移転延期が発表された豊洲市場=東京都江東区で2016年8月31日午後6時21分、本社ヘリから長谷川直亮撮影
毎日新聞「築地移転先 豊洲、汚染対策の盛り土せず 都、異なる説明」より
■ 築地移転先 豊洲、汚染対策の盛り土せず 都、異なる説明
毎日新聞 2016年9月10日
東京都中央卸売市場築地市場(中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)で、都が土壌汚染対策として行う予定だった4.5メートルの盛り土を、食品を実際に取り扱う全3棟の建物の下で行っていなかったことが分かった。都が共産党都議団に説明した。小池百合子知事は11月7日に予定されていた移転開場を延期したが、都のこれまでの説明が事実と異なっていたことになり、更に影響が出る可能性がある。
■ 築地移転先の盛り土、不十分=市場問題で会見へ-小池都知事
時事通信-2016年9月10日
東京都築地市場(中央区)の移転先の豊洲新市場(江東区)について、小池百合子知事は10日午後に緊急記者会見し、土壌汚染対策で「(敷地の)すべてが盛 り土されているというのは正しくない。訂正する」と述べた。安全対策を尽くしたとするこれまでの都当局の説明が誤りだったと、トップが自ら認める異例の事 態となった。
豊洲市場では既に主要施設が完成している。だが、水産卸売場棟などの地下で、都がこれまで敷地全体で実施すると説明してきた土壌対策に伴う4.5メートルの盛り土が行われていないと報道などで指摘されていた。(2016/09/10-18:23)
■ 都が「虚偽」の説明、費用どこへ消えた 「豊洲市場盛り土せず」疑問山積
東京新聞-2016年9月11日
東京都の築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転に、また問題が持ち上がった。土壌汚染の不安を払拭 (ふっしょく)するための盛り土があるはずの場所に、盛り土がない。「説明不足だった」。都側はそう釈明するが、失った信頼を取り戻すのは容易ではない。 (内田淳二、北爪三記)
「きれいな土を盛ります」。築地市場の移転を解説する都ホームページの「疑問解消ブック」には、建物の下も含め豊洲の市場用地全体に四・五メートルの盛り土をする図柄がカラーで描かれている。都は都議会などへも、全体に盛り土をしてきたと説明してきたが、実態は違った。
盛り土がないのは、水産卸売場棟など五棟の地下。敷地面積約四十万平方メートルの三分の一を占める。代わりにあるのはコンクリートで囲まれた、がらんどうの空間だ。
なぜ、結果的に「虚偽」となる説明をしてきたのか。
●豊洲、主要施設の空洞に「地下水」漏出か 移転判断ずれ込みも 産経ニュース-2016年9月11日
●豊洲市場問題 専門家会議に報告せず都が対策決める NHK-2016年9月11日
●豊洲新市場 盛り土せず、建物の下4・5メートル空洞 スポーツニッポン-2016年9月11日
東京都環境局 豊洲市場について
豊 洲市場の予定地では、かつてガスの製造工場で都市ガスの製造・供給が行われていました。現在、工場は撤去され広大な更地が広がっています が、ガスの製造工程で生成された、操業に由来する7つの物質(ベンゼン、シアン化合物、ヒ素、鉛、水銀、六価クロム、カドミウム)による土壌および地下水 の汚染が確認されています。
東京都では、生鮮食料品を取り扱う市場として、食の安全・安心をしっかり確保するため、専門家会議(※1)や 技術会議(※2)を設置し、専門家会議 による提言に基づき、技術会議で具体的な技術・工法の評価・検討を行い、汚染土壌や汚染地下水の対策をはじめ、液状化対策や地下水管理システムの整備な ど、総合的な土壌汚染対策をとりまとめていただきました。
また、東京都では、平成22年1月から7月にかけて、豊洲市場予定地で、技術会議 が提言した処理技術や工法について、現地の汚染土壌や汚染地下水を 用いて、汚染を確実に無害化することが可能であることをデータで確認するために実験を行いました。その結果に基づき、技術会議において、すべての処理技術 についての有効性を確認していただくとともに、この処理技術を適用することで豊洲市場予定地の汚染物質は除去可能という評価をいただきました。
土壌汚染対策についてわかりやすくまとめた動画(WMV形式)はコチラ
※1専門家会議
土壌汚染対策等を検証する専門家会議(正式名称:豊洲市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議)は、有害物質、水質、土質、環境保健の各分野 1名、計4名の学識経験者によって構成。予定地の土壌汚染調査を行ったうえで、食の安全・安心を確保するための土壌汚染対策を提言。
※2技術会議
専門家会議の提言を実現する対策を策定するための技術会議(正式名称:豊洲市場予定地における土壌汚染対策工事に関する技術会議)は、土木、環境、情報処 理それぞれの分野のリーダー各2名、プロジェクト管理1名、計7名の専門家によって構成。広く技術・工法を公募し、その内容を評価・検証し、施工可能で高 い効果が得られる総合的な土壌汚染対策を提言。
もっと詳しく知りたい方は
『疑問解消BOOK』 (20.3MB)(P10~14) 『築地市場の移転整備』 (5.5MB)(P5) なるほど納得!築地市場移転(豊洲市場予定地の土壌汚染はどうするの?) 『豊洲市場予定地の汚染物質処理に関する実験について』 (1.9MB) 土壌汚染対策に関する各種会議資料・各種調査結果小池知事「知事の部屋」 / 記者会見(平成28年9月10日) 知事冒頭発言 (映像あり) 豊洲市場の建物の下の土壌の安全性について
【知事】突然のお呼びかけとなりました。豊洲市場の建物の下の土壌の安全性について、今日はお時間を頂戴いたしまして、私からご報告、会見をさせていただきます。
これまで新市場につきましては、まだ地下水のモニタリングが、2年間の採水もまだ行われていないという話、これをずっとさせていただいてまいりましたけれ ども、いろいろな方面からの情報を頂戴いたしまして、その中で、建物の下の土壌の安全性に問題があるのではないかとのご指摘を頂いております。そして、こ のことによって、安全性をもう一度改めて確認をしたいと、このように思いますし、また、なぜそのような疑問が出ているのかについて、今日、土曜日ではござ いますけれども、様々確認をいまだにしている部分もございますが、取り急ぎ皆様方にご報告をさせていただきたいと思います。
土壌汚染対策といたしましては、法律に基づいて汚染した土壌を取り除いて、盛土をするということを説明してきたところでございます。
2メートルきれいな土に入れ替えて、そして、更に2.5メートル、合計4.5メートル、きれいな土を持ってきます、盛土をいたしますと、このようにしてき たわけでございます。それから「(築地市場移転整備)疑問解消BOOK」ということで、いろいろと情報公開には努めていたということでございます。しかし ながら、これだけいろいろと情報公開はしてきたということではございますけれども、しかし、青果棟、水産棟などにおきまして、実はこの4.5メートルの盛 土が行われていなかったのではないか、そして、それは一体どうなっているのか、といったような疑問が出てきたわけでございます。4.5メートル分抜けてい るではないかと。結局、空間になっている。中にはいろいろな配線、配管などが行われているというようなことでございまして。つまり、これまでの情報公開な ど、説明してきたのと事実は違うという、そのようなご指摘などでございます。
この問題につきまして、深いところにある、汚染土壌がある部分については、その土壌を除去して、きれいな土壌で埋め戻しているわけでございますけれども、 しかし、ほかのところが、このところと同じように、全てが盛土されていると、入れ替えた上で盛土がされているというのは、この様々な情報と言いましょう か、現状においては、それは正しくないということでありまして、ここで訂正をまずさせていただきたいと思います。ただ、汚染土壌を除去して、その上に厚め のコンクリートを敷いているということで、建物の地下の土壌汚染対策の安全性についてはいかがかという問題があるわけです。つまり、空間になっているけれ ども、そこに厚いコンクリートを敷いて蓋をしたということによって、それで安全性が一体確保されているかどうかということなのですが、ずっとこの間、土壌 汚染などについて、平田先生という専門の先生をヘッドにする、そのような会議がずっと開かれてきて、その議事録などは皆さんもご覧になることができます。 ところが、その平田先生が率いる専門家会議というのは、ここの部分を蓋をした、コンクリートでもって蓋をしたことについて、それで安全性が確保できている のかどうかということを確認する前に、そもそも専門家会議を終えてしまっていて、解散してしまったというような、これは、私は行政的な問題であろうと、こ のように思っております。ということで、オーソライズされていないというのが今日の一番の大きな問題であろうと、このように思っております。よって、では どうするかでありますけれども、この件については、別途改めて専門家の方々に判断をしていただくと。これはもともと、この土壌問題について、長い間専門家 の会議を開いていただいていた平田先生にも、もう一度改めてお伺いをしなければなりませんし、平田先生にしても、全然違う前提でもっての、このところに蓋 をしているという状況については、たぶん、御存じないのではないかと思うのです。よって、そういった状況の中で、この専門家の会議として、これで安全なの かどうかというのをもう一度聞いてみないといけないということだと、私はそのように理解したところでございます。
いずれにいたしましても、これまで土壌汚染対策として、巨額なお金が投じられてまいりました。858億円という、とてつもないお金でございます。今、海の 森のところの工事現場で、70億円くらいだったのが、それが7倍になっているではないかという話、これだけで約500億円の話ですけれども、こちらの方は 858億円、土壌対策だけでお金をつぎ込んでいるわけでございまして、タックスペイヤーズマネーを考えますと、こちらの方はさらには食の安全ということも 鑑みますと、非常に大きな問題だと思います。
いずれといたしましても、しっかりと、これからの専門家の会議、それから、来週、私は定例の記者会見はございませんので、リオの方に参りますけれども、プ ロジェクトチームを立ち上げることとなっております。今、ご参加いただく方々の、それぞれお勤めになっているところのファイナルな許可などを待っていると いうことで、皆さま方へのご報告が済んでおりませんけれども、いずれにいたしましても、早期にこのプロジェクトチームを立ち上げと言いましょうか、スター トさせていただいて、その中には建築、そしてまた土壌問題、そういったそれぞれの専門家の方、青山学院大学の小島先生をヘッドといたしまして、このプロ ジェクトチームを動かしてまいりたいと考えております。
以上、このように行政の手続的な問題、それから、情報公開しても、正しい情報を伝えていたのかどうかという問題、それぞれ、今、市場の担当者、それから少 し遡りますので、当時の担当者などにも話を聞かなければならないと、このように思っております。いずれにいたしましても、次から次といろいろな課題が出て きて、非常に悩ましいところではございますけれども、やはり、これによって、食の安全に対しての、消費者、そして、この市場で働く方々、そういった方々が 本当の意味で安心できるのかどうか、オリンピック・パラリンピックのために必要な道路は一体どうなるのか、総合的に一つひとつの問題を解決していきたい と、というか、答えを出して、そして取り組んでまいりたいと思っております。こういった問題は、あとから出てくるよりも、今出していく、どんどん出してい こうというくらいの気持ちでおります。さもなければ、結局、あとから遡ってどうだったとかというのは、私はかえってまずいし、それから、急がば回れだと 思っておりますので、いずれにいたしましても、しっかりと取り組んでいきたいと、このように思っております。私の方から、以上でございます。
【記者】NHKの小嶋です。確認ですが、盛土をしていなかったことの評価について、その専門家プラスPTで協議して、判断をしてもらうという理解で、まずよろしいのかというのを1点よろしくお願いいたします。
【知事】極めて専門的な話でございます。そして、この豊洲市場の安全性について、環境の観点からお調べいただいてきた平田先生をはじめとする専門家 会議の方々に、改めて、こういった事情ですけれども安全なのかどうか、お調べいただきます。そして、また、一方で、新しいプロジェクトチームは、まさしく 第3者の目、新しい目でありますので、その方々にはそれぞれのご専門から、この安全性、そして豊洲そのものの安全性と、それから妥当性、価格などの問題 点、コストの問題点もございます、それをお諮りしていただくということで、2段構えになると思います。
【記者】その専門家というのは、かつてあった専門家の会議のメンバーに、改めてこの方法について評価をしてもらうという理解でよろしいでしょうか。
【知事】その流れでいいかと思います。つまり、解散するのが早かったわけです。若しくは、解散させずに最後までこのところに、若しくはというか同じことですけれど、やはりそこで専門家の方に判断をしていただくという、その行為を怠ったのではないかと思っております。
【記者】あと、今回のこの事態が、築地の移転の時期の判断に与える影響については、現時点ではどのようにお考えなのか。影響は全くないとは言い切れないと思うのですけれども、そのあたりの御見解をお願いいたします。
【知事】極めて重要な課題だと思っております。そしてまた、私は選挙中から「立ち止まって考える」というところから、それから新たにいろいろな情 報、そして流れ、そして実際に都知事になった上で、延期ということで、11月7日の開場ということを見送っているのが現状でございます。逆に言うと、あの ままOKを出していたならば、そのあとからまたいろいろな課題が出てきて、そのままスタートすることに対しては、大変な問題になっていたと思っておりま す。だからこそ、この間を活用して、しっかりと安全性を本当に確認していくという、その作業が必要であろうと思いますし、念には念を入れて、そして急がば 回れで、今の安全性の確認というのをしっかりとしていきたいし、どういう結果が出るかは、それこそこれからのモニタリングであれ、それから専門家、プロ ジェクトチームの皆さんの様々な提言、判断ということになろうかと思います。予断を持たずに、いろいろなケースを考えていきたいと思っております。
【記者】TBSテレビの永田と申します。今回の安全性の問題もさることながら、知事が一貫しておっしゃっている情報公開の透明性に関しての、そもそも公開された情報が事実と異なっていたという問題があると思うのですけれども、この点に関してはいかがでしょうか。
【知事】私は前回も、延期を発表させていただいたときも、まず、三つ申し上げました。一つが安全性への懸念であります。それから、巨額かつ不透明な 費用の増加ということ。それから三つ目が、情報公開の不足でありますが、そもそも情報が間違っていたというのは、そもそも論として、どうかということがご ざいます。私は、ここの点は、これからの改革本部のところで、本当に正しい情報を伝えているのかどうか、のり弁どころではなくて、違ったことを載せていた ら、公開してもそれに対しての疑義が出ては、意味がないわけでございます。改めて、今、改革本部の方でご議論いただいている点に、非常に初歩的な話ですけ れど、正しい情報をいかにして伝えるか、その辺のところを盛り込んでいただいて、検討していただきたいと思っております。
【記者】フリーの記者の永尾と申します。4.5メートル。掘削した上で盛土をするということで、建物の下もそういう対策がとられると、私は市場当局 から聞いて、確認をしたところにこういう報道がありまして、非常に驚いているのですけれども。市場はそういうふうにずっと4.5メートル、掘削、土を入れ 替えて、盛土をすると説明をしてきまして、これはきつい言葉ですけれど、都民を騙したということにもなるのではないかとも思うのですけれども、その点の責 任をどうおとりになるのかということと、それは、小池知事が前々回の記者会見の席でお配りになった「東京WOMEN革命」という本の中で…
【知事】革命は言っていない。
【記者】失礼。「東京WOMEN大作戦」という本の中で、築地で、アスベストの問題などはあるのだけれど、それを取り除く工夫をしながら再整備する のがいいのではないかと。豊洲については、食に関係ないメディアセンターなどに使うのがいいのではないかというお考えを示されているのですけれども、これ はまさしく今、適用できるお考えではないかと思うのですが、築地を再整備するようなお考えはあるのかどうか、以上2点お願いします。
【知事】まず、4.5メートル。2メートル足す2.5メートルやってきましたと言っていながら、建物の下の部分が抜けているというのは、まさしく間 違った公開の仕方、情報だと思います。ここは真摯に反省をしながら、このような間違った情報を与えるなどということは、都政に対しての信頼を回復すると 言っていることと、逆行するわけでございますので、この豊洲市場問題のみならず、全都庁の職員に、この点について、当然のことというか、あまりにも基本的 な話なのでございますけれど、改めてそのことで粛正をしていきたいと、このように思っております。
二つ目のご指摘でありますけれども、8年前に書いたときのその思いは、普通の生活者、消費者として、そのように感じていたということ、それから土壌汚染に ついては、やはり、環境大臣の経験から、これまでもいろいろな課題がございました。そういったことをベースにして、私の思いを書いたものでございます。し かし、同時に、今回この課題については、やはり客観的な判断というのを待って、そして、様々な方法があろうかと、その答え次第では、あろうかと思いますけ れども、最もワイズスペンディングな方法ということを考えていくべきだと思っております。
【記者】東京新聞の内田と申します。よろしくお願いします。先ほど、情報の訂正ということをおっしゃられましたけれど、なぜこの情報が誤ってしまったのかという理由については、現時点で分かる範囲で教えていただければと思います。
【知事】正にその点も精査していかなければならないと思います。特に食に関することについては、昔から、例のカイワレ大根の話からBSEから、みん なみんなとてもセンシティブになるわけであります。ですから、そういった責任ということ、これが十分ではなかったと言わざるを得ないと思っております。そ の点は大いに反省して、そして、改めてこういったことが繰り返さないように努めていくというのが、今の私、都知事としての立場であります。役割でありま す。
【記者】先ほどの専門家会議の、平田先生のお名前が出ましたけれども、識者の方々の組織は、専門家会議と技術会議と二つあったかと思うのですけれど、技術会議の方の先生方も、この点についてのご認識は。
【知事】私自身が豊洲新市場で直接お目にかかったのが平田先生でありましたので、それぞれの知見、ご専門の方々の知見を集めて、そしてこの豊洲新市 場を建設し、また、移転を進めてきたわけでございます。これまでに関わってきた方々のご意見も伺っていく。特にこの件については、土壌の安全性に関してで ございますので、平田先生はまさしくそちらの方のご専門をやっていただいたということで、お名前を上げさせていただいた次第でございます。実際に平田先生 にお目にかかった折には、これらのことを前提にした上で、安全性は十分だと、このようにおっしゃっておられました。ただ、ここの部分の空間にしてしまって いるということについては、大前提が変わってくるでしょうから、その上でどのようなご見解をお出しになるのかということは、お諮りしなければならないと 思っております。
【記者】朝日新聞の小林です。すみません、先ほどの質問とつながるのですけれども、違った説明がずっと続いてきたことに対して、都の担当者の方は、 今、小池知事にどういうふうに、なぜそういうことが起きたのかということを説明されておられるのかということを1点お伺いしたいのですが。
【知事】なぜこのような形になったのかということも含めて、当時の担当者の話も聞かなければならないと、こう思っております。ただ、今回の件につい ては間違いでしたということを、明確に担当者は申しております。それから、この判断が行われた時期というのは、少し長い期間にわたるわけでございますけれ ども、今担当している、それぞれ、例えば環境局であったり、建設局であったり、それから市場担当、それぞれ各局にまたがっております。これを週明けには、 もう一度改めて、関係当局を集めた上で指示を出したいと思っております。
【記者】今の点で確認なのですけれども、先ほど、今までの、平田先生をはじめとする専門家の方に、もう一度その判断はどうだったのかということを聞 くのと、今のPTで、小島先生などがやっているPTと、そことは全く別の組織みたいなものができて、そしてそれぞれに結論を出してもらうという形になるの でしょうか。
【知事】順番とすれば、作業が若干違うと思うのですけれども、平田先生の専門家の会議のところについて言うならば、これまでの積み上げがある、それ とその中で、このような形で行われてきた、では、結果として、いかがな結論をお出しになるのかということを伺う。それから、これはもうずっと関わってこら れた方、それから、これは小島プロジェクトチーム、PTについては、またこれは専門の分野がそれぞれ違う方々ではありますけれど、全く新しい目で見ていた だくことによる、一種のセカンドオピニオンです、お医者さんで言うところの。ファーストオピニオンの次に、セカンドオピニオンを頂くということを考えてお ります。
【記者】日刊ゲンダイの今泉と申します。2点、質問がございます。食の安全という基準で、土壌の安全性についてはいろいろとご説明はあったのですけ れども、4.5メートルくらい地下が空洞になってしまっているわけですよね。そこにぎっしりと土が埋まっていた状態よりも、建物の安全性、強度という問題 でも、問題が出てくるのではないかなと、素人考えで思うのですが、
その点はもう対策というか、今後、これはPTで話し合う予定なのかというのがまず1点。その土というのも、タダではないと思うのです。それだけみっちりと 埋めるからには、1立方メートル幾らというコストがかかるわけで、それも知事が立ち止って考えると言った理由の、不透明に積み上がった建設費の中に、本来 含まれていると思うのです。それがなされていなかったことによる、恐らく、「消えてしまった建設費」というのか、「どこに行ってしまったのだ、建設費」と いうのか、「誰のところに渡ったのだ、建設費」というのがひょっとしたらあるのかもしれないのですけれど、そういったところまで調査されるおつもりがある のかということをお尋ねいたします。
【知事】まず、そこに土がぎっしり詰まっているのか、それとも、空間で、建物の耐震度だと思いますけれど、一言で言うと。これについても、小島プロ ジェクトで検討をさせていただきます。そして、「ただ数字を間違えました」などということではなく、記入のミスなどということではなくて、実際に耐震度が どれくらいあるのかということについてきっちりとした見解と申しましょうか、セカンドオピニオンと申し上げましたが、この辺りを分析していきたいと。これ は小島プロジェクトチームであります。その分、土代が、盛土代がどこかに飛んでいるのではないかと。これについては、一体どのような形でそれが決められ、 その分がオンされているのか、それとも、あまりにも膨らみすぎたのを、少し安く上げる努力を、変な努力ですけれども、してしまったのかどうか、この件につ いても調べて行きたいと思っております。
では、最後の方でよろしいでしょうか。
【記者】すみません、朝日新聞の岡と申します。平田先生をはじめとする専門家会議の方々のご見解を聞かれたり、あるいは、なぜ正しい情報が発信され ていなかったのか、過去の経緯を遡って聞かれると、これは小島先生のところのPTが中心になって聞き取りをされるということなのでしょうか。それとも、当 局の方がされるということなのでしょうか。
【知事】それぞれ手分けしながら進めていきたいと思っております。プロジェクトチームの方々も、それぞれ専門性を持った方々ではありますので、その 専門に沿って必要なところを。当局についても、当局がずっとこれまで進めてきたので、当局による当局のinvestigation(調査)というのは、本 当にできるのかどうかというのは、若干問題があると思いますが。でも、私はやはり、あくまでも当局が責任をもってこの問題をクリアにしていかないと、同じ ようなことが、この部署だけでなくて、自分たちで自分たちのことを説明できない都政というのは、それはダメだと思うのです。ですから、そのことを含めて、 東京大改革ということで、私は進めていくというのが、私が都知事に選ばれた最大の役目ではないかと思っております。つまり、これまでの延長線で、なあなあ で、なあなあと言ったら前の方に失礼なのですけれども、これまでどおりの延長線ではいかないということを、私は宣言しているわけでございますので、そのた めに必要なことをしていきたいし、何よりも職員の方々にも、是非、意識改革ということをしていただきたい、このように思っております。
ありがとうございました。
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)
■築地市場の豊洲移転延期=新時期は来年2月以降-安全性懸念、小池都知事が表明
時事通信-2016年8月31日
東京都の小池百合子知事は31日、都庁で臨時に記者会見し、11月7日に予定されていた築地市場(中央区)の豊洲新市場(江東区)への移転について、延期する方針を正式に表明した。新たな移転時期は来年2月以降になるとの認識を示した。
延期判断の理由としては(1)安全性への懸念(2)巨額で不透明な費用(3)情報公開の不足-を挙げ、有識者で構成するプロジェクトチームを設け、過去の 経緯を検証するとともに、延期に伴い必要となる対策の立案に着手すると表明。小池氏は「都民や市場で働く皆さんにとって、移転が本当に納得するものなのか 考えた」と述べた。
豊洲新市場の敷地をめぐっては、土壌汚染の問題がかねて指摘されていた。小池氏は、地下水の最終調査結果が判明する来年1月より前に移転が予定されていることを問題視。「法律上は問題ないが、食の安全は生活者の視点を大切にしたい」と語った。
新市場に投じた事業費は約5900億円で、当初見込みから約1500億円膨らんだ。特に建設費は当初計画の3倍近い2752億円に増大。小池氏は、一般的 な市場の建築費が1坪当たり50万~60万円なのに対し、豊洲は220万円だとして「人件費や資材が高騰しているのは分かるが、これが適正なのか明らかに しないといけない」と強調した。
築地市場の跡地には、都心部と湾岸部や2020年東京五輪・パラリンピックの選手村を結ぶ都道環状2号を整備す る計画だが、移転延期で五輪開催までに工事が間に合わない可能性もある。これについては「どのような方法であれば(五輪開催までの完成が)実現できるの か、複数の案を検討する」と述べるにとどめた。
東京都 知事記者会見
2016年8月31日(水曜)
13時30分~14時01分
【知事】皆様、こんにちは。本日は、知事主催の記者会見と、このようにさせていただいておりますが、多数ご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、ただいまより築地市場の豊洲新市場への移転に関しまして、最初に、まず私の方から結論を申し上げさせていただきます。
11月7日に予定されております築地市場の豊洲新市場への移転については、延期といたします。また、11月2日に予定されております築地場内市場の閉鎖及びその後の解体工事も延期とさせていただきます。
延期の決断に至りました最大の理由でございますが、ご承知のとおり、私はかねてより、都民ファーストという言葉を繰り返し述べさせていただいております。 つまり都民の皆様方、そして市場で働く皆さんにとって、この移転が本当に納得いくものであるのかどうか、また、あるべきだと、このように考えたからでござ います。
11月7日の築地市場の豊洲新市場への移転につきましては、いろいろな話がございます。「もう時間がない」とか、「既定路線を走るしかないだろう」とか、 「何を今さら立ち止まって考えるのだ」などという、そんな強いご意見があることも重々承知をいたしております。確かに、豊洲の新市場は既に建設済みでござ います。そして、土壌の汚染対策も、これも行ってまいりました。それから、都議会の皆さんも、業界団体の皆さんも移転については了承されてこられました。 また、「11月7日に移転が行われないと、環状2号線が2020年のオリンピック・パラリンピックに間に合わない」と、このようにも言われております。 「移転の準備をしている業者の方々も、延期をすると混乱するではないか」、このような意見があることは事実でございます。
しかしながら、小池都政におきましては、「もう既定路線でしょう、一度決めたのだから、もう作ってしまったのだから、何も考えなくてよい」という考え方は とりません。これまでの決定等で都民ファーストに基づいていないものについては、都民の皆様方の目線で情報を公開して、そして、その事象の経緯を明らかに して、都民の利益を第一に考え、時には政策を変更して都政運営をしてまいる、このことについては、かねての会見等々で繰り返しお伝えをしてきたところでご ざいます。
また、都知事選の選挙中、都民の皆様方から豊洲新市場は安全なのかどうかという声を聞いておりました。そこで、「立ち止まって考えるべき」と言ってまいり ました。また、前回ご紹介いたしました2008年に私自身が著書に記しました豊洲について、また築地についての考え方、これも皆さんお読みいただいた方も おられるかと思います。まさしく立ち止まって考えるべきということで、知事就任後も立ち止まって考えてきたわけでございます。
そして、知事に就任してから、11月7日の築地移転について、賛成、反対、それぞれのご意見をお持ちの業者、そして業界の代表者の方々のご意見も伺ってま いりました。また、長くこの課題に携わってこられた方々からのお話も伺ったり、また、それに関する本なども読んでまいったところでございます。
このように、11月7日の移転については、賛否の両論がございます。一方で、豊洲新市場でございますけれども、使い勝手上の問題があるというお話も伺って いるところでございます。私自身、豊洲新市場を視察いたしました。大変な費用をかけて、大変立派な建物を建設し、また、土壌汚染対策についても最新の技術 を採用していること、これは実地に見て回ったわけでございます。もちろん、役所の担当者の方々、関連部局の方々、経緯、考え方、そして、さらには専門家の 方々のお話もつぶさに伺って、見て、伺ってきたところでございます。もちろん限られた時間の中での検討ではございますけれども、都民ファーストの視点か ら、私はまだ三つの疑問点が解消されていないと、このように考えております。
第1は、安全性への懸念でございます。第2は、巨額かつ不透明な費用の増大でございます。第3は、情報公開の不足であります。
まず、安全性の確保でございますけれども、何よりもと言いますか、言うまでもなく、豊洲新市場は生鮮食料品を取り扱う市場でございます。だからこそ、 849億円もの費用をかけて土壌汚染対策法に即して土壌汚染対策を実施してまいったところでございます。そして、その安全性の確認のための地下水のモニタ リングについては、第1回が2014年11月18日から11月29日にかけまして、201か所から採水をして行ってまいりました。にもかかわらず、この2 年間のモニタリングを完了する前に豊洲市場を開場しようという話に、今、なっているわけです。なぜこのように多額の費用をかける必要があったのか、安全性 は大丈夫なのかという話になるわけでございます。
第9回が2016年11月18日に最後の採水が予定されていて、そして、年明けの1月にその結果が公表されるという予定になっていて、あと1回の部分、法 律上の問題はないという話もありますけれども、しかしながら、殊に、生鮮食料品、水産物でございます。私は、環境大臣の経験からも、やはり食の安全という ことについては、生活者の目線、そして、まさしく都民ファーストの感覚ということを大切にしなければいけないのではないか、このように考え、また、私の拙 著にもその点を記させていただいたところでございます。
地下水のモニタリング結果をご紹介しておきたいと思います。例えば、5街区の41地点のこれまでの7回のモニタリングの結果を見てみますと、いずれも環境 基準値以下となっております。しかし、検出値というのは、単純な経時変化というわけではございません。時間がたてば不検出になるという話ではないというこ とであります。ですから、少なくとも、2年間のモニタリング結果を見届けるというのは、これは安全性の確認、そしてその説得力ということにおいては譲るこ とはできないと、このように考えているわけでございます。環境、そして安全面からのお話をさせていただきました。
それから、次に費用の増大についてでありますけれども、豊洲新市場の費用は全体で2015年3月の時点で5884億円となっております。建物の建設費だけ で2752億円。まず市場の建設にこれだけ費用がかけられている、そのことだけでも私は驚いてしまいます。また、全体予算でありますけれども、2011年 は3926億円でありました。それが4年間で5884億円に膨らんでいるということであります。特に、建物の建設費が990億円から2752億円へと急膨 張いたしております。昨今の建設コストにつきましては、よく言われるように人材も、それから資材も高騰しているということは、これはオリンピック・パラリ ンピックなどの建設についても同じようなことが言えるわけではございますけれども、それにしても3倍近い増大に関しては、これはきちんと精査する必要があ ると、ちゃんと都民に説明をする必要があると、このように私は考えております。
さらにこの豊洲新市場の建物の坪単価を計算してみたいと思いますけれども、これは、豊洲新市場の坪単価、何と坪当たり約220万円になるのです。同様の建 物の坪単価の相場というのをいろいろな参考例を見ますと、大体50万円から60万円なのです。そもそも坪単価は異常に高い。なぜそんなに大きくなったの か、その理由は私も知りたいと思います。
坪単価200万円を超える建築の代表例をちょっと挙げてみたいと思うのですが、国立新美術館、これは黒川紀章さんの設計だと思いますけれども、こちらが、 坪単価約260万円なのです。資材が高騰する、人件費が高騰するという前の2006年の竣工ということではありますけれども、要は、豊洲新市場はこのクラ スの建物だということを分かりやすくご説明させていただきました。国立新美術館は、外観も館内も美しい曲線となっていて、非常にその建築コストはさぞかし かかっただろうなと。曲面はガラスになっておりますし、造形物としても大変すばらしい。またネットでも皆さんにはチェックしていただければと、このように 思います。
片や豊洲新市場であります。皆さんもいろいろ取材にいらしたことだと思いますけれども。都民の大切な税金をお預かりする身といたしましては、なぜこうなったのか、これが適正なのかどうかということを、やはり一度明らかにしなければならないと、このように思います。
三つ目でありますけれども、明日から改革本部、いよいよスタートいたしますが、まさしく情報公開の問題であります。「いや、もう十分ネットに書いてある さ」というようなご意見もございましょう。「ただみんなが関心を持たなかっただけだ」というお話もございましょう。しかしながら、この豊洲新市場が 2752億円もかけた立派な建物だけれども、そこでこんなにお金をかけていながら、そこで仕事をする業者さんからいまだに不満が多く出てくるのは一体何な のでしょうか。それから、849億円もかけて土壌汚染対策をしているのに、安全性への疑問が絶えないのは一体何なのでしょうか。それは、私はやはり適切な 情報開示、情報公開が行われて、またはちゃんとそれが伝わっていなかったからではないだろうかと考えるわけでございまして、私はだからこそ都民の皆さんが 持たれるこういった普通の疑問、これに対して真摯に答えていかなければならないと考えております。
今、申し上げましたような幾つかの大きな課題、これらを総合的に勘案いたしました。立ち止まって考えてまいりました。そして、その結果は、冒頭に申し上げ ましたように、11月7日の築地市場の豊洲移転は延期をして、次の措置を講じていきたいと思います。そして、この作業、具体的には、「市場問題プロジェク トチーム」という組織を立ち上げることといたしておりまして、その作業には、小島特別顧問を中心として、建築の専門家、土壌の専門家、公営企業経営の専門 家などなどのご専門の皆様方によるプロジェクトチームを設けていきたいと思っております。そして、今、申し上げたような様々な、都民の皆様方が抱いておら れる不安、不信、こういったものにちゃんと答えられる、若しくはここがおかしいといったようなことを精査していただきたいと思っております。
その中身なのですけれども、まず第1に、土壌汚染の安全性を少なくとも今年11月18日以降に採水された地下水の検査を行って、2年間の地下水モニタリングの結果を確認してから判断をするということであります。
ちなみに、ディベロッパーの方々に聞きますと、「大体もうこれだけやっていれば安全性は確認できているのだ、だからいいのです」という話は聞きますけれど も、それはディベロッパーの都合であって、私たち都民の安全性に対する信頼性が、その2年間を待たずしてそれでオッケーを出してしまうということについて はいかがなものかと思います。
昨日も三菱自動車が、記者会見を行っておられます。大気汚染の問題もこれまでもありました。いろいろな計算の話もありました。やはりそういったことを企業 がやるわけですから、そのことを私は2年間であるならば、これはきっちりやるべきであるというのがまず1点。ですから、プロジェクトチームでこの点につい てチェックをしていただきたい。
2番目ですけれども、豊洲新市場の施設でございますけれども、実際に事業される業者の方々の声を率直に聞いて、可能な限り安全で働きやすいものにいたして まいりたいと思います。言ってみれば、「仕立てた服に体を合わせる」というのではなくて、実際にそこの市場で働かれる方々が「体に合った服を仕立てる」と いうことが大切なわけで、どのような改善策が必要なのかといったことも同時にプロジェクトチームでチェックをしていただきたいと思っております。
3番目に豊洲新市場に関する経済的な観点からの事業の継続性、予算の適正性、これについても調査をしてまいります。
そして、新たな移転時期でございますけれども、これらの調査の進展を待ち、できる限り速やかに判断をいたします。もちろん私も、先ほどのオリンピック・パ ラリンピックの話もございました、道路の建設を優先した結果、このように前倒しになったという話も聞きます。ですけれども、それら、こういったことをきち んと精査をした上で、そして時期についての結論は判断していきたいと考えております。
それから、5番目でございますけれども、豊洲新市場に移転される方々、または移転に当たって廃業される方々への支援、特に廃業される方々についてもいろい ろと支援もこれまで検討してまいったところでございますけれども。それから、築地の場外市場です、この方々への支援、延期に伴って生じます事柄に対しての 相談、これについてもしっかりと検討をしてまいりたいと、こう考えております。
以上、私の方から、11月7日豊洲新市場への移転延期について、記者会見の中身とさせていただきます。
【記者】日本テレビの久野村ですけれども、今回の発表に関して確認なのですが、あくまで延期ということが決まったということで、中止ということは結果次第では視野には入っていらっしゃいますか。
【知事】プロジェクトチームにおきまして、今、最後にありました五つの課題がございます。これらを一つずつチェックしていただきます。その結果を待ちたいと思います。
【記者】結果次第では中止ということもあり得る?
【知事】プロジェクトチームの精査を待ちたいと思います。
【記者】読売新聞の波多江と申します。移転延期ということですけれども、築地市場に残る場合、衛生面ですとか、あとは崩落ですとか雨漏りですとか施 設の老朽化、ないしはアスベストの問題など、築地市場に残っても安全性に関する問題が残るのではないかと思うのですけれども、築地市場に残るリスクではな いですけれども、その辺のことについてはどのようにお考えでしょうか。
【知事】ご質問ありがとうございます。実際に市場に入ってみますと、壁が落ちたり、それから金具が落ちてきたりとか、ある意味、大変危険な状況で仕 事もされている。それから、衛生上の問題点等々も指摘がされているところでございます。それから、アスベストの問題については、これまで適切な対策はとら れてきたとはいうものの、やはり食料品を扱うところとのアスベストの関係というのは、私は重要な課題だと思っております。
先ほど延期に伴います様々な、例えば「リース代が発生してしまうではないか」、それから「冷蔵庫を買ったけどどうするのだ」とか、いろいろと問題があろう かと思いますので、これについては、実際に主体となっておられる方々からのご意見等々、聴取をして、どのような対応ができるのか検討してまいりたいと、こ のように考えております。
【記者】テレビ朝日の内田です。PT立ち上げということですが、どれぐらいの期間を想定されているのか、結論は、今すぐというのは難しいでしょうけれども、大体どれぐらいめどというのを教えていただけないでしょうか。
【知事】例えば、建築の関係であるとか、もう既にでき上がっていて、また、使い勝手の点については、市場関係者の方々から、「ここが使いにくい」と いうようなこと、「ここが危険ではないか」というような話は既に出ております。ですから、PTを立ち上げて、そして、それぞれの分野の専門家の方々がい らっしゃいますので、費用の話からもございます、そういった点と、先ほどの地下水のモニタリングでございますが、これの結果が公表されるのは1月と聞いて おります。これらの点をあわせながら、やはりどちらにしましても、皆様方、大変市場関係者もご不安でございましょうけれども、これについては、都民の不安 を払拭する、もしくはちゃんと説明ができる、そのような体制を速やかにとってまいりたいと、こう思っております。
それから、市場関係者の方々からメールなども頂戴をいたしておりまして、これによって1万人、どういう計算になるのか、「市場関係者約1万人はどうしたら いいのでしょうか」というような、すごく率直なメールも頂戴いたしました。確かに、事業に当たっておられる方々は、月々のお金の問題であるとか、ご苦労が 絶えないことだと思いますが、私は、その方も都民だし、それから、東京の胃袋と言われている大切なこの築地、そしてまた、新しい市場、こちらへの安全性 と、1360万人の都民、これを考えるというのも都知事として必要ではないかと考えております。よって、それぞれの分野の専門家の方々が、即、作業に入れ る方、それから、モニタリングの結果待ちのところと、それを合わせ技で、できるだけ速やかにプロジェクトチームとしての結論を出していただきたいと、この ように考えております。
【記者】朝日新聞の吉浜と申します。プロジェクトチームで移転支援の措置というのを対応されるということなのですけれども、例えば今、言われた費用の問題なのですが、リース代など、既に、発生するであろう費用を都の方が負担するという考え方はあるのでしょうか。
【知事】それにつきましても、どのような費用が一体幾らかかって、そしてまた、「何にもしなくたって何百万円かかるではないか」という説がございま すけれども、これも精査をいたします。動かしても動かさなくてもかかる費用、今はまだ動いていないのだから払う必要のない費用、一体それが何なのかという ことで、お金の額が勝手にひとり歩きしておりますけれども、ひとり歩きさせるのであるならば何千億円のところをもっとひとり歩きさせていただきたいと、ま ずこのように思います。
そしてまた、例えば冷蔵庫など買いましたとおっしゃるのは、リースの場合もあるでしょうけれども、それは、これからの結果次第ですけれども、何か月間にな るのかどうなるのかというのは、プロジェクトチームのこれからの流れにもよることでありましょう。ですから、どのような対応、そしてまた、それがどれぐら いかかってくるのか、そのことについては、同じく当局の方でもしっかりと関係者の方々のお話を伺ってくるということになろうと思います。私は、月々につい て、延期で一体どれぐらいかかるのかというのはよく精査していかなければならないと思いますけれども、ひとり歩きしているようなお金ではないと、このよう に踏んでおります。
【記者】共同通信の恩田と申します。モニタリングの結果が1月以降ということで、そうすると、新たな開場時期の決断も少なくともそれ以降になるという認識でよろしいでしょうか。
【知事】そのとおりでございます。今は、モニタリングの結果を、まず最低限、これを見ていくということでございますので、結果の公表というのが1月と聞いておりますので、それをまずは待つということになろうかと思います。
【記者】ニコニコ動画の七尾と申します。よろしくお願いします。先ほどの記者の方からも、築地のアスベストの問題の指摘がありました。これは、築地 移転反対派にとっても、やはり今、移転先のベンゼンだけが問題になっておりますけれども、築地の現状の、いろいろ難しい問題ありますが、築地自体の環境調 査も、同時並行できちっと両方比較できるように情報公開することも大事だと思うのですが、この点はどうお考えでしょうか。
【知事】築地か豊洲かという話、いろいろと、ネットでも随分議論が行われているようでございます。アスベストについては、私がヒアリングした限り、 危ない部分についての吹きつけなどの適切な対応は行われているとは聞いております。しかしながら、存在することは事実でございますし、アスベストについて は、私も環境大臣当時からいろいろな陳情を受けて、それに対する対策も練ってまいったところでございます。いずれにしても、築地も豊洲も、食を扱っている ということの大切さ、これを、私はやはり第一に考えていきたいと思っております。築地にしましても、次の豊洲新市場、この二つとも食を扱い、そしてそれ が、日本の食文化の一番肝の部分であるということでございますので、だからこそ、世界に安全なのだということをきっちりと伝えるというのは、私は、市場の 経営主体であります東京都として、これは責任ではないかと思っております。
【記者】NHKの田中と申します。小池知事も、11月7日に移転が行われないと環状2号線が間に合わないという指摘があるとおっしゃっていましたが、これに関してはどのようにされるおつもりですか。
【知事】大変重要なご指摘だと、このように思っております。当然、ホストシティ東京でございますので、オリンピック・パラリンピックを成功させなけ ればなりません。一方で、今回、環状2号線の暫定道路等々の建設のために、既にまだ都知事選が行われている最中に、何と解体の業者が決まってしまったとい うことに、私、この点でも驚いてはいたのですけれども、それは、要は道路を作らなければならないからという、そちらの論理が先に行っていたわけです。逆に 言えば、それほど道路は重要だと認識をしているという東京都であることも事実であります。これは、どのような工法で、どのようなやり方でそれが実現できる のか、それについても、工事の在り方についてもしっかりと検討し、そして、オリンピック・パラリンピックは快適な環境の中でできるような、そういうことを 一応、想定はしているところでございます。いずれにいたしましても、PTのこれからの精査、そして分析、これを待って、そして、A案、B案、C案といった ような、そのようなプランを、プランA、プランB、プランCということを持つのも一つの方法ではないかと、このように思っております。
あと、私が以前書いた本のコピーがありますから、どうぞ、後で必要な方はおっしゃっていただければと、このように思っております。どうもありがとうございました。
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)
■ 小池都知事の豊洲移転延期発表に推進派猛反発 江東区長も不快感示す
スポーツ報知 2016年9月1日
小池百合子都知事(64)の移転延期の発表を受け、豊洲市場への移転を推進してきた築地市場協会の伊藤裕康会長(81)は31日、都庁内で会見し、「すべての資産、能力をつぎ込んだ。今さら『ちょっと待った』と言われても、どうすればいいのか」と猛反発した。
伊藤氏は「豊洲市場への移転延期再考の要望」と 題した陳情書を持参し来訪したが、小池氏は不在で副知事に提出した。伊藤氏によると、豊洲市場の水産業関連だけで、2つの冷蔵庫棟やコンピューター設備な どにすでに200億円以上の投資をしたという。「これまで都の方針に従ってやってきた。責任は都にある」と怒りをにじませたが、すぐに訴訟を起こさず、話 し合いを進めるとした。
一方、移転先の豊洲市場がある江東区の山崎孝明江東区長(72)は「都が区に事前相談や報告もせず、移転延期を一方的に公表したことは極めて遺憾。こうした物事の決め方は地方自治の根幹を揺るがしかねないものと危惧している」と不快感を示した。