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<汚染牧草> 栗原市 堆肥化実験で重さ10分の1に減少/宮城

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■<汚染牧草>堆肥化実験で重さ10分の1に減少/宮城
河北新報-016年7月21日
 栗原市は20日、東京電力福島第1原発事故で放射性物質に汚染された市内の牧草を堆肥化する実証実験について、牧草の重量が10分の1程度に減ったとする 中間結果を公表した。市は実験で生成された成果物を堆肥にして野菜を栽培し、作物への影響などを分析。引き続き、焼却によらない有効活用の可能性を探る。
  5月23日に開始した実験では、1キログラム当たり3000ベクレル前後の牧草2トンに微生物12.4トン、水と牛ふん計5.1トンを混ぜたものを使用。 定期的にかき混ぜて発酵を促した結果、総重量19.5トンは15日時点で12.2トンまで減った。微生物の分解量を考慮すると、牧草は200キロ程度に減 少したという。
 総重量が減ったため1キログラム当たりの放射性セシウム濃度は濃縮され、数値は実験前の362.5ベクレルから457ベクレルと なった。市は微生物を追加投入し、流通可能基準(400ベクレル未満)をさらに下回る300ベクレル程度の堆肥に加工。同市金成の実験施設近くで行う野菜 の栽培実験に利用し、放射性物質の蓄積などを検証する。
 施設であった中間結果の報告会には地元住民ら約80人が参加。実証実験のアドバイザーを 務める京大の松井三郎名誉教授(環境工学)は「微生物がうまく作用し、想像以上に牧草が減った。分析が進めば焼却に頼らない低濃度汚染物の処理が期待でき る」と話した。ただ、大量の微生物や牛ふんなどの確保のほか、堆肥の利用が進むかなど課題も残る。
 市によると、市内の8000ベクレル以下の汚染牧草は2592トンで、農家225戸が保管。基準値以下の汚染廃棄物を巡っては、宮城県内では仙台市と利府町が焼却処分を実施した。


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