血を思わせる濃い赤色に染まったダルディカン川
CNN Japan「 川の水が突然「真っ赤」に、住民騒然 ロシア北極圏の町」より
■ 川の水が突然「真っ赤」に、住民騒然 ロシア北極圏の町
CNN Japan-2016年9月8日
(CNN) ロシアの天然資源環境省は8日までに、同国の北極圏にあるノリリスク町内に流れる川の水流が突じょ「真っ赤」となり、環境破壊の有無を含め原因を調べていることを明らかにした。
この川は「ダルディカン川」で、異変に驚いた住民がインターネットに写真を掲載する騒ぎとなっている。ロシア国営のスプートニク通信は、同町の行政当局者の話として川は公共の配水網につながっておらず住民の健康問題に直接的な脅威を及ぼす事態とはなっていない、と伝えた。
同省は声明で、川の近くには金属精製工場が位置し、化学物質が漏出した可能性に言及した。配管が壊れた場合、汚染物質が川に流出する事態も考えられるとしている。
この工場はニッケル生産で世界最大手の「ノリリスク・ニッケル」。同工場はこれまで汚染物質の流出元であることを否定。国営のRIAノーボスチ通信 によると、今回の変色問題に絡む原因調査や周辺地域での環境調査を続けており、この間は工場の稼働を縮小させていることを明らかにした。
ノリリスクの地元紙によると、川が赤色に転じたのは今回が初めてではない。ただ、過去の事例の詳細などについては触れなかった。
シベリア地方の北端部に位置する同町は天然資源が豊富だが、気温がマイナス7.2度にもなる厳しい寒冷気候下にある。ただ、近くにはニッケルや銅、パラジウムなどで世界最大規模の埋蔵量を誇る地域があり、多くの鉱山会社や精錬企業が進出している。
一方で、同町は深刻な環境汚染に直面していることで知られ、ロシアで最悪との見方もある。
■ ロシアの川が血の色に… 化学物質漏出か 政府が調査
AFPBB News 2016年9月9日
ロシア極北ノリリスク市周辺を流れる、真っ赤に染まったダルディカン川(2016年9月8日撮影)。(c)AFP/GREENPEACE/Liza UDILOVA ▶ メディア・報道関係・法人の方向け 写真購入のお問合せ
【9月9日 AFP】ロシア極北ノリリスク(Norilsk)市周辺を流れる川が真っ赤に染まったことを受け、同国の天然資源環境省は、産業事故の可能性もあるとして調査を命じた。
同省の声明によると、「ノリリスク市地域を流れるダルディカン(Daldykan)川の水が未確認の化学物質に汚染され、水が真っ赤に染まった」ことについて、地元住民から苦情が寄せられた。
同省は、川の汚染は、ニッケルとパラジウム生産の世界最大手ノリリスク・ニッケル(Norilsk Nickel)の工場の「スラリー管の破損」によって引き起こされた可能性があるとしている。
インターネット上では、地元団体が投稿した、血のような赤い色に染まりロシア極北の森林地帯を流れるダルディカン川を写したとされる写真が話題を集めている。
一方のノリリスク・ニッケル社は、こうした写真は確認したものの、川に何らかの物質が漏出したことを示す証拠はないと主張している。(c)AFP