■ 米の原子力検査制度／事業者評価など先進
電気新聞 2016年6月27日
◆日本の見直しでも取り入れへ
原子炉等規制法（炉規法）の改正を伴う検査制度の見直しに向け、原子力規制委員会の議論が進んでいる。事業者、規制側がそれぞれ行う検査の責任の所在を明 確にするとともに、検査官の権限を高め、発電所に自由に出入りできる「フリーアクセス」を強化するなどより実効性を高める。参考にするのは日本に先駆けて パフォーマンス主体の評価、リスク情報の活用などを取り入れた米国の事例だ。
米国原子力規制委員会（ＮＲＣ）は、２０００年に「原子炉監視プロセス（ＲＯＰ）」を導入した。旧来の体制では、規制要件の厳密な順守・管理に陥りがち で、評価方法も主観的といった批判が根強く、事業者が問題を是正しても、それが評価に反映されにくいといった制度上の欠陥があったという。
そのような指摘を踏まえ、ＲＯＰではＮＲＣの検査・監視制度を体系的に構築。リスク情報を活用して客観性を担保する一方、事業者のパフォーマンス指標（ＰＩ）を重視し、発電所の実態に即した体制に改めた。（５面）
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