先日、「ルポ にっぽんのごみ」 (岩波新書 杉本裕明著)を読んで、また、「東京23区とことん討論会」に参加して、、
そして、東京都のそして、東京都の<長期ビジョンで示した目標>では、一般廃棄物のリサイクル率の向上 「2024 年までに35%に高める。」となっているのである。あらためて23区のごみ総排出量とリサイクル率を考えてみた~(東京都でただいま意見募集中「持続可能な資源利用に関する提案・意見募集」8/31必着)
環境省で、年度ごとに発表する「一般廃棄物の排出及び処理状況等」、
例えば、一般廃棄物の排出及び処理状況等」(平成25年度)について(平成27年1月23日)
1.ごみの排出・処理状況
(1)ごみ排出の状況:ごみ総排出量は減少、1人1日当たりのごみ排出量は微減。
・ごみ総排出量 4,487 万トン(前年度 4,523 万トン )[ 0.8 % 減 ]
・1人1日当たりのごみ排出量 958 グラム(前年度 964 グラム )[ 0.6 % 減 ] ←23区は1,022g/人/日
(参考:外国人人口を含まない場合 972 グラム、前年度 979 グラム [ 0.7 % 減 ])
(2)ごみ処理の状況:最終処分量は前年比2.4%減少。リサイクル率は微増。
・最終処分量 454 万トン(前年度 465 万トン )[ 2.4 % 減 ]
・減量処理率 98.6 % (前年度 98.7 %)
・直接埋立率 1.4 % (前年度 1.3 %)
・総資源化量 926 万トン(前年度 926 万トン )[ 増減なし ]
・リサイクル率 20.6 % (前年度 20.5 %) ←23区は18.3%
5.3Rの取組のベスト3 注2)
これらの集計のもととなる市町村別データは、環境省「廃棄物処理技術情報」サイトで、「市町村集計結果(ごみ処理状況) (xls 22,449KB)」で、エクセル形式で公表されている。しかし、23区においては、清掃事業は平成12年4月1日、東京都から特別区に移管されたのではあるが、、、、基礎的自治体としての市町村区分に、23区各区のデータは入っていないのだ!! 23区それぞれ人口のみ記載で、他は、すべて空欄なのである、、、未だに、23区ひとくくりの取扱い、、、おまけに、生活系ごみ量と事業系ごみ量のごみ量算定もできていないので、1人1日当たりのごみ排出量も曖昧なまま、、、、、、(ただし、どう案分したのか、平成22年度までは生活系ごみ量と事業系ごみ量の区分けがしてある。)
とりあえず、環境省の報告をもとに、グラフにしてみた~
●23区 1人1日当たりの排出量(g/人/日)とリサイクル率(%)の推移
そもそも、23区の廃棄物処理処理のデータに「生活系ごみ」や「事業系ごみ」の区分がない。
毎年、清掃一組で公表する「清掃事業年報」や「清掃工場等作業年報」では、他の自治体に類をみない精細な情報を公開しているのだが、ごみは「区収集ごみ」と「持込ごみ」の区分となるので、、、(一廃計画などでは、「家庭系ごみ」「事業系ごみ」も使われているが)
●「区収集ごみ」=区が収集する「家庭系ごみ」と「事業系ごみ(有料)」←内訳は把握されていない。区によって割合も大きく異なる。ただし、昨年、中野区は「事業系ごみ処理状況届出制度」導入」の検討をしていたので、そういう取り組みが進めば、23区区収集の事業系ごみも、もう少しは把握できる可能性もあるが、、、
●「持込ごみ」=100%事業系ごみ
区 収集ごみは、23区それぞれの搬入量が集計されているが、、、持込ごみは、「継続持込」「臨時持込」があって、継続持込ごみ量は23区をまたがって収集し ているために、、23区一括の数字しか出てこない。ということで、、、清掃事業が23区に移管されたとはいえ、基礎的自治体として、各区が、環境省へ、廃 棄物処理の排出量などの報告をすることもできていないという現実。
そうした中、23区で、『「清掃負担の公平」による負担の調整』などというルールができ、そこで、、「区別持ち込みごみ量算定分科会」からの報告値ということで、各区別持込ごみ量の数字がでてくる。また、清掃一組の、「東京二十三区清掃一部事務組合 一般会計予算」特別区分担金納付額等でも、「持込ごみ量相当分 持込ごみ量 (トン)」として、各区の持込ごみ量が出てくる。
環境省の報告では、23区それぞれの内訳がでていないので、公表されている数字を使って、23区の各区別の総排出量と1人1日当たりの排出量を換算し、グラフにしてみた。全国の自治体のように、生活系と事業系の区分はできないので、区収集ごみと持込ごみの区分で、、、
事業系ごみの多い千代田、中央、港、渋谷の1人1日当たりは欄外となってしまった~
都心部や繁華街をかかえる区は、持込ごみ量の割合が圧倒的に多く、区収集ごみに占める事業系のごみも多い。
また、昼間人口と夜間人口の差も大きいので、1人1日当たりで計算すると、気の毒なほどの数字になってしまう。
●23区1人1日当たりの排出量とリサイクル率
た だし、このリサイクル率には、中間処理後の資源化分は加えていない。よって、本来は、その分リサイクル率は各区とも若干上昇する。平成25年度分でいえ ば、中間処理(焼却、粗大、不燃)後の資源化量は合計で74,817tとなっている。それぞれの排出割合によって、資源化量も案分すると、正確なリサイク ル率がでてくるはず、、、
23区平均(平成25年度)1人1日当たりのごみ排出量 1,022g/人/日 ← 東京都平均949g/人/日、全国平均958 g/人/日
リサイクルR率 18.3%←東京都平均23.2%、全国平均20.6 %
東京都の<長期ビジョンで示した目標>では、一般廃棄物のリサイクル率の向上 「2024 年までに35%に高める。」
果たして、よほどの施策がない限りは、現状の推移ではとうてい困難、、23区が足を引っ張る、、、
(東京都で、ただいま意見募集中)・持続可能な資源利用に関する提案・意見募集(東京都環境局)
ということで、全国平均と比べて、23区の平均は、1人1日当たりのごみ排出量も多く、リサイクル率は低い。しかし、練馬、杉並、中野と、全国平均を上回る区もあり、ごみ減量へ確実に健闘している、そして、23区の平均リサイクル率も、年々上昇していることも事実である。
都道府県別でみると、東京都が、大阪府のようにワースト3などに並ばないですむのも、多摩地域のごみ減量効果が大きい。ほんとうに、多摩地域は、各市とも、ごみ減量への意識の高さ、切磋琢磨の健闘ぶりはうらやましいほど、
日の出の処分場問題などもあり、ごみ問題への意識も23区と大きく違う、
23区の場合、今となっては、限界はあるとはいえ、超巨大な最終処分場があり、21清掃工場体制の堅持と、、、
受け皿が十分すぎて、どんなにごみ減量やリサイクルの普及啓発を進めても、危機感、切迫感がないので、、、、
30年後、50年後は、もう処分場はいっぱいになるといっても、必然性に説得力もなくなる。
そもそも、私がごみ問題に関心を持ったのも、、もう、25年以上も前、当時の最終処分場(中防外側)がまもなく満杯になる、“どうするごみ問題”ということで、区主催の連続学習講座に参加してから、、講座修了後、その受講者でグループを作って今に至るのだが、、
ほんとうに、まじめに、リサイクルやごみ問題、環境学習の出前講座と、、、がんばっていろんなことをやってきた、、、、
それがそれが、、いろいろあったが、結果的には、巨大な新海面処分場の建設、新江東清掃工場の建て替えとなってしまって、、、、
今になってしまえば、、、行政のいうことなど、鵜呑みにしない、ことほどさようにとなってしまって、いまさらながらの嘆き節、、、
環境省のまとめでは、3Rの取組のベスト3など、人口50万人以上のくくりで整理してあるのだが、、、
100万人以上の大都市のごみ排出量とリサイクル率を比較してみた~
●ごみ総排出量と1人一日当たりの排出量(人口100万人以上)
人口100万人以上の市
人口(平成25年10 月 1 日現在)/ごみ総排出量/1人1日当たりの排出量/リサイクル率R/リサイクル率R'
札幌市:1,928,482人/685,724t/974g/人/日/26.4%/23.1%
仙台市:1,048,094人/422,539t/1,105g/人/日/19.0%/19.0%
さいたま市:1,251,799人/429,677t/940g/人/日/22.5%/20.0%
東京23区:9,008,990人/3,360,977t/1,022g/人/日/18.3%/18.3%(23区の人口最大区は世田谷区の867,178人)
横浜市:3,714,187人/1,209,534t/892g/人/日/25.7%/25.7%
川崎市:1,431,400人/474,837t/909g/人/日/19.5%/19.5%
名古屋市:2,271,380人/786,092t/948g/人/日/25.8%/25.7%
京都市:1,470,742人/507,346t/945g/人/日/11.2%/11.2%
大阪市:2,667,269人/1,111,547t/1,142g/人/日/8.2%/8.2%
神戸市:1,552,338人/572,222t/1,010g/人/日/15.0%/14.9%
広島市:1,185,815人/371,937t/859g/人/日/12.5%/11.3%
福岡市:1,470,746人/582,468t/1,085g/人/日/8.9/8.9
いろいろデータを比較してみて、、、
いつも思うことは、、、リサイクル率が高いことがいいのだろうかという疑問、、、
理想からいえば、リサイクル率低くても、総ごみ量が少ないことがベスト、1人当たりの排出量も同じ、、、
リサイクル率が高くなくても、ごみ排出量が少ない方がいいと思うのだが、、
いろんな市町村の状況が違うなかで、、、
やはり、事業系ごみの多いところほど、ごみ量多く、リサイクル率も低い、
逆に、リサイクル率の低いところは、ごみ量も多い、
そういう中でも、リサイクル率低くとも、ごみ量も少ない市もある、、、
どんな傾向が読み取れるか、じっくりみてみよう、、、、、
環境省「日本の廃棄物処理」から
日本の廃棄物処理に関する基本的な用語
日本の廃棄物処理で用いる用語のうち、基本的な用語の概念、解釈を以下に示す。
【ごみ処理】
1.ごみ処理
・人口(人)
平成 25 年 10 月 1 日現在である。
「計画収集人口」は、実際にごみの収集を行っている区域の人口である。
「計画収集人口」と「自家処理人口」の和が市町村の「総人口」となる。さらに、「総人口」 は都道府県の統計課が平成 25 年 10 月 1 日付けで公表するために市町村に報告を求めた数値 ( 住民基本台帳人口 ) である。
なお、外国人登録制度が廃止され、「住民基本台帳法の一部を改正する法律(平成 21 年法 律第 77 号)」により外国人住民についても住民基本台帳制度の対象となったため、平成 24 年度調査より外国人人口は総人口のうち数とした。
総人口=計画収集人口+自家処理人口
・ごみ総排出量(t)
総排出量=計画収集量+直接搬入量+集団回収量
・1 人 1 日当たりの排出量( g/ 人 / 日)
1 人 1 日当たりの排出量=ごみ総排出量/総人口/ 365
・1 人 1 日当たり排出量[生活系ごみ]( g/ 人 / 日)
1 人 1 日当たりの排出量[生活系ごみ]=(生活系ごみの収集量+集団回収量)/総人口/ 365
・1 人 1 日当たり排出量[事業系ごみ]( g/ 人 / 日)
1 人 1 日当たりの排出量(事業系ごみ)= 事業系ごみの収集量/総人口/ 365
・自家処理量(t)
自家処理量とは、計画収集区域内で、市区町村等により計画収集される以外の家庭系一般廃 棄物で、ごみを自家肥料又は飼料として用いるか、直接農家等に依頼して処分させ、または自 ら処分しているものをいい、一部の市区町村では計画収集量、計画収集人口、自家処理人口を 勘案して推定している。
・ごみ処理量(t)
=直接焼却量 + 直接最終処分量 + 焼却以外の中間処理量 + 直接資源化量
・減量処理率(%)
= ( 直接資源化量 + 直接焼却量 + 焼却以外の中間処理量 ) /ごみ処理量× 100
・中間処理後再生利用量(t)
= ( 焼却施設 + 粗大ごみ処理施設 + ごみ堆肥化施設 + ごみ飼料化施設 + メタン化施設 + ごみ燃料化 施設 + その他の資源化等を行う施設 + その他の施設 ) における再生利用量
・リサイクル率 R(%)
= ( 直接資源化量 + 中間処理後再生利用量 + 集団回収量 )/( ごみ処理量 + 集団回収量 ) × 100
・リサイクル率 R’(%)
= ( 直接資源化量 + 中間処理後再生利用量〔固形燃料、焼却灰・飛灰のセメント原料化、セメント 工場へ直投入、飛灰の山元還元を除く〕 + 集団回収量 )/( ごみ処理量 + 集団回収量 ) × 100
・最終処分量(t)
=直接最終処分量 + 焼却残渣量 + 処理残渣量
環境省資料
■「一般廃棄物の排出及び処理状況等」(平成25年度)について(平成27年1月23日)
■日本の廃棄物処理(平成27年2月末現在) (doc 2,386KB/PDF 1,058KB)
■環境省 廃棄物処理技術情報 ←いろんなデータが出ている
一般廃棄物処理事業実態調査結果
施設整備状況 ↓事細かにでているのでみるとおもしろい
焼却施設 (xls 1,016KB)
粗大ごみ処理施設 (xls 381KB)
資源化等施設 (xls 691KB)
燃料化施設 (xls 75KB)
その他施設 (xls 41KB)
保管施設 (xls 367KB)
最終処分場 (xls 1,012KB)
し尿処理施設 (xls 496KB)
コミュニティプラント (xls 102KB)
リユース・リペア施設 (xls 63KB)
災害焼却施設 (xls 80KB)
●「市町村集計結果(ごみ処理状況) (xls 22,449KB)」より東京都分のみ抜粋
●「市町村集計結果(ごみ処理状況) (xls 22,449KB)」より人口100万人以上を抜粋
関連(本ブログ)
●環境省 一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成25年度)について(ごみ総排出量は減少、1人当たりは微減)2015年01月25日
●23区清掃一組「清掃事業年報(平成25年度)」 の公表2014年08月26日
●23区 清掃事業年報別冊 【リサイクル編】 『平成25年度 資源回収量』から~2014年08月27日
●23区 「清掃負担の公平」による負担の調整額(平成27年度)について2014年10月15日
●23区「清掃負担の公平」の検証と算定方式の一部変更について2015年03月11日
23区では、区収集ごみの比較はよくするが、、、
上記のように、環境省指標の総ごみ量で計算してみても、、
やはり区収集ごみの少ない区が、総ごみ量でも少ない区となっていた。
総ごみ量からみると、持込ごみの割合の多い区ほどごみ排出量も多く
持込ごみの少ない区の方が、区収集ごみ、総ごみ量ともに排出量は少ない、
また、ごみ量の少ない区は、リサイクル率も高い傾向にある、かな?
これから、もう少しじっくり見てみよう、
◆23区 【区収集ごみ】1人1日当たりごみ量(g)一覧表◆
-順位のようになってしまったが、単純にエクセルで並び替えをしたため、同量のごみ量の区も多々あり---
☆区収集ごみ量は、清掃一組「事業年報」から、持込ごみ量は「東京二十三区清掃一部事務組合 一般会計予算」特別区分担金納付額等でも、「持込ごみ量相当分 持込ごみ量 (トン)から