■日立造船、NOX7割低減できるゴミ焼却技術を開発−燃焼・脱硝技術を融合
日刊工業新聞-2015年6月11日
日立造船は窒素酸化物(NOX)の発生を従来比約7割低減できるゴミ焼却技術を開発した。燃焼時の空気量を少な くしてNOXを抑える燃焼技術と、NOXを薬剤で除去する脱硝技術を組み合わせた。触媒を使ってNOXを除去する設備も不要となり、建設コストを削減でき る。すでに大分県内のゴミ焼却設備で実証実験を行い、商用化レベルに到達したことを確認した。
ネオSNCRの概念図
新技術は二つの独自技術を組み合わせたもの。実験では低減措置をしない場合のNOX値100―120ppmに 対し、新技術では30ppmに削減できた。燃焼技術「ハイレクト」は、低い空気比(酸素濃度が低い)で効率よく燃焼できる。空気比は1・25(酸素濃度 4%弱)を実現した。
炉内下部の酸素濃度の濃い場所に燃焼で生じた排ガスを再び吹き込むことで、燃焼室内の酸素を有効に活用。酸素濃度が低くなりNOXの発生を抑えられる。空気比が高いとNOXの発生量が多くなる上、大きな動力が必要でエネルギー回収効率も減少する。