■処分場受け入れ 国への不信、根深く 富岡・楢葉住民、厳しい反応示す /福島
毎日新聞 2015年12月6日
原発事故に伴う県内の指定廃棄物を富岡町の産業廃棄物処分場「フクシマエコテッククリーンセンター」を国有化して最終処分する国の計画について、4日に受 け入れを伝えた内堀雅雄知事や富岡、楢葉両町長に対し、丸川珠代環境相は「安全対策を徹底し、住民に丁寧に説明していきたい」と強調した。その説明を受け る側の両町の住民からは「風評被害を受けて帰還の妨げになる」「国の管理を監視する第三者委員会が必要だ」と厳しい意見が相次いだ。【浅田芳明、栗田慎 一】
「線量の高い帰還困難区域に最終処分場を作るべきだ」
「負のイメージで風評被害が加わり、帰還の妨げになる。町は受け入れを決めた以上、風評を払拭(ふっしょく)できるぐらいの地域振興を展開してほしい」
「負のイメージは孫の代まで続く。若い人たちが果たして町に戻るかどうか。限界集落になりかねない」
「国は最終処分場を安全、安心というが、原発事故の例もあり信用できない。国の管理を厳重に監視する第三者的な委員会が必要だ」
「必要性は分かる。しかし、住民が近くに住んでいる場所をなぜ選んだのか。交付金はいらないから、計画を見直してほしい」。
「帰町意欲も低くなる。町民全体の問題なのに、環境省は搬入路のある二つの地区住民にしか説明会を開いていない」
「計画があろうとなかろうと、今の町に帰る町民はほとんどいない」
「1人で町に戻るなんてありえない」
「帰町したのは高齢者ばかり。富岡町も避難指示が解除されれば同じ状況になる。交付金は町に戻った高齢者の生活を支える福祉や医療の充実に充ててほしい」