■ 減容化研究組合を選定/除去土壌の再生利用実証/環境省
日刊建設通信新聞 (会員登録)-2016年10月6日
環境省は、東京電力福島第一原子力発電所事故後の除染で出た福島県内の除去土壌などについて、公共事業の資材としての再生利用に向けた実証事業の事業者として、「除去土壌等減容化・再生利用技術研究組合」(VOREWS=ボリュース、理事長・佐藤和郎大成建設エグゼクティブ・フェロー環境本部技師長)を選定したことを明らかにした。4日にVOREWSに特定通知した。10月末にも契約を結ぶ。
事業では、福島県南相馬市の東部仮置き場にある大型の土のう袋約1000袋(1000m3)の除去土壌を使い、同仮置き場のうち約2haで、除去土壌を前処理・品質調整処理した上で、盛り土を再生利用の用途例として試験施工する。
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実証事業で得られた成果は、環境省が2018年度末までに作成する「再生利用の手引き(仮称)」に反映させる。手引きは、公共事業発注者や施工者が一般的に再生利用できるよう、再生資材を使った工事の計画・設計、施工、供用の一連のプロセスにおける留意点を整理する。
実証事業で使う除去土壌の放射能濃度は、幅があるものの、平均値で1㎏当たり約2000ベクレル。事業は電離放射線下での作業となることから、除染電離則や同則ガイドライン、特定線量下業務ガイドラインなどの関係法規を順守する。また、適切な被ばく線量管理の実施に向け除染関連業務共通仕様書を準用し、放射線管理責任者も選任で置く。
VOREWSは、5億0024万1000円(税込み)以内で契約を結ぶ。実証事業の履行期限は17年3月31日。
福島県内の除去土壌などは、大熊、双葉両町の中間貯蔵施設で保管し、30年以内に県外で最終処分する。貯蔵量は除去土壌約2000万m3、焼却灰約160万m3の最大2200万m3。環境省は除去土壌の再生利用を進めて、県外最終処分場に運び込む量を減らす。減容化技術の開発にも注力して、県外最終処分場の施設規模を縮小させる。
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除去土壌等減容化・再生利用技術研究組合(VOREWS)を選定/除去土壌の再生利用実証/環境省
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