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基準以下の汚染廃棄物 宮城県は市町村に(既存の焼却施設で)焼却処分を要請へ/宮城

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NHK「基準以下の汚染廃棄物 宮城県は市町村に焼却処分を要請へ」より


■ 基準以下の汚染廃棄物 宮城県は市町村に焼却処分を要請へ

NHK 2016年10月24日
東京電力福島第一原子力発電所の事故で発生した放射性物質を含む廃棄物のうち、国の基準以下の汚染廃棄物の処分方法について、宮城県は、県内の既存のゴミ処理施設で一斉に焼却処分することを市町村に要請する方針を決めました。まずは、来年の年明けから試験焼却を始めたい考えで、来月、市町村長会議を開いて協力を求めることにしています。
宮城県がまとめた処分方針によりますと、国の基準の8000ベクレルを超える指定廃棄物の処分には解除の手続きなどに時間がかかるため、まずは、基準以下の牧草などの汚染廃棄物の処分を先に進めることにしています。
具体的な方法としては、県内各地の既存のゴミ処理施設で一斉に焼却処分を行い、濃度が再び基準を超えないように一般ゴミと混ぜながら燃やします。また、保管している量が多い自治体については、自前の施設で処分しきれない可能性があるため、ほかの自治体で受け入れてもらう広域的な処理を検討すべきだとしています。
宮城県は、まずは、来年の年明けから各地の施設で一斉に試験焼却を始め、およそ半年間、焼却灰の濃度などのデータを集めて安全性が確認されれば、来年の半ばから本格的な焼却に着手したい考えです。
県は、来月上旬に市町村長を集めた会議を開いて、各自治体に協力を求めることにしています。

■宮城県内 「未指定」の廃棄物 約77%が基準下回る
NHK-2016年10月24日
東京電力福島第一原子力発電所の事故で発生した放射性物質を含む廃棄物のうち、濃度が国の基準を上回っているものの、風評被害への懸念などから指定廃棄物の申請を出していない、いわゆる「未指定」の廃棄物について、環境省が宮城県内で改めて測定した結果、およそ77%が基準を下回っていることがわかりました。
原発事故で発生した放射性物質を含む稲わらや堆肥などの廃棄物の中には、国が基準としている8000ベクレルを上回っているものの、風評被害への懸念などから、指定廃棄物の申請を出さなかった、いわゆる「未指定」の廃棄物があります。
こうした「未指定」の廃棄物は宮城県内でおよそ2500トンに上り、14の自治体のおよそ100か所で農家や自治体などが保管しています。
指定廃棄物に指定されない廃棄物は市町村で処分することが定められていますが、いわゆる「未指定」の廃棄物をめぐっては、濃度が高いため、誰がどのような形で処分するのか具体的な検討が進められてきませんでした。
こうした中、環境省が、ことし4月から先月までの間に宮城県内の未指定廃棄物を改めて測定した結果、およそ2000トン、率にして、およそ77%が基準を下回っていることがわかりました。
宮城県は、原発事故から5年半が経過し、廃棄物の濃度が低くなってきていることも踏まえ、基準値以下の汚染廃棄物の処分方法について、来月開かれる市町村長会議で提案したいとしています。

■  <汚染廃棄物>宮城県 基準以下を一斉処理案
河北新報 2016年10月24日
 東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質で汚染された国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の廃棄物について、宮城県が県内の焼却施設で一斉処理を進める方針を固め、市町村との調整に入ることが23日、分かった。自治体の焼却施設での混焼を想定。11月3日に市町村長会議を開催し、全首長に提案する。
 混焼は、仙台市や栗原市など単独自治体で抱える焼却場と、市町村でつくる広域行政事務組合が運営する計15程度の施設での実施を想定。構造上、汚染廃棄物の処理が難しい塩釜市の清掃工場は除外する。
 混焼処理に向け、県は半年ほど試験焼却を実施して安全性を確認し、本格焼却に着手したい考え。自治体ごとに抱える汚染廃棄物の量にかかわらず、全市町村が足並みそろえて取り組む態勢を整える。
 国の基準以下で市町村が処理責任を負う汚染廃棄物は約4万トンある。自治体ごとの保管量は表の通り。現在、県が放射能濃度の測定を進めている。ほかに、基準を超すとされながら未指定の廃棄物2500トンを国が再測定しており、基準を下回る廃棄物はさらに増える可能性がある。
 試験焼却は、汚染牧草やほだ木計520トンを焼却した実績のある仙台市の方式を参考にする見通し。焼却による放射能濃度の上昇を防ぐため、汚染廃棄物と生活ごみを混焼する。周辺の空間放射線量などのデータは全て公開する。
 焼却灰も自治体の最終処分場で埋め立てる方針。焼却処理を軸にしながら、堆肥化や、土に混ぜ合わせるすき込みといった手法も検討する。全ての廃棄物処理を終えるには数年かかる見通しで、一連の費用は全額国に負担を求める。
 11月3日に35市町村長を集めて開かれる会議では、県が廃棄物の放射能濃度の測定結果を報告した上で、一斉処理の方針を提案。各市町村での協議を踏まえ、12月に再び会議を開き、合意が得られれば年明け以降に試験焼却を始める。
 全域で応分の負担を分かち合うことで、県は停滞が続く処理問題の打開を図る構えだ。ただ焼却施設の処理能力や住民不安を懸念する自治体もあり、受け入れが円滑に進むかどうかは不透明となっている。

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