地中海二位置する仏コルシカ島の大都市アジャクシオの路上にあふれるごみ(2015年9月25日撮影)
AFPBB New「ごみに埋まるナポレオン生誕地、収集一時停止 仏コルシカ島」より転載
■ ごみに埋まるナポレオン生誕地、収集一時停止 仏コルシカ島
AFPBB News 2015年10月12日
【10月12日 AFP】仏皇帝ナポレオン・ボナパルト(Napoleon Bonaparte)生誕の地であり、豊かな自然と景観から「地中海(Mediterranean)の宝石」と呼ばれるコルシカ(Corsica)島でごみ問題が深刻化している。
コルシカ島の人口は元から住んでいた31万人に加え、毎年4000人ずつ増えている。観光シーズンのピークには、島の人口は10倍にも膨れ上が る。一方、住民と観光客合わせて年間30万トン以上、車両10万台分のごみが出ており、埋め立て処理場は限界に達しつつある。島内の各所で進行中の建設工 事からも大量の廃棄物が出ている。
近隣地域のごみすでに飽和状態の処理場の中には、他地域のごみの受け入れを拒否するところも出てきた。ごみ問題のあまりのひどさに処理場が閉鎖され、ごみの収集が止まったところもあったが、先月下旬に「当面の間」に限りごみ収集が再開された。
セゴレーヌ・ロワイヤル(Segolene Royal)エコロジー・持続可能開発・エネルギー相は、このごみ問題を「コルシカ島の死活問題」と位置づけ、対策と規制強化を求めている。
EU統計局(Eurostat、 ユーロスタット)によれば、コルシカ島で出るごみのうち、再生されているのは約20%にすぎない。フランスの全国平均には近い数字だが、ドイツの47% や、スロベニアの55%にはかなり劣る。基本的な原因は、ごみが分別されていないことだ。人々は何でも同じごみ箱に捨て、結果、全部のごみが同じ場所に集 まる。
そうした中、自分たちの手で解決を試みるコルシカ島の自治体もある。西部沿岸のジロラッタ(Girolata)という小村では、35万ユーロ(約4800万円)を投じて効率的な分別システムを導入し、ごみの約80%をリサイクルしている。
ロワイヤル・エコロジー相は、ごみ処理場へ送る前にプラスチック、ガラス、紙などの分別を行えば、コルシカ島のごみは激減するはずだと述べている。(c)AFP/Pierre LANFRANCHI
写真拡大 ×地中海に位置する仏コルシカ島のプロプリアノにある埋め立てごみ処理場(2015年9月1日撮影)。(c)AFP/PASCAL POCHARD-CASABIANCA
写真拡大 ×地中海に位置する仏コルシカ島最大の都市アジャクシオの路上にあふれるごみ(2015年9月25日撮影)。(c)AFP/PASCAL POCHARD-CASABIANCA