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Channel: 東京23区のごみ問題を考える
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23区 清掃一組「清掃工場別の処理単価(平成23年度決算)」公表

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※グラフは東京二十三区清掃一部事務組合「清掃工場別の処理単価(平成23年度決算)」より作成
処理単価の突出している世田谷清掃工場は、23区唯一のガス化溶融炉で故障件数も突出。有明清掃工場は管路収集のため割高コストとなっている。とはいえ、管路収集分は未だに搬入ごみの4%弱である。渋谷、光が丘、多摩川清掃工場は小規模工場である。

「清掃工場別の処理単価(平成23年度決算)」が公開された。
このての情報は、清掃一組の情報公開度は抜群にいいのだが〜

東京二十三区清掃一部事務組合HPより
■清掃工場別の処理単価(平成23年度決算)(PDF:116KB)
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/zaisei/yosan/kumiai/yosan/documents/syoritanka23.pdf

例年通り、いろいろグラフで比較してみた。大規模施設であれ、渋谷のような小さな施設であれ、基本的な維持経費はそれなりにかかる。あたりまえのことであるが、トンあたりの処理単価で見ると、要はどれだけの量を処理したかが処理単価に影響する。故障やトラブルによる焼却炉停止が少なく、順調に処理可能な施設ほど処理単価は低くなっている。そして、平成23年度の灰溶融施設は、福島原発事故による電力逼迫に対処するため、夏季の操業休止、主灰単独溶融、1炉稼働と、溶融処理量は激減した。故に、当然の如く、灰溶融施設の処理単価は、シンジラレナイほどの割高単価となってしまった。従って、灰溶融施設の廃止検討への展開は、当然の成りゆきなのである〜 この単価をみると、誰も、溶融施設の廃止に異を唱えることはできないであろう。

足立の驚異的 処理単価 964,427円/トンはなんなのだ〜 
品川は、電気を使わず都市ガスによる燃料式のため、前年度並みに処理量も処理単価も維持ではあるが、前年度が、わるすぎたのであまり比較対象にはならない。 
◆灰溶融施設別の処理単価と溶融量(平成23年度)


◆清掃工場別の処理経費内訳(平成23年度)


大規模施設は効率はいいのだろうが、新江東清掃工場の人件費+物件費計は2,789,095千円
◆清掃工場別の処理経費内訳(平成23年度)清掃工場のみ


◆灰溶融施設別の処理経費内訳(平成23年度)


◆清掃工場別の処理経費とごみ処理量(平成23年度)


◆溶融施設別の処理経費と溶融量(平成23年度)


足立より、葛飾の方が処理量少ないかと思っていたが、そうでもなかった〜
◆灰溶融施設 処理量月別実績


人件費は直営職員のみで、委託などの費用は、物件費に含まれる。
◆清掃工場別の処理経費(平成23年度決算)


平成23年度、清掃工場(焼却炉)の運転管理等の業務委託は建替え中を除くと9工場となっている。杉並も現在は建替え中。建替え中の大田第二、練馬も運転管理は委託の工場。(清掃一組は平成32年度までにおおむね15清掃工場の委託化を予定)灰溶融炉の運転管理はすべて委託である。技術面、経費面からみて、直営がいいのか、委託がいいのかはわからないが、経費面も長期でみないとさほど効果は現れていない。逆に、見た目は、直営+委託職員経費で割高のようにもみえる。また、委託と直営でのトラブルや維持管理などの対応も比較したいが、故障週報だけでは、実際の現場のことはほとんどみえてこない。アウトソーシングなどで、委託化を進めるには、そういった安全面の分析評価は必要不可欠におもう。
(直営職員の人件費については退職手当等は含まれていない。)
◆清掃工場別の人件費比較(平成23年度決算)


清掃工場で発電して、灰溶融施設でせっせと電力の消費、金食い虫の中防灰溶融はほとんど動かなくとも、それでも光熱費は6億6千万円。前年度は11億円。操業以来、4炉同時に稼働など一度もしていないとおもうが、100t/日×4炉がフル稼働すると1日の電気代は600万円になるらしい〜
◆清掃工場別光熱水費(平成23年度)


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世田谷は、操業当初の処理単価に戻っている〜
◆清掃工場別処理単価の推移(平成17年度〜平成23年度)


平成23年度、驚異的処理単価、できたスラグ27,823.98トンは超高価な埋立材として新海面に、一部は土木資材として有効利用?!
◆灰溶融施設別処理単価の推移(平成17年度〜平成23年度)


◆清掃工場の処理経費内訳推移(平成17年度〜平成23年度)


◆清掃工場経費の合計推移(単位:千円)


薬剤は苛性ソーダも消石灰もかなり使用量が減少していたが、
廃プラスチック焼却以来増え続けた薬剤費もこれで落ち着くのか〜
◆清掃工場別薬剤購入費推移(平成17年度〜平成23年度)


清掃一組、処理単価公表は清掃工場と灰溶融施設のみ。他に、破砕ごみ処理施設や不燃ごみ、京浜島など含めるとさらに膨大な補修費になる。平成23年度も、定期点検補修工事等の随意契約公表分だけでも100億円を突破している。
◆清掃工場別定期点検補修・整備工事費推移(平成17年度〜平成23年度)


23区の実績では、焼却量に対して飛灰が2%、主灰は金属類などの溶融不適物を除いて6%としている。放射能以前の問題として、「溶融処理技術検討委員会(平成21年)」で主灰単独溶融の方向性をだしてはいたが、今になって考えると、あの検討委員会はなんだったのか〜
◆ごみ焼却量・灰溶融量の推移


そもそも7つの灰溶融施設の処理能力合計は1,150トン/日、
23区の清掃工場と灰溶融施設、全量焼却、全量灰溶融処理のため過剰といえるほど施設は整備されたが、溶融処理に関しては確実に破綻したといえる〜
◆溶融施設別 灰溶融量の推移


【灰溶融の処理形式】
板橋:平14.11竣工 住友重工電気式交流アーク式 (180トン/日)
多摩川:平15.6竣工 クボタ燃料式表面溶融式(回転型)(30トン/日)
足立:平17.3竣工 荏原電気式プラズマ式・トーチ(130トン/日)
品川:平18.3竣工 日立造船燃料式表面溶融式(固定型)(180トン/日)
葛飾:平18.12竣工 タクマ電気式プラズマ式・黒鉛電極(110トン/日)
中防灰溶融:平18.12竣工 三菱重工電気式プラズマ式・黒鉛電極(400トン/日)
世田谷:平20.3竣工 カワサキ電気式プラズマ式・トーチ(120トン/日)

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清掃工場別の処理単価(平成23年度決算)
注釈↓↓
◎清掃工場別の経費の算出について
【人件費】
平成23年度の組織別の給与支給実績等により計上しています(退職手当及び社会保険料本人負担分は除く)。
同一組織において複数の施設を所管している場合は、係別の配分定数等を参考に按分しています(職員数も同様に按分)。
【物件費】
ごみ焼却作業について、平成23年度の各清掃工場における執行実績により計上しています。
同一清掃工場において複数の施設を併設している場合、共有部分など、経費を正確に算出することが困難なため、按分計算などにより算出しているものがあります。
例えば、電気料金については、支出額を焼却施設と灰溶融施設の消費電力量で按分しています。
残灰等埋立処分委託の経費には、排水処理経費(固定費)分を埋立処分量に応じて按分した上で合算しています。
指定廃棄物の保管に係る経費(140,572千円)については、工場別処理単価の計算から除いています。
【溶融量】
灰溶融の溶融量は、灰溶融炉に投入した灰及び塩基度調整剤の量です。
【その他】
有明工場には、管路収集作業の経費が含まれています。
練馬工場は、建替工事中です。
表内の各計数は、それぞれを四捨五入により算出しているため、合計額が一致しない場合があります。
灰溶融施設については、東日本大震災後の電力需給逼迫対策として、溶融炉の停止や1炉稼働などを行ったため、処理量が前年度に比べて著しく減少しています。
◎本表に含まれていない経費
1 減価償却費(建物や工作物について、耐用年数に応じて価値が減少したと認められる費用)
按分計算などにより算出しているものがあります。2 組合債償還利子(工場建設などのために借入れた組合債の利子)
例えば、電気料金については、支出額を焼却施設と灰溶融施設の消費電力量で按分しています。3 本庁管理経費(組合の本庁組織の管理運営経費)
残灰等埋立処分委託の経費には、排水処理経費(固定費)分を埋立処分量に応じて按分した上で合算しています。4 施設整備費(工場の建設やプラント更新などに要する経費)
指定廃棄物の保管に係る経費(140,572千円)については、工場別処理単価の計算から除いています。5 歳入(エネルギー売払収入、合築施設からの光熱水費分担収入など)
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参考
ごみは減れども処理原価は高値安定気味から、上昇傾向ではあったが、平成21年度のトンあたり6万円台突破から、平成22年度は56,975円/トンに下がってきた〜
◆ごみ処理量とごみ処理原価の推移

※ごみ処理原価は収集・運搬・処理・処分にかかる経費
※「23区清掃とリサイクル」「ごみれぽ」等より作成

◆ごみ処理量と1人1日あたりのごみ排出量

※一人が一日にだすごみの量:ごみ排出量を人口で割ったもの。ごみ排出量は事業系ごみを含む。人口は住民基本台帳(外国人登録を含む)
※「23区清掃とリサイクル」「ごみれぽ」等より作成

「故障」時間のカウントは、純粋な(?)機器の故障やトラブルのみ。水銀による焼却炉停止などは、「調整」の時間に含まれる。その「調整」のうち、いわゆる待ち状態の「調整」はどの程度か?!
◆清掃工場 稼働状況(率)(平成23年度)

炉稼働率
暦日数(%)=(炉稼働時間/(暦日数×24×炉数))×100
計画稼働日数(%)=(炉稼働時間/(計画稼働日数×24×炉数))×100
計画稼働日数=暦日数−工事日数−年末年始停止(4日)−故障見込み
   工事日数=定期点検補修工事日数+整備工事日数+中間点検日数
   故障見込み=(暦日数-工事日数−年末年始停止)×3%
※杉並、港の1炉の予備炉は、稼働率の計算に休止時間を含まない
※東京二十三区清掃一部事務組合「清掃工場等作業年報」より作成

◆灰溶融施設 稼働状況・休炉時間内訳(平成23年度)

※東京二十三区清掃一部事務組合「清掃工場等作業年報」より作成

関連(本ブログより)
■23区 「清掃工場等作業年報(平成23年度) 」の公表。稼働実績、故障件数、電力使用量など〜(2012年10月21日)
■東京23区「清掃工場故障週報」平成23年度 (工場別) ←故障の内容
■23区清掃工場「契約関係」(随意契約公表分) 平成23年度 


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