■ 放射性物質を誤廃棄=機器に300万ベクレル−JSR子会社
時事通信 2013/09/20
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013092000828
原子力規制庁は20日、東証1部上場の化学メーカーJSRの子会社で医療素材を扱うJSRライフサイエンス(茨城県つくば市)が、放射性物質のアメリシウム241(半減期432年)を300万ベクレル含む機器1台を誤って廃棄したと発表した。
規制庁によると、同社は3月12日、製品の品質を確認する分析機器を産業廃棄物として収集業者に引き渡した。機器にはアメリシウム241が含まれていたが、同社は産廃として処理できないことを把握していなかった。8月中旬ごろ誤廃棄に気付き、今月19日に規制庁に報告した。
アメリシウム241はアルファ線を出す放射性物質。透過力が弱く外部被ばくを防ぐのは比較的容易とされるが、体内に取り込んだ場合は内部被ばくの影響が大きくなる。
規制庁は、廃棄されたアメリシウム241について「産廃施設でリサイクルされ、濃度は薄まっている可能性が高い」とみている。同社を厳重注意し、アメリシウムの行方を調査するよう指示した。
親会社のJSRは「事態を重く受け止め、調査および原因究明、再発防止に努めていく」とコメントした。(2013/09/20-20:02)
■放射性物質:ゴミと一緒にポイ! 茨城・つくばの会社、規制庁が厳重注意
毎日新聞-2013/09/21
http://mainichi.jp/feature/news/20130921ddm041040050000c.html
...規制庁によると、誤廃棄されたアメリシウムは直径2・5センチ、厚さ1ミリのコイン状。同社は3月、このアメリシウムが付いた微粒子測定用の機器を廃棄した。捨てた当時は金属塗膜に覆われ、密閉された状態だった。8月になって、機器の販売会社から産業廃棄物として処分できないと説明されたという。
機器はシュレッダー処理され、処分業者によってリサイクルされている。 ...
JSR株式会
■JSRライフサイエンス株式会社における放射性同位元素使用機器の誤廃棄について
アメリシウム241(半減期432年)を300万ベクレル誤廃棄
誤廃棄されたアメリシウムは直径2・5センチ、厚さ1ミリのコイン状
あまりにもずさんというか、、、
参考 (原子力資料情報室の放射能ミニ知識より)
アメリシウム-241(241Am)
半減期 433年
崩壊方式
アルファ線を放出して、ネプツニウム-237(237Np、212万年)となる。ガンマ線が放出される。
存在と生成
人工的につくられる放射能。プルトニウム-239(239Pu、2.41万年)の二重中性子捕獲によって生成するプルトニウム-241(241Pu、14.4年)がベータ崩壊して生じる。
核兵器が爆発した時の生成量は、爆弾の種類によって変わり、核兵器実験による大気中への放出量もよくわかっていない。
電気出力100万kWの軽水炉を2年間運転後の使用済核燃料1tには5g(放射能強度、0.65兆ベクレル)が含まれる。原子炉から取り出した後の時間の経過とともに量が増し、10年後に40g(放射能強度、5.2兆ベクレル)、100年後には93g(放射能強度、12兆ベクレル)となる。
化学的、生物学的性質
金属は空気中で表面が酸化されやすく、塩酸にたやすく溶ける。3価の化合物が重要で、酸化物は3酸化2アメリシウム(Am2O3)が安定で、溶液中では3価イオンとなる。
生体への影響
アルファ線による内部被曝が大きい。10,000ベクレルの不溶性酸化物を吸入した時の実効線量は270ミリシーベルト、経口摂取した時は2.0ミリシーベルトになる。
ガンマ線による被曝もある。1mの距離に100万ベクレルの線源があると、1日に0.009ミリシーベルトの外部被曝を受ける。
核燃料中のアメリシウム-241
プルトニウムを核燃料として用いる時に、アメリシウム-241は邪魔者である。プルトニウム-241は遅い中性子の照射で核分裂するが、アメリシウム-241は中性子を捕獲しやすい。核分裂の起こる比率は低く、核分裂は起こらないとしてよい。中性子を無駄食いする核燃料中の「毒物」である。
アメリシウム-241を含む燃料はグローブボックスの中で取り扱いにくい。指先で線量が1時間に1ミリシーベルトに達することも考えられ、手で取り扱うことはできない。
再処理によって分離したプルトニウムは、アメリシウム-241の量が増加しない間に、なるべく早く核燃料として用いねばならない。
アメリシウム-241を含む煙感知器
アメリシウム-241から放出されるアルファ線を利用する煙感知器がある。日本では、1個あたりの放射能量を100,000ベクレル以下とし、家庭用には販売されなかった。放射能を含む装置のふつうの場所への設置はよいことではなく、日本では使用されなくなっている。
再処理工場からの放出
六ヶ所村で1年間に処理する予定の800tの使用済核燃料の中に20?(放射能強度、2,600兆ベクレル、2.6×1015Bq)のアメリシウム-241があり、排水中に1.4億ベクレル(1.4×108Bq)が入るとされている。運転開始後の実際の排出量に注目したい。
放射能の測定
化学的に分離した測定試料から放出されるアルファ線をシリコン半導体検出器で測定するのがふつうの方法である。体内にある量を知るには、全身カウンターでガンマ線を測定するか、排泄物中の放射能を測るバイオアッセイを用いる。
時事通信 2013/09/20
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013092000828
原子力規制庁は20日、東証1部上場の化学メーカーJSRの子会社で医療素材を扱うJSRライフサイエンス(茨城県つくば市)が、放射性物質のアメリシウム241(半減期432年)を300万ベクレル含む機器1台を誤って廃棄したと発表した。
規制庁によると、同社は3月12日、製品の品質を確認する分析機器を産業廃棄物として収集業者に引き渡した。機器にはアメリシウム241が含まれていたが、同社は産廃として処理できないことを把握していなかった。8月中旬ごろ誤廃棄に気付き、今月19日に規制庁に報告した。
アメリシウム241はアルファ線を出す放射性物質。透過力が弱く外部被ばくを防ぐのは比較的容易とされるが、体内に取り込んだ場合は内部被ばくの影響が大きくなる。
規制庁は、廃棄されたアメリシウム241について「産廃施設でリサイクルされ、濃度は薄まっている可能性が高い」とみている。同社を厳重注意し、アメリシウムの行方を調査するよう指示した。
親会社のJSRは「事態を重く受け止め、調査および原因究明、再発防止に努めていく」とコメントした。(2013/09/20-20:02)
■放射性物質:ゴミと一緒にポイ! 茨城・つくばの会社、規制庁が厳重注意
毎日新聞-2013/09/21
http://mainichi.jp/feature/news/20130921ddm041040050000c.html
...規制庁によると、誤廃棄されたアメリシウムは直径2・5センチ、厚さ1ミリのコイン状。同社は3月、このアメリシウムが付いた微粒子測定用の機器を廃棄した。捨てた当時は金属塗膜に覆われ、密閉された状態だった。8月になって、機器の販売会社から産業廃棄物として処分できないと説明されたという。
機器はシュレッダー処理され、処分業者によってリサイクルされている。 ...
JSR株式会
■JSRライフサイエンス株式会社における放射性同位元素使用機器の誤廃棄について
アメリシウム241(半減期432年)を300万ベクレル誤廃棄
誤廃棄されたアメリシウムは直径2・5センチ、厚さ1ミリのコイン状
あまりにもずさんというか、、、
参考 (原子力資料情報室の放射能ミニ知識より)
アメリシウム-241(241Am)
半減期 433年
崩壊方式
アルファ線を放出して、ネプツニウム-237(237Np、212万年)となる。ガンマ線が放出される。
存在と生成
人工的につくられる放射能。プルトニウム-239(239Pu、2.41万年)の二重中性子捕獲によって生成するプルトニウム-241(241Pu、14.4年)がベータ崩壊して生じる。
核兵器が爆発した時の生成量は、爆弾の種類によって変わり、核兵器実験による大気中への放出量もよくわかっていない。
電気出力100万kWの軽水炉を2年間運転後の使用済核燃料1tには5g(放射能強度、0.65兆ベクレル)が含まれる。原子炉から取り出した後の時間の経過とともに量が増し、10年後に40g(放射能強度、5.2兆ベクレル)、100年後には93g(放射能強度、12兆ベクレル)となる。
化学的、生物学的性質
金属は空気中で表面が酸化されやすく、塩酸にたやすく溶ける。3価の化合物が重要で、酸化物は3酸化2アメリシウム(Am2O3)が安定で、溶液中では3価イオンとなる。
生体への影響
アルファ線による内部被曝が大きい。10,000ベクレルの不溶性酸化物を吸入した時の実効線量は270ミリシーベルト、経口摂取した時は2.0ミリシーベルトになる。
ガンマ線による被曝もある。1mの距離に100万ベクレルの線源があると、1日に0.009ミリシーベルトの外部被曝を受ける。
核燃料中のアメリシウム-241
プルトニウムを核燃料として用いる時に、アメリシウム-241は邪魔者である。プルトニウム-241は遅い中性子の照射で核分裂するが、アメリシウム-241は中性子を捕獲しやすい。核分裂の起こる比率は低く、核分裂は起こらないとしてよい。中性子を無駄食いする核燃料中の「毒物」である。
アメリシウム-241を含む燃料はグローブボックスの中で取り扱いにくい。指先で線量が1時間に1ミリシーベルトに達することも考えられ、手で取り扱うことはできない。
再処理によって分離したプルトニウムは、アメリシウム-241の量が増加しない間に、なるべく早く核燃料として用いねばならない。
アメリシウム-241を含む煙感知器
アメリシウム-241から放出されるアルファ線を利用する煙感知器がある。日本では、1個あたりの放射能量を100,000ベクレル以下とし、家庭用には販売されなかった。放射能を含む装置のふつうの場所への設置はよいことではなく、日本では使用されなくなっている。
再処理工場からの放出
六ヶ所村で1年間に処理する予定の800tの使用済核燃料の中に20?(放射能強度、2,600兆ベクレル、2.6×1015Bq)のアメリシウム-241があり、排水中に1.4億ベクレル(1.4×108Bq)が入るとされている。運転開始後の実際の排出量に注目したい。
放射能の測定
化学的に分離した測定試料から放出されるアルファ線をシリコン半導体検出器で測定するのがふつうの方法である。体内にある量を知るには、全身カウンターでガンマ線を測定するか、排泄物中の放射能を測るバイオアッセイを用いる。