注)
1.都道府県及び政令市が把握した産業廃棄物の不法投棄事案のうち、1件あたりの投棄量が10t以上の事案(ただし、特別管理産業廃棄物を含む事案は全事案)を集計対象とした。
2.白抜き部分については、次のとおり。
平成15年度:大規模事案として報告された岐阜市事案
平成16年度:大規模事案として報告された沼津市事案
平成18年度:平成10年度に判明していた千葉市事案
平成20年度:平成18年度に判明していた桑名市多度町事案
平成22年度:平成21年度に判明していた滋賀県日野町事案
平成27年度:大規模事案として報告された滋賀県甲賀市事案、山口県宇部市事案及び岩手県久慈市事案
平成30年度:大規模事案として報告された奈良県天理市事案、平成28年度に判明していた横須賀市事案、
平成29年度に判明していた千葉県芝山町事案(2件)
3.硫酸ピッチは本調査の対象から除外している。
4.フェロシルト事案は本調査の対象から除外している。
なお、フェロシルトは埋立用資材として、平成13年8月から約72万tが販売・使用されたが、その後、製造・販売業者が有害な廃液を混入させていたことがわかり、不法投棄事案であったことが判明したが、既に、不法投棄が確認された1府3県の45か所において、撤去・最終処分が完了している。
※量については、四捨五入で計算して表記していることから合計値が合わない場合がある。
平成30年度は不法投棄件数が155件、不法投棄量は15.7万トン
新たに判明した不適正処理も、148件、5.2万トン
平成30年度末における残存事案は残存件数2,656件、残存量1,561.4万トンで前年度よりも増えている。
不法投棄の処理よりも、、新たな不法投棄がそれを上回っているのか、、
環境省 令和元年12月24日 産業廃棄物の不法投棄等の状況(平成30年度)について
環境省では、毎年度、全国の都道府県及び政令市(以下「都道府県等」といいます。)の協力を得て、産業廃棄物の不法投棄及び不適正処理(以下「不法投棄等」といいます。)事案について、産業廃棄物の不法投棄等対策に係る政策形成のための基礎資料とすること等を目的として、新たに判明した不法投棄等事案の状況及び年度末時点の不法投棄等事案の残存量等を調査し、公表しています。
今般、平成30年度に係る調査結果を取りまとめましたので、お知らせします。
なお、これらの調査と併せて、全ての残存事案に係る生活環境保全上の支障又はそのおそれ(以下「支障等」といいます。)、個々の残存事案ごとの平成30年度末時点の支障等の状況や都道府県等の今後の対応方針に関する調査についても取りまとめておりますので、併せてお知らせします。
調査結果の概要(1)平成30年度に新たに判明した不法投棄事案
・不法投棄件数 155件 (前年度163件) [-8件] ・不法投棄量 15.7万トン (前年度3.6万トン) [+12.1万トン](2)平成30年度に新たに判明した不適正処理事案
・不適正処理件数 148件 (前年度161件) [-13件] ・不適正処理量 5.2万トン (前年度6.0万トン) [-0.7万トン](3)平成30年度末における残存事案
・残存件数 2,656件 (前年度2,630件) [+26件] ・残存量 1,561.4万トン (前年度1,559.4万トン) [+2.1万トン]量については、四捨五入で計算して表記していることから合計値が合わないことがあります。
不法投棄等の状況不法投棄の新規判明件数は、ピーク時の平成10年代前半に比べて、大幅に減少しており、一定の成果が見られます。一方で、平成30年度でいまだに年間155件、総量15.7万トン(5,000トン以上の大規模事案4件、計13.1万トン含む。)もの悪質な不法投棄が新規に発覚し、跡を絶たない状況にあります。
不適正処理についても、平成30年度で年間148件、総量5.2万トン(5,000トン以上の大規模事案2件、計1.3万トン含む。)が新規に発覚しており、いまだ撲滅するには至っていません。
また、平成30年度末における不法投棄等の残存事案は2,656件報告されました。残存事案に対する都道府県等の対応としては、現に支障が生じている13件については、支障除去措置を実施又は実施予定であり、現に支障のおそれがある90件については、支障等の状況により、支障のおそれの防止措置、周辺環境モニタリング、状況確認のための立入検査等を実施又は実施予定であり、できる限り早期にこれらの措置を実施することが必要です。
支障等調査中と報告された16件については、早急に支障等の状況を明確にした上で対応し、現時点では支障等がないと報告された2,537件についても、必要に応じて、定期的・継続的な状況確認を行い、支障等の状況に変化が生じた場合には速やかに対応ができるようにしておくことが必要です。
なお、支障の除去等が完了した事案については、残存事案から除外されることになりますが、廃棄物の全量撤去以外の措置が実施された事案については、その後の土地利用において土地の形質の変更(廃棄物搬出含む。)等がなされた場合には新たなリスクが発生し得ることから、廃棄物処理法に基づく指定区域に指定する等、別途関係者間で情報共有及び管理を行っていくことが重要です。
不法投棄等の未然防止・拡大防止の取組残存事案については、都道府県・政令市別及び市町村別並びに支障等の状況別にリスト化して、公表資料の中のデータの1つとして公表しております。関係者間で情報共有を図り、的確に対応していけるようにしていくことが必要です。
環境省では、不法投棄等の防止を図るため、引き続き都道府県等と連携した監視活動の強化や関係法令等に精通した専門家の派遣により都道府県等へ助言等を行う支援等に取り組みます。また、国と都道府県等が緊密に連携し、大規模事案を中心に新規に判明される事案を減少させることができるよう、早期発見による未然防止及び早期対応による拡大防止の取組を一層推進します。
都道府県等が実施する不法投棄等の支障除去等への支援都道府県等が実施する支障の除去等の措置については、財政支援制度を設けています。
平成10年6月16日以前に行われた不法投棄等については、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(産廃特措法)に基づき、環境大臣が支障の除去等の実施計画に同意した18事案(6事案については支障除去等事業完了)を対象として、国からの補助等により都道府県等の行政代執行費用を支援しています。
一方、平成10年6月17日以降に行われた不法投棄等については、国の補助に加えて、社会貢献の観点から産業界からの協力も得て造成した廃棄物処理法に基づく産業廃棄物適正処理推進基金により、都道府県等の行政代執行費用を支援しており、平成30年度末までに87事案に対して支援を行いました。
添付資料 産業廃棄物の不法投棄等の状況(平成30年度)について [PDF 3.3 MB]