■ ダイオキシン隠しの処理費、元職員ら支払い拒否 高島
中日新聞-2016年9月8日
高島市環境センターが基準値を超えるダイオキシンを含むばいじんを神戸市の廃棄物処理場に搬出していた問題で、市から経費の返還を求められた元市 職員が、期限の八月三十一日を過ぎても支払っていないことが分かった。市は引き続き、督促して理解を求める。七日の市議会本会議で、青谷章(高島新政クラ ブ)、森脇徹(共産党高島市議団)の両市議の代表質問に福井正明市長が答えた。
市は国家賠償法に基づいて、処理場の環境調査やばいじんの運搬などにかかった費用のうち計七百十五万円を、七月十五日付で現職員九人と元職員十二 人に請求。元職員十二人からは八月十九日に「請求を受けるほどの重大な過失はない」とする支払い拒否の回答があった。現職員でも未払いの人がいるという。
福井市長は、市の組織的な責任を問われ「市と、担当した職員とにはそれぞれに責任がある」と答弁。「法律違反を認識しながらこれを隠蔽(いんぺい)し、ばいじんを搬入し続けた責任は重い」と、当時担当した職員に重大な過失があるという考えを示した。
市民団体「『見張り番』滋賀」の沢忠起代表は「何をもって『重大な過失』とみなしているのかあいまいで、公平性を欠く」と批判している。
(野瀬井寛)