■ 辰野町平出区が反対 諏訪・板沢地区の最終処分場計画
信濃毎日新聞 2016年10月27日
岡谷市、諏訪市、諏訪郡下諏訪町でつくる湖周行政事務組合(組合長・今井竜五岡谷市長)が諏訪市湖南の板沢地区に建設を計画した最終処分場について、下流域の上伊那郡辰野町平出区が建設に反対する方針を決め、26日夜の説明会で組合側に伝えた。平出区民からは建設地決定前に説明がなかったことへの批判が相次ぎ、林龍太郎・同区長は取材に「(隣接する)辰野町沢底区や町にも相談し、対応を検討したい」と述べた。
林区長によると、21日に区議会を開いて建設に反対する方針を決めた。区長は、25日の同組合議会臨時会で最終処分場の地形測量費用などを盛った補正予算案が可決されたことに触れ、「決まった後に説明だけし、一方的に事業が進むのではないかという不満や不安がある」と指摘した。
説明会は組合側が開いたが、批判が相次いで事業の具体的な説明はできなかった。組合事務局は「(事前説明しなかったのは)受け入れ地区との関係上、苦渋の選択だったことをご理解いただきたい。辰野町の皆さんの意見や要望も聞きながら、丁寧に説明したい」としている。
同組合は今月4日、一般ごみの焼却灰を埋め立てる最終処分場を板沢地区に建設すると発表。2019年度着工、21年度稼働を目指す方針で、既に地元・板沢区の同意を取り付け、主な地権者とも用地の賃貸借契約を結んだ。
諏訪市内の近隣地区や予定地の下流域に当たる辰野町への説明会は19日に開始。辰野町平出の上野地区で同日開いた説明会では、説明が遅れたことへの批判なども出た。
同組合は最終処分場について、屋根や人工の地盤などで全体を覆う「クローズド型」とし、灰を固める際などに使う処理水は循環利用し、外部に放流しないとしている。