■水素社会/「規制緩和に優先順位を」/官民の推進会議が初会合
都政新報 [2015/08/04]
都環境局は7月30日、「水素社会の実現に向けた東京推進会議」(座 長=橘川武郎・東京理科大学大学院教授)の第1回会合を開いた。同会議は官民が一堂に会し、水素エネルギーの普及拡大に向けた具体的な取り組みを検討する ことが目的。初会合では水素ステーションに関する規制緩和などが議題になり、優先順位を付けた規制緩和の必要性や、安全性に関する意見が聞かれた。
東京都 平成27年1月28日
■燃料電池自動車の導入に対する補助事業開始のお知らせ
東京都は、水素社会、、燃料電池自動車の普及に力を入れている。
昨年のエコプロダクツ展でもブースを出して、水素エネルギー、水素と言っても「あぶなくない」ですと、宣伝していた~
成長戦略、アベノミクスの一環なんだか、、、新しい技術の導入で経済回復なのか、
しかし、今後、ますます高齢化社会となる。
燃料電池自動車や電気自動車よりも、マイカーなど縁のない人が増えてくる。
車社会からすこしでも離れる方が、よほど環境にいい~
公共交通のさらなる充実に精一杯取り組んでほしいものだが、、、
と、、、思っていたら、都政新報の続きを読むと、、
東京都の計画では、「燃料電池バスを100台以上導入」「水素ステーションは4個所以上必要」とのようだ~
また、、練馬区で水素ステーションを運営している東京ガスは、「1日に1台入ってくるかどうか」という状況とか、、
同じく都政新報(7月10日)の「水素バスの実証試験開始 都交通局7月下旬から都心部」では、燃料電池バスの価格は1台1億円程度、一般のディーゼルバス(約2千万円)の5倍と高い買い物とのこと。
図書館で、都政新報をまとめ読みしていたら、、、
「世田谷清掃工場の再稼働延期 ダイオキシン類測定の結果」もあった~
また、「15年目の到達点②清掃移管の現場で 退職不補充の方針どこまで」というのもあった。
各区別、車付雇上も状況(2014年)など一覧表もあり、雇上会社との覚え書きがある中で、区によっては車付雇上がゼロの区もあり、それで直営職員の退職不補充で、どうするのか、、、、という問題などが取り上げてあった。
新刊紹介、
昨日から読み始めているんだが
おもしろい~
<「走る原発」エコカー> - コモンズより転載
出版社: コモンズ
A5判/136ページ
定価1500円+税
2015年7月
紹介
安倍政権が進める燃料電池車の燃料・水素は、高温ガス炉という原子炉で製造される!
電気自動車やプラグインハイブリッド車の普及は、電気の大量利用=原発の促進につながる!
「エコ」の衣をかぶった原子力延命策を冷静かつ論理的に批判する。
対 談 誰のための燃料電池車・電気自動車なのか
小出裕章・上岡直見
第1章 燃料電池車・電気自動車と原子力の深い関係
「究極のエコカー」の正体は?
日本全体のエネルギーフロー
多岐にわたるエコカー
エコカーの燃費とCO2排出量
エコカーも環境を汚染する
エコカーへの多額の補助金
水素スタンドが足りない
単なるデモンストレーション
電気自動車は「走る原発」
夜間電力が余るから電気自動車?
「寒い」電気自動車
スマートグリッドは「スマート」か
実在しないシステム
ワイヤレス充電と電磁波公害
実は普通の自動車も「走る原発」
省エネ効果が不明なエコカー
第2章 「夢の水素社会」は本当か?
水素利用の歴史
原子力と表裏一体の「水素社会」
「MIRAI」の「燃費」をチェックしてみた
水素は「いくら」か
燃料電池車は補助金で走る
水素の作り方
水素の輸送と精製
「CO2フリー水素」のまやかし
無尽蔵神話
再生可能エネルギーで作ればいい?
「大きな水素」社会と「小さな水素」社会
第3章 原子力延命策としての高温ガス炉
復活した高温ガス炉
高温ガス炉は「青い鳥」か
高温ガス炉の構成
燃料と炉心の構造
80基以上が必要になる
「今度は大丈夫」と言えるのか
数多くの問題点
使用済み燃料の処理のために推進
使用済み燃料の貯蔵場所がなくなる
第4章 原発は地域に貢献していない
自動車こそ「国富」の流出
エネルギー支出の減少が経済にはプラスになる
原子力施設立地による所得・雇用効果はあるのか
原発受け入れ市町村とお断り市町村の比較
電力供給地の偏在と立地自治体の経済
「自給」の意義
結びに代えて 安倍政権の真の危険性 前書きなど はじめに
2015年1月15日に首相官邸で燃料電池車(トヨタ「MIRAI」※)の試乗式が開催され、安倍晋三首相は自ら試乗するとともに、さまざまな規制を見 直して水素のセルフスタンドを実現するなどの普及策に言及した。また、第189回国会(15年2月)の総理施政方針演説では、こう述べている。
「安倍内閣の規制改革によって、昨年、夢の水素社会への幕が開きました。全国に水素ステーションを整備し、燃料電池自動車の普及を加速させます」
燃料電池車は水素を燃料として使用し、走行時には温室効果ガス(CO2)を排出せず、大気汚染物質の排出も少ないため、「究極のエコカー」と宣伝されて いる。安倍政権が掲げる「成長」戦略はおよそ国民の健康や環境への配慮が乏しい項目ばかりなのに、なぜ燃料電池車を強力に推進するのだろうか。自動車メー カーの新しいビジネスの開拓を支援する意図もあるだろうが、別の意図に注意を向ける必要がある。それは、燃料電池車が大量に普及し、あるいは本格的な水素 社会になれぱ、その製造過程で原子力と結びつくからだ。
燃料となる水素は、高温ガス炉(第3章で詳述)という新形式の原子炉で製造するプロセスが提案されている。社会的に必需品である自動車と原子力を結びつ ければ、従来の電力としての需要のほかに、原子力からの脱却に抵抗する強力な手がかりとなる。高温ガス炉の開発は、東京電力福島第一原子力発電所の事故 (以下「福島事故」)以前から行われている。民主党政権での第三次エネルギー基本計画(2010年6月)では高温ガス炉の項目が削除されたのに対して、自 民党政権での第四次エネルギー基本計画(14年4月)では復活した。
高温ガス炉は水素の製造と発電に兼用できる。冷却機能を喪失しても放射性物質の大量放出に至らないこと、内陸部へも建設できるなど立地の制約が少ないこ とが特徴とされている。この点から原子力業界では輸出用として注目するとともに、国内での普及と実績づくりも目指している。従来も多くの自治体首長が原発 の誘致に積極的あるいは容認であった経緯から類推すれば、「一県一原発」の事態にもなりかねない。
仮に高温ガス炉が軽水炉に比べて安全性が高いとしても、原子炉を運転すれば核分裂生成物が蓄積するという関係は軽水炉と変わらない。既存の軽水炉の使用 済み燃料でさえ、処理が行き詰まっている。形状がまったく異なる高温ガス炉の使用済み燃料の処理方法は、新たに開発しなければならない。
一方で、原子力によらない水素の大量供給源として、海外の安価な化石燃料(低品質の石炭など)から水素を製造する方法も提案されている。しかし、この方 法では製造段階でCO2の発生が不可避である。そこで「CO2を出さない」という見せかけのために、発生したCO2を液化して地下や海底に投棄する CCS(Carbon Capture and Storage、二酸化炭素回収貯留)の導入が前提となっている。これでは本末転倒であるし、基幹的なエネルギーの海外依存という面でも改善になっていな い。
また、高温ガス炉や「水素社会」のような調子のよい構想が本当に実現するのかという懸念もある。これには前例がある。
続きは~