■ 水戸市最終処分場 ごみ満杯「困った」 市外へ搬送中止 立地自治体怒らせ /茨城
毎日新聞 2016年8月11日
一般廃棄物(ごみ)の最終処分を巡り、水戸市が頭を悩ませている。市営の最終処分場(同市酒門町)が間もなく満杯となるため、市外の民間処分場と委託契約を結んだが、契約期間を巡る市幹部の発言に立地自治体が立腹。運び込みがストップしているためだ。
市の処分場は清掃工場から排出される焼却灰や砕いた不燃物を埋める施設で、1994年6月に稼働した。27万2000立方メートルの容積がある。1日に 運び込まれる量は10トントラック5〜6台分。年間約1万5000トンの埋め立てが必要なのに現在は約6000トン分しか残っていない。
このため市は新たな処分場の整備を計画。2020年3月に完成するまでの3年半は民間処分場に委託することを決め、県北地域の事業者と今年度9000トン分の契約を結んで7月11日、搬送を開始した。
廃棄物処理に関する法律は、廃棄物を越境させる場合、民間の処分場であっても自治体間で「毎年度ごと」に事前協議をするよう定めている。水戸市も事前協 議をした。しかし、7月末の記者会見で市の担当者は「今後3年半で15億8000万円の委託料を見込んでいる」と「既に20年3月末まで了承済み」と誤解 されかねない発言をした。
これを受け、契約先の処分場が立地する自治体から8月1日、抗議の電話があった。市の担当幹部が相手方に出向いて遺憾の意を伝えると共に「誠意を示す」ために4日から搬送をいったん休止。同時に、協議が不調に終わる事態に備えて、他の民間処分場探しも開始した。
市の換算によると、処分場がいっぱいになるのは早ければ11月。何も手を打たなければ日量50〜60トンの灰が行き場を失うことになるため「県外も含め 何としても業者を探し出す」と担当者は話すが、足元を見られて委託料がつり上げられる可能性もある。【根本太一】