中間貯蔵・環境安全事業株式会ホームページで、「環境報告書2018」が公表されている~
環境報告書なので、,,当然、PCB廃棄物処理の環境保全面、資源の再利用、PRTR法に基づく届出、環境モニタリング、CO2排出、事業のアウトプット、インプットと、さまざまな環境データがびっしり報告されている。ただし、中間貯蔵に関しては、まだ処理実績の掲載はなく、おおまかな事業内容などがでている。
「環境報告書 2018」を発行しました

PCB処理に関しては、PCB廃棄物処理事業検討委員会で処理実績など報告されているので、日頃目にしないPCB処理事業の売り上げ、収支、資産など財政面を拾ってグラフにしてみた。
財政面からみるPCB廃棄物処理事業
●JESCO営業成績及び財産の状況(環境報告書から)
大きな金額に縁がないので、,,単位を百万円にされると、一瞬考えてしまうのだが、、、
2017年度(平成29年度)でみると
売上高は約757億円、←PCB処理料金収入かな?
当期純利益は約155億円、←2011年度からは当期純利益がでているが、トータルでみると2017年度からやっと黒字に転じるのかな?
総資産は約1,116億円ということになるのか?←これはPCBだけ?
財政面にうというので、これをどう見ればいいのかはわからないが、、JESCOの場合、当期でどんなに利益が出ていようが、元々の事業そのものを税金でおこなっているので、、処理が順調に進み、当期純利益が赤字でなくなっただけでもよしとするのか、、、
環境報告書では、売上高、当期純損失、総資産総資産のみがでている。
JESCOホームページの決算情報「事業計画」の建設費・処理事業費をみると~
■決算情報「事業計画」
事業計画の「建設費」と、環境報告書の「設備投資」の金額の違いはよくわからないが~、
●JESCO設備投資額の推移(環境報告書より)
●JESCO5事業所の主なプラント建設費用(JESCO入札契約情報より)
それはそうと、、、
PCB特別措置法で処理期限が大幅延長となって、、、
PCB廃棄物処理基金の拠出割り当てがどうなるのか気になる~、、
当初は、平成12年度、中小企業者が保管しているPCB廃棄物に係る処理コストを概ね1.160億円と見積もった上で、中小企業者の自己負担額を600億円、残り560億円を国及び地方公共団体で平成26年度末までに案分して見込額を出していたが、、、
■PCB廃棄物処理基金のしくみ(環境再生保全機構HPより)
PCB廃棄物処理基金は、国、都道府県からの補助金と産業界等民間からの出えん金で造成されています。この基金は、環境 大臣が指定した処理事業者に対し、中小企業者等が保管するPCB廃棄物の処理費用の軽減及びPCB廃棄物処理の研究・研修等の促進を目的として助成を行い ます。

●ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金の状況(平成30年3月31日現在)(PDF、80KB)
環境再生保全機構HPに拠出金の内訳↑↑など詳しくでていたのでグラフにした~
ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金の状況(平成30年3月31日現在)
①補助金(国): 27,400,000,000円
②補助金(都道府県):26,678,632,000円
③民間出えん金: 674,300,000円
④運用収入: 1,804,269,384円
⑤助成事業: △18,802,933,479円
⑥消費税・戻り分: 28,673,934円
PCB基金残金: 37,782,941,839円 ←残金約378億円もあるのだ!!
①+②+③+④+⑤+⑥)
●PCB廃棄物処理基金の拠出状況
残金が多くなって、、、民主政権の頃、事業仕分けでも話題に出ていたような
さすが、近年は拠出額は少なくなって、、、しかし、安定器や汚染物の処理が進めば助成額も増えるのだろうか?
平成28年の民間出えん金(代執行支援事業)は、、おそらくPCB製造事業者からかな?(未確認)
環境省の「高濃度 PCB 廃棄物の行政代執行に対する支援のあり方検討会報告書」及び、、、
「高濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物に係る行政代執行に対する支援について(依頼)」として
ポリ塩化ビフェニル製造者及びポリ塩化ビフェニルが使用されている製品の製造者に対し、これらの関係事業者にはポリ塩化ビフェニル廃棄物の処分に関する法的責任はないことに留意しつつ、難分解性である等の性質を持ち、高額な処理費用を要するポリ塩化ビフェニル及びポリ塩化ビフェニル含有製品を製造した者としての社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)に鑑み、社会貢献として応分の協力を広く求めることが適当であるとされました。
ついては、高濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理期限内の確実な処理に係る自治体支援の必要性について御理解いただいた上で、貴社/貴団体におかれては、別添を踏まえ、新たに造成する基金への出えんについてご協力を賜りますよう、お願いいたします。
●PCB廃棄物処理基金 拠出状況
民間出えん金(復興事業)の4億8千万円は(財)電気絶縁物処理協会(現在は解散して存在しない)、80万円は㈱サンリブ (福岡県に存在するスーパーマーケット)
民間出えん金(代執行支援事業)は、、おそらくPCB製造事業者からかな?(未確認)
●PCB廃棄物処理基金の助成状況
●PCB廃棄物処理基金の財政状況
PCB処理基金残高 消費税・戻り分含む
PCB廃棄物の保管事業者が負担する無害化処理(中小企業者等の助成はあれど)
--PCB製造者責任は不問で--
多額の税金を使っての処理、そのPCB廃棄物の処理進捗状況は~