☆清掃一組「世田谷清掃工場の今後の対応について」より転載
清掃一組のHPで、「世田谷清掃工場の今後の対応について」が更新されている。
このタイトルだけみたとき、一瞬、トラブル続きの世田谷、ついに、灰溶融炉と同様に、休止に向けての検討体制にでも入るのかと思ってしまった。そうだ、今、というか、まだ、作業環境レベル3で停止中だったのだ、、、と、、
世田谷清掃工場は、昨年しゅん工の新大田の前までは、23区の中では、一番新しい清掃工場であった。そして、唯一のガス化溶融炉。それでも、もう、7年稼働していることになるのだ。その間、ダイオキシン類作業環境の第3管理区域となったのが3回。こうも、ガス漏れが続くと、世田谷は構造的欠陥炉なのかとおもってしまう。砂循環エレベータは流動床特有のものなのだろうが、しかし、現実には、そういうことは往々にしてあり、知らないだけでそういうものなのかもしれないが、、、、、いかにダイオキシン類が分解可能とはいえ、その過程で、外部にダイオキシン類含むガスが漏れ出る炉では困る。
滋賀県高島市の環境センターも、世田谷と同じ川崎重工のガス化溶融炉である。先頃、「高島市環境センターダイオキシ類濃度の基準超過に係る報告書」が公表されているのだが、、その報告書の中で、3か所の作業環境測定、平成21年から平成25年（年2回の測定）までの5年間で、レベル3が11回もある。スラグ等積出室では、第１評価値116pg-TEQ/m3、第２評価値30pg-TEQ/m3、炉室も何度もレベル3になっている。職員は、防護服なしで作業をしていたというのだから、本当に気の毒である。高島市の場合は、5年間、一度も定期点検をおこなわなかったというので、もう、炉の欠陥うんうん以前に想像を絶するとしかいいようがないのだが、
しかし、世田谷の場合は、毎年、中間点検、定期点検をおこなっている。これまでの定期点検補修・整備工事費は、昨年度までで約13億4千万円、今年度の契約は約4億4千万円。それだけ補修工事をおこなっていても、ダイオキシンが漏れ出す炉なのだ、、、廃棄物の焼却処理、溶融処理はたいへんなリスクをともなう。
東京二十三区清掃一部事務組合 更新日：2015年3月11日
■焼却炉の停止及び作業環境測定結果について
世田谷清掃工場では、平成27年2月12日からダイオキシン類作業環境測定の結果が第3管理区域になったことを受け、作業環境の回復に向けた対応を実施中です。その推定原因と今後の対策等をお知らせいたします。
記
１ 作業環境が第３管理区域となった推定原因
① 砂循環エレベータ シュート落ち口穴あきによるガスの漏洩。 （別紙 図２）
② 焼却炉 (ガス化炉)の散気管接合部からのガスの漏洩。 （別紙 図３）
２ 作業環境改善のための対策
①砂循環エレベータシュート落ち口穴あきのモルタル補修。 （別紙 図２）
②焼却炉(ガス化炉)の散気管接合部をボルト接合から溶接接合に変更。（別紙 図３）
３ 本格稼働に向けた現状と今後の予定
今後の良好な作業環境を確保するため、１号炉を対象に対策工事を実施し、速やかな復旧を目指しております。対策工事完了後、１号炉は３月１６日に稼働させ２３日に作業環境測定を実施し、工事の効果確認を行います。 その後、３月末までに、再稼働する予定です。
なお、２号炉につきましては、４月以降に引き続き対策工事を実施します。
詳細：平成27年3月11日世田谷清掃工場の今後の対応について（PDF：195KB）
これまでの経過
平成27年2月13日世田谷清掃工場の作業環境測定結果について（PDF：224KB）
平成26年12月25日世田谷清掃工場の再稼働について（PDF：130KB）
平成26年12月11日世田谷清掃工場焼却炉停止に伴う大気環境測定結果について（PDF：73KB）
平成26年11月20日世田谷清掃工場焼却炉の停止について（PDF：168KB）
世田谷清掃工場 概要
所在地：東京都世田谷区大蔵一丁目1番1号
工期 着工：平成16年7月
しゅん工：平成20年3月
敷地面積：約30,000平方メートル
建設費：166億8千5百万円
ごみ焼却炉
炉型式：連続運転式ガス化溶融炉（流動床式）←川崎重工
設計最高発熱量：12,100KJ/kg
規模(炉基数)：300トン／日（150トン×2）
焼却能力：300トン／日
関連（本ブログ）
■23区 世田谷清掃工場 ダイオキシン類 作業環境測定で再び第3管理区域に（2015年02月13日）
■23区 世田谷清掃工場（流動床ガス化溶融炉）の再稼働について（2014年12月25日） ← 補修点検等内容
①散気管接合部のシール材交換 ②砂循環エレベータ集じん器出口側の排気配管内の堆積物の除去 ③炉室内清掃の実施
■世田谷清掃工場１号炉 炉室内で高濃度ダイオキシン類検出の原因調査の途中経過は～（2014年12月20日）
■『世田谷清掃工場は工場棟内炉室のダイオキシン類濃度が上昇したため焼却炉を停止しています』（2014年11月20日）
■23区 世田谷清掃工場焼却炉の停止原因と今後の対応について（2011年07月06日） ←焼却炉(ガス化炉)下部のエキスパンションからのガス漏洩
■23区 「世田谷清掃工場焼却炉の停止について」清掃一組（2011年06月13日）