7月22日出版
23区のこともでているというので、、、8月上旬には読んだのだが、、、
タイトルにも“ルポ”がついているだけに、取材をもとにしていると、とてもインパクトがある。
ごみ処理だけでなく、リサイクルもリユースも、とりおこなう事業者にまで視点を置いて書いてある
その上で、いろんな問題があることを、あらため考えてしまう、
また、省庁間や企業の駆け引きなども、ずばりと切り込んでいておもしろい。
そこにこそ本質的な問題があるのだし、、
著者あとがきで『「ごみの行方」をキーワードにし、リサイクル施設や処理施設や山間地の不法投棄現場など、全国を歩き回ったルポを横軸に、この20年余りの廃棄物行政の歴史を縦軸に全体像を書く--。そんな狙いで書きあげたのが、この本である。』とあるが、コンパクトに集約されていて、なおかつ読みやすく、いろいろ知らないこともありおもしろく読めた。
23区に関することでは、、、
第4章 ごみ事情最先端 「焼却工場が余っている」で、でてくる、、
そう、、、まだ記憶に残る、、朝日新聞(2000年6月)の「ごみ足りない! 東京都の清掃工場、不況で焼却炉の休止続々」の新江東清掃工場の取材記事などを入れて、「ごみが足りない」、「ごみが減っても清掃工場の建設が続いた」と、現在の施設整備計画までの状況を記し、、23区のリサイクル率の平均は、全国平均を下回っている、もっとリサイクルに力をいれれば、、と、くくっている。
23区としては、不名誉な取り上げられ方、、ではあるが、、、
清掃事業が区移管されても、中間処理は共同処理体制という現状は、、、
確実に言えることは、ごみ量を大幅に減らせば、、、清掃工場も減らすことが可能ということしかない、、
それには、23区のリサイクル率の向上ということなんだろう、
こまかな部分では若干気になる部分もあったが、、、
これを機会に、23区のリサイクル率の低さについて考えてみようと思った~
●一般廃棄物の1人1日当たりの排出量(g/人/日)とリサイクル率(%)、23区の場合~ 2015年08月14日
岩波新書 新刊のご案内より転載
ルポ にっぽんのごみ
杉本裕明著
(新赤版1555)
ごみは語る
リアルな今と、可能性を含んだ未来を!
■著者からのメッセージ
ごみ=廃棄物といっても、その形態も処理方法も千差万別。一昔前まで、燃やしたり、埋めたりしていた廃棄物が、リサイク ルによって、価値のあるものを取り出したり、再生資源に生まれ変わったりする。しかし、数多くの法律が張りめぐらされ、国、自治体、事業者、市民が交差 し、複雑怪奇なごみの世界をつくっている。
しばらくの間、「ごみの行方」を追いかけてみたい。 (第1章より)
著者紹介
杉本裕明(すぎもと・ひろあき)1954年生まれ。早稲田 大学商学部卒。1980年より2014年まで、朝日新聞記者。廃棄物、自然保護、公害、地球温暖化、ダム・道路問題など環境問題全般を取材。環境省、国土 交通省、自治体の動向にも詳しい。現在はフリージャーナリスト。NPO法人未来舎の代表理事(メールアドレス:NQL53170@nifty.com)。
著書に『環境省の大罪』(PHP研究所)、『赤い土 フェロシルト―なぜ企業犯罪は繰り返されたのか』、『環境犯罪 七つの事件簿から』(以上、風媒社)などがある。
2 複雑怪奇なプラスチックの行方
3 リサイクルをめぐる三角関係 第3章 市民権を得て拡大するリユース 1 国内リユースの世界
2 リユースと廃棄物の狭間で
3 海を渡った中古家電 第4章 ごみ事情最先端
1 焼却工場が余っている
2 産業廃棄物の不法投棄の歴史
3 生ごみを資源として活かす
4 複数の選択肢を持つ合理主義のドイツ
5 行き場のないごみ 放射性物質による汚染廃棄物
あとがき
主要引用・参考文献