4000~6000ベクレル以下が762.5トン(38.8%)、6000~8000ベクレル以下が652.7トン(33.2%)、1000ベクレル以下は106.3トン(5.4%)だった。
一方、8000ベクレル超の指定廃棄物は、県測定分が丸森、栗原、山元、気仙沼の4市町で計76.7トン。環境省再測定分は栗原、大崎、涌谷、加美、角田、丸森、亘理、色麻、蔵王の9市町で計573.1トンだった。
■ 福島第1原発事故 知事、一斉焼却を提案 基準以下廃棄物、年明けから全域で 市町村長会議 /宮城
毎日新聞 2016年11月4日
東京電力福島第1原子力発電所事故で汚染し、指定廃棄物の基準(1キロ当たり8000ベクレル)以下で一般廃棄物となる稲わらなどの処理方法を話し合う市町村長会議が3日、仙台市内であった。村井嘉浩知事は基準以下の約3万6000トンについて、年明けから県内全域で一斉に試験焼却するよう正式に提案。12月に再度市町村長会議を開き、同意を得たいとの考えを示した。...