北海道新聞「清掃工場の煙突からさび飛散 札幌、車150台以上被害」より
■清掃工場の煙突からさび飛散 札幌、車150台以上被害
北海道新聞-2016年9月2日
札幌市の発寒清掃工場(西区発寒15の14)で2014年6月以降、煙突にできたさびが風に乗って周辺に飛散していたことが1日、分かった。民間の 建物や車両に付着し、除去作業や塗料の塗り直しが必要になった被害は建物数棟、車両150~200台に及んだ。損害額は計数千万円に上る見通し。
市によると、飛散したのは、高さ約100メートルの煙突の先端にあるステンレス製のノズルカバーにできたさび。雪や雨に交じり、強風時に飛び散っ たとみられる。さびはさまざまな形状で、大きいもので2~3センチ。工場の屋根や事務所の壁、車のボンネットなどに付着していた。人体に有害なダイオキシ ン類や重金属類は含まれていないという。
市は今年2月、清掃工場近くの民間事業所から「敷地内の建物や車両にさび色の付着物があった。清掃工場の煙突から飛散したのではないか」との指摘を受け、調査を開始。付着物の成分を調べ、4月に清掃工場の煙突のさびと断定した。
市は周辺の風の強さから飛散範囲を清掃工場の半径約200メートルと推定した。戸別訪問で被害を確認するとともに、賠償手続きを進めている。周辺は産業団地だが一般住宅もある。
ノズルカバーは14年6月に樹脂製からステンレス製に取り替えた。市は「飛散が始まった時期は不明」と話す。今年3月以降、ノズルカバーの清掃を続け、8月には樹脂製に戻した。
■発寒清掃工場さび飛散 札幌市調査、半径200メートル限定 公表せず 住民不満
北海道新聞-2016年9月2日
札幌市の発寒清掃工場(西区発寒15の14)の煙突からさびが周辺に飛散していた問題で、市は被害範囲を清掃工場から半径約200メートルと推定 し、範囲外での調査や市民への公表を行ってこなかった。強風で想定より被害が広がっている可能性は否定できず、周辺住民からは市の対応に不満の声が上がっ ている。
「さびが舞っていたなんて知らなかった。台風10号のときのような強風で、うちまで届いていたかもしれない」。清掃工場から約500メートル離れた住宅で暮らす無職女性(66)は今回の問題を知って驚き、不安そうに話した。
清掃工場周辺は産業団地のため車の往来が多く半径200メートルの範囲内には不特定多数が利用するコンビニエンスストアもある。週1回は車でこの コンビニに立ち寄るという東区の男性会社員(45)は「駐車中にさびが付着した可能性もある。市は概要を把握した時点ですぐに公表すべきだったのではない か」と批判した。
市は周辺の風の強さから飛散範囲を推定し、戸別訪問で被害を確認している。ただ、200メートル以上飛散したり、清掃工場周辺に立ち寄った市民が知らないうちに被害に遭ったりした可能性は「否定できない」と認める。範囲外でも被害が確認されれば、賠償に応じる考えだ。
市によると、発寒清掃工場では2014年6月以降、高さ約100メートルの煙突の先端にあるステンレス製のノズルカバーにできたさびが風に乗って 飛散した。民間の建物数棟、車両150~200台に付着し、除去作業や塗料の塗り直しが必要となった。損害額は計数千万円に上る見通し。(小林史明、水野 富仁)
札幌市 施設マップ
ごみの中間処理施設 名称 処理能力 所在地 敷地面積 建築面積 延床面積 竣工年月 発寒清掃工場600トン/24時間
(300トン/24時間×2炉)
西区発寒15条14丁目1-123,896m2
※旧発寒第二工場用地含む
6,853m2 23,691m2 平成4年11月 駒岡清掃工場600トン/24時間
(300トン/24時間×2炉)
南区真駒内602 59,430m2 7,182m2 20,933m2 昭和60年11月 白石清掃工場焼却炉:900トン/24時間
(300トン/24時間×3炉)
灰溶融炉:140トン/24時間(70トン/24時間×2炉)
白石区東米里2170-1100,563.69m2
※白石清掃事務所用地含む
16,839m2 48,661m2 平成14年11月
白石清掃工場の灰溶融炉は2014年9月に停止しているのでは?