■ 熊本県、ごみ処理進まず 焼却場被災で衛生面に不安も
日本経済新聞 2016年4月20日
強い地震が相次ぐ熊本県内のごみ焼却場が被災し、ごみの処理が滞っている。避難所や各家庭で山積みになったごみの回収はようやく始まったが、仮置き場は満 杯で焼却処分の見通しは立っていない。多くの住民が集まる避難所では衛生面の悪化を懸念する声もあり、国や自治体が対応を急いでいる。
地震で大きな被害を受けた益城町。ごみの仮置き場となった旧小学校のグラウンドにはごみなどがうずたかく積まれ、処理を待っている。同町の公民館に避難する住民の一人は「においがひどいし、感染症などが広がらないか不安だ」と顔をくもらす。
県災害対策本部によると、同町のごみ処理施設「益城クリーンセンター」は震度7を観測した14日の地震で2基ある焼却炉が損傷。建屋にもひびが入るなどして稼働を停止した。
同町内ではごみを処理できない状態となり、避難所にごみ袋が積み重なる事態に陥っている。避難所から仮置き場への搬送がようやく始まったが、処理ができないとごみが滞留し続ける。
熊本市でも2カ所あるごみ焼却場のうち、1日約600トンを処理できる東部環境工場のボイラーが14日の地震で被災し、焼却炉を停止した。家庭や避難所から出る生ごみなど可燃ごみは受け入れているが、工場内の保管場所が満杯になる恐れがあるという。
市の担当者は「焼却場の復旧が遅れると、ごみの持って行き場に困ってしまう」と頭を悩ませている。
...