東京電力福島第一原発の全景。4号機から核燃料はなくなったが、1~3号機は溶け落ちた核燃料も使用済み核燃料も全て残っている。処理した水をためるタンク群が敷地を埋め尽くしている=本社ヘリ「あさづる」から、平野皓士朗撮影
■ 増え続ける汚染水 福島第一原発事故5年半 立ち並ぶタンク
東京新聞 2016年9月11日
東京電力福島第一原発事故は十一日で発生から五年半。その直前に本社ヘリ「あさづる」で原発上空を飛んだ。
双眼鏡をのぞくと、三年前の夏、高濃度の放射性ストロンチウム汚染水が漏れた区域で、ボルト締め型タンクの多くが解体されて姿を消していた。そこでは、耐久性のある溶接型タンクに置き換えるため、整地と六角形の基礎造り、溶接が同時並行で進んでいた。
「せっかく造ったタンクを壊して造り直し。こんなことで現場の士気が上がるものか」。増え続ける汚染水や被ばくと闘う作業員の姿から、対応が後手に回る東電への怒りがこみ上げた。 (山川剛史)
■ 限界超すタンク群 処理水週3000トン
東京新聞-2016年9月11日
東京電力福島第一原発では、事故発生から5年半がたっても、いまだ汚染水問題に足を取られ、廃炉作業に全力を注げずにいる。何とか汚染水を減らそうと、さまざまな対策が講じられてきたが、どれも実感できるほどの効果はない。広大な松林だった敷地も、今 ..