■ 除染土減量、再利用へ 福島県環境創造センター全面開所
福島民友 2016年7月22日
東京電力福島第1原発事故で大きな被害を受けた県土の環境回復の拠点として、福島県が整備を進めていた県環境創造センターの交流棟「コミュタン福島」が21日、三春町に開所した。
先行運用されていた本館、研究棟、南相馬市の環境放射線センターなどと合わせて全面稼働した形だ。本県復興の鍵を握る除染や放射性廃棄物の減量、汚染土壌の再利用に向けた研究開発を加速させられるかが焦点となる。
施設には県、日本原子力研究開発機構(JAEA)、国立環境研究所が同居。線量の調査や分析、除染、廃棄物の研究に連携して取り組む。
県内の環境回復を巡っては、帰還困難区域を除いて本年度中の完了を目指して除染が進められているが、除染で出る土壌など廃棄物の総量は最大約2200万立方メートル分(東京ドーム約18個分)に上る見込みだ。
三春町の研究棟で国立環境研究所は、約1300度の熱処理で放射性セシウムと土砂を分離する技術の実証実験に取り組んでいる。実用化されれば土砂 はセメント材として再利用されることで、土壌の量は大幅に少なくなる見通し。国はこれらの研究の実用化を含め廃棄物の量を9割減らせると試算しており、 2024(平成36)年度までに基礎となる技術開発を一通り完了させる方針。
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除染土減量、再利用へ 福島県環境創造センター全面開所(約1300度の熱処理でセシウム分離で再利用)
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