■不名誉な1020グラム /福岡
毎日新聞 2015年10月04日
「えっ、多いですね。それは多すぎます」。受話器の向こうで、取材相手の声がうわずった。
1人あたり1020グラム。苅田町民が1日に出すゴミの量だ。人口3万~5万人の町では平均898グラムだから、自治体のゴミ処理施策に詳しい、東洋大の山谷修作教授も驚いたのだろう。
なぜ苅田ではゴミが多いのか。行政が家庭用ゴミ袋を無料で配っているからだ。無料だと何でも捨ててしまうが、有料だとリサイクルしてなるべくゴミを減らし、袋を節約しようという心理が働く。
ゴミ袋を有料化して、ゴミ処理の手数料を徴収している市区町村は今年7月現在で62・8%にのぼる。有料化がもたらす効果につ いて山谷教授は「リサイクル熱が高まり、10~20%のゴミ減量につながる。多くゴミを出す人は相応の負担をするようになり、公平性も確保できる」と説 く。
大企業が林立し税収の豊かな苅田町は、町民に負担をかけまいと無料にしてきた。福岡県でごみ袋を無料にしているのは苅田町だけ だ。だが住民が増えゴミ収集量は増加傾向。せめて量を減らそうと2年前から古紙の回収ボックスを役場やスーパーに置いているが、リサイクル熱は高まらな い。廃棄物の処理経費はジワジワと上がり続け町長は今年1月、ついにゴミ袋有料化を審議会に諮問した。
有料化の方針が新聞報道されるようになり、町役場に電話がかかってきたという。「行橋のもんやけど、いつから有料にするんかね?」
なぜ他市の住民から問い合わせがあるのか。苅田町では、近隣市町の住民が透明袋に家庭ゴミを入れて捨てにくるといわれている。通勤途中の車からゴミ袋を集積場に投げ捨てていく見知らぬ人を目撃した町民もいる。ある町ではタダ、隣町では有料。不法投棄が起きないほうが不思議だ。
議会は「有料化反対」の大合唱だ。「ゴミ袋の無料配布は町の誇りだ」を耳にした時は驚いた。確かに苅田町は豊かだがいまだに無料を貫き通していること自体、循環型社会に逆行した、決して誇れぬ事態だと思うのだが……。
ゴミ袋有料化は、ゴミを減らし処理場を延命させ、何より市民が大量消費を見直すきっかけになる。不名誉な1020グラムはきっと減る、と信じたい。【山本紀子】
〔北九州版〕
行政が家庭用ゴミ袋を無料で配っているというのもめずらしいが、福岡県でごみ袋を無料にしているのは苅田町だけというのも驚き、、、
ほんとに町で配布しているようだ、、、そして、透明か半透明の袋でもOKとなっている
福岡県京都郡苅田町 (人口36,200人 2015年9月末現在)
京都郡(みやこぐん) 苅田町というようで、、、
きょうとぐんかとおもってしまった~
ごみはすべてリサイクル工場へ
一般家庭から出るごみは、苅田エコプラント(ごみ処理工場)でリサイクル処理されます。さらなる7分別の徹底とごみ出しマナーの遵守をお願いします。
ごみ出し日
平成27年9月末までのごみの収集日をお知らせいたします。
ごみはきちんと分けて、決められた場所に収集日の午前7時30分までに出しましょう。
町が配布したごみ袋、または透明か半透明の袋に入れて出してください。
※他市町村の袋、または中身の見えない袋に入ったごみは収集しません。
また、収集後にごみを出したり、ごみ集積所以外または地区外の場所に出さないでください。
(苅田エコプラントで、ごみを効率よく処理するため「ごみ」の資源化・リサイクル推進にご協力ください!)
ごみ袋
ごみ袋(町名入り)は無料で、駐在員を介して年2回配布しています。
自治会に加入されていない方は、役場環境保全課でお渡ししています。(お渡しする期間は、半年に1度です)
※ 転入者には、転入手続きの際ごみ出し指導と併せてお渡しします。
苅田エコプラント
会社名 第3セクター苅田エコプラント株式会社
RDF(固形燃料)製造施設 42トン/7hr
粗大ごみ処理施設 10トン/5hr
ごみの有料化もいろんな議論があるが、
東京23区では、まだ有料化を実施している区はない。
23区全体では、1人1日当たりで1,022g(平成25年度)で、苅田町よりわずかに多い、
23区は大都市ではあるが、東京都平均949g/人/日、全国平均958 g/人/日
毎日新聞、「ゴミ袋を有料化して、ゴミ処理の手数料を徴収している市区町村は今年7月現在で62・8%」となっているが、、、
環境省の「日本の廃棄物処理 平成25年度版(平成27年2月末現在)」では、平成25年度で有料化は63.1%だったので、、
有料から無料化にした市町村があるのか?