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東京都「平成29年度包括外部監査報告書」、都は、埋立処分場の料金制度の見直しや受入制限なども、、厳しい意見を、、、

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東京都「平成29年度包括外部監査報告書」が2月14日に公表されている。
東京都のHP、先月リニューアルとなり、みづらくなって見落としていた~


平成29年度の外部監査のテーマは「環境局の事業に関する事務の執行及び監理団体の経営管理について」で、環境局と公益財団法人東京都環境公社が対象となっている。「平成23年度包括外部監査報告書」も、同じく環境局と公益財団法人東京都環境公社が対象だったので、6年ぶりとなるのか、、、

平成29年度包括外部監査報告書」 廃棄物絡みは↓↓
4.3R・適正処理の促進と「持続可能な資源利用」の推進に関する施策について
(1)廃棄物と資源循環について .................................. 190頁
(2)食品ロス問題について ...................................... 203頁
(3)最終処分場の延命化について  ................................ 211頁

とりあえず、190頁~218頁 まで読んでみたが、、、
しっかり監査されているというかんじ、なかなか厳しい意見ばかりで読み応えがある~


廃棄物処理計画改定前の廃棄物審議会も何度か傍聴し、パブコメ意見なども提出したのだが、、、できあがった「東京都資源循環・廃棄物処理計画」では、さまざまな取り組みがあげられ、一般廃棄物に関しても、再生利用率や最終処分量などの数値目標も設定された~

監査は、「東京都資源循環・廃棄物処理計画」の、例えば、【一般廃棄物の再生利用率の目標数値】 平成32年度 27 % 、平成42年度 37 % についても、多摩地域と23区の現状をしっかり分析した上で、ほんとうに目標を達成できるのかと疑問視しているようにみえる。具体的に、「多摩地区が、我が国のトップクラスの水準である再生利用率50%を達成すると仮定した場合でも、区部に求められる再生利用率は以下の計算結果のとおりであり、13年後には再生利用率を約1.8倍に引き上げなければならないこととなる。」とか、あれこれシミュレーションもしている。監査人のリサイクル率の考え方に少し違いもあるようにもおもえるが、、、<平成27年度の再生利用率 実績は東京都全体で22.4%、23区のみでは17.1%>

また、廃棄物処理計画における六つの主要施策についても触れていて、「食品ロス問題への取組について」は意見も示されている。

そして、最終処分場の延命化について、、
【最終処分量の目標数値(一般廃棄物・産業廃棄物計)】平成32年度は平成24年度比14%削減、平成42年度は平成24年度比25%削減
一般廃棄物の最終処分量については、東京二十三区清掃一部事務組合が「循環型社会形成推進地域計画目標達成状況報告書」に記載している最終処分量の計画は、平成18年度~平成22年度も平成23年度~平成27年度も、いずれの計画期間も最終処分量の計画目標を達成できていなかったと、、、現行の共同処理体制のなかでは、東京二十三区清掃一部事務組合の計画の実現可能性が、最終処分場の残余年数に大きな影響を及ぼすとみている。

また、「現行の廃棄物処理制度の中では、強制権限を持たない都の立場から最終処分量の受入れに当たり強制的な手段を講じることができない。また、現在の最終処分場が満杯となった場合に将来区民にどのような負担を強いることになるのかという点について、特別区において十分な情報が提供されていない。」「都は、最終処分場の管理者の立場から、処分場の延命化を図るとともに、特別区が最終処分量削減の議論を加速させる契機となるよう、現行の料金制度の見直しや最終処分場の受入制限を設けるなど、一定のインセンティブについて検討されたい。」として、「最終処分場の延命化について」としての意見をまとめている。(意見全文は下記に抜粋して貼り付けた。)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

23区は、平成20年度からの廃プラサーマル本格実施以降、埋立処分量が激減したことから、東京都は、それまでの埋立処分委託費の従量制では採算がとれなくなったということで、「平成23年の以降の最終処分場、埋立処分委託費の改定」を従量費(埋立作業経費)+固定費(排水処理経費)とすることしたのだが、、それらを踏まえて上で、前回の「平成23年度包括外部監査報告」では、「特別区及び東京二十三区一部事務組合に対する最終処分委託料について」と厳しい意見が出されていた。そして、、今回の、「平成29年度包括外部監査報告」でも「最終処分場の延命化について」とさらに厳しい意見が出されている~

「監査報告」の意見、もっともなことだと思う~
日本の廃棄物政策、処分場の逼迫でごみ減量施策をあれこれ探れど、やはり究極は焼却至上主義は健在で、挙げ句の果ては、その焼却灰をどうするか、、、ということになってしまう。一頃の焼却灰の溶融処理政策はもはや破綻して、今や、焼却灰のセメント原料化がそれに成り代わってしまったが~

最終処分場の延命は極めて重要なことだとはおもう。もはやここまで来ると、料金体系の見直しのみならず、目標を決めて、それに達しない場合はペナルティーを課すくらいしないと、本気で削減ができないのかもしれない。焼却ごみの「負担の公平」も、結局は当面の間とはいえ、金銭解決となったが、お金が絡むと、けっこう物事シビアいいのかもしれない。多摩地域の二ツ塚処分場も「搬入量の管理計画を設定し、搬入配分量に基づく負担金制度(超過金・貢献禁制度含む)」があるようだし、大阪湾フェニックスもかなり厳格な受入規制があるようにみえるが、量的なものは??? 東京都と23区の場合は、これまでの経緯があるので、よく言えば信頼関係、またはなあなあ~、、

しかし、それ以前にやるべきことはまだまだたくさんある、、、
先ずは、焼却灰の資源化をいう前に、ごみの焼却量全体を減らすべきである。そうすれば自ずと焼却灰は減ってくる。
23区は、まだまだ容器包装プラスチックの資源化を実施していない区もたくさんある。そして、23区の事業系の持込ごみ、「書類」「古新聞」「古雑誌」「シュレッダーくず」「コーティング紙」なども堂々の受入品目(持込承認廃棄物)となっている。せめて、資源化可能な紙類の清掃工場での受入規制をすべきである。(「東京都資源循環・廃棄物処理計画」では、区市町村と連携した事業系廃棄物のリサイクル(3R)のルールづくり) そして、焼却施設への搬入手数料が15.5円/kgと安価なため、資源化よりも焼却にながれてしまう。もはや、埋立ごみは激減しつつあるので、焼却ごみを減らすことでの焼却灰=埋立量の削減を目指すべき。少しでもゼロ・ウエイストの理論に近づけて、、究極は、ごみの元を絶つことであろう、、、

 

東京都 総務局 2018年02月14日
平成29年度包括外部監査報告書について

本日、包括外部監査人から「平成29年度包括外部監査報告書」が提出されましたのでお知らせします。

1 包括外部監査人

久保直生(くぼなおき):公認会計士

2 監査のテーマ

環境局の事業に関する事務の執行及び監理団体の経営管理について

対象局
環境局 対象団体
公益財団法人東京都環境公社 3 指摘・意見の件数 区分指摘意見合計 環境局の事業に関する事務の執行及び監理団体の経営管理について 9 49 58 4 監査結果の報告 別添 平成29年度包括外部監査報告書(PDF:4,990KB) 別添 平成29年度包括外部監査報告書(指摘・意見一覧)(PDF:829KB)

 

平成29年度包括外部監査報告書

4.3R・適正処理の促進と「持続可能な資源利用」の推進に関する施策について
(1)廃棄物と資源循環について .................................. 190
(2)食品ロス問題について ...................................... 203
(3)最終処分場の延命化について ................................ 211

(意見1-29)食品ロス問題への取組について (210頁から抜粋)
 現在、食品ロスに対する取組は世界規模で行われている。そのような中、都では2020年に向けた実行プランにおいて平成42年度までに食品ロス半減を達成するという目標を掲げており、そのための施策として、平成32年度までに「食品ロス削減・東京方式」を確立することとしている。
 そこで、平成28年度においては、防災備蓄食品のリサイクルを進めることで食品ロス削減に資するモデル事業の実施等を行っているが、当面の人口増による更なる食品ロスの増加及び意見 1-30(最終処分場の延命化について)で述べている廃棄物の埋立処分場の問題に鑑みると、食品ロス、ひいては食品廃棄物の削減への取組はさらに推進していくことが必要である。
 都としての実施が有効であると考えられる取組は、広域での食品ロス削減啓発活動、食品ロス削減取組事例の紹介及びモデル的事業の実施、東京都管理施設での食品ロス削減(備蓄品の利活用など)及び未利用食品提供側と需要側(フードバンク、子ども食堂など)とのマッチング等が考えられる。
 このような取組は、すぐに採用可能なものばかりではない。しかしながら、民間においても食品ロス削減のための取組は進んでいる状況であり、先進国の大都市・東京として、都が先駆的に実施していくことは社会的にも望まれるところである。そのため都においては、他の自治体の見本となるよう、より積極的な取組の採用を検討されたい。

(意見1-30)最終処分場の延命化について (218頁から抜粋)
  特別区が排出する一般廃棄物の焼却残渣等を埋め立てている新海面処分場は、東京二十三区清掃一部事務組合の最終処分量が計画どおりに進捗するならば、平成42年度末時点での残余年数は約60年と試算されるが、新海面処分場の残余年数は、特別区のごみ減量の取組や東京二十三区清掃一部事務組合の計画達成度合いの影響を受ける。
  これまでの東京二十三区清掃一部事務組合の最終処分量にかかる実績推移を見ると、当初予定していた計画数量の削減は達成できておらず、前回の計画策定時よりも残余年数が約7年短縮された結果となっている。このような状況が今後繰り返し発生すると、さらに残余年数は短縮されることが予想される。
  一般廃棄物処理の法制度上、最終処分の責任は特別区にあるが、各区はいまだ現行の最終処分方法に代わる方法を結論付けていないと思われ、結論付けるためには相当の年月が必要であると思われること、東京二十三区清掃一部事務組合の計画量を上回る受入による残余年数の短縮は将来区民への問題の先送りであることなどを考慮すると、特別区が、それぞれ将来的に取り得る選択肢や現在の議論の進捗状況、さらには将来起こり得る経済的負担にかかる情報など、区民にとって有用な情報を広く積極的に提供することが必要である。
  都は、最終処分場の管理者の立場から、処分場の延命化を図るとともに、特別区が最終処分量削減の議論を加速させる契機となるよう、現行の料金制度の見直しや最終処分場の受入制限を設けるなど、一定のインセンティブについて検討されたい。

 

 

関連(本ブログ)
東京都の一般廃棄物2014年度リサイクル率は22.8%、2020年度27%の目標達成には~2016年04月04日
東京都 新たな「東京都資源循環・廃棄物処理計画~Sustainable Design TOKYO~」の策定について2016年03月31日
東京都廃棄物審議会の答申について(新たな東京都廃棄物処理計画の改定へ)2016年01月27日
(再)東京都環境局 東京都廃棄物処理計画の改定について(中間のまとめ)について ご意見をお寄せください2015年12月24日
東京都「平成23年度包括外部監査報告書」最終処分委託料についての意見など抜粋~2012年02月21日


多摩地域と23区の廃棄物施策の違い(少し古いが~)
東京都の一般廃棄物2014年度リサイクル率は22.8%、2020年度27%の目標達成には~2016年04月04日


監査報告では、23区では、「ごみ減量化を推進する上で有効な手段の一つであると考えられるごみの有料化は、事業系一般廃棄物にとどまり、家庭ごみの有料化は一日に10kg以上を超える場合や粗大ごみ等の一部有料を除き、無料である。」との指摘も、、、


家庭系の一般ごみは、25市町で有料収集 

家庭系ごみで、日常生活から排出される一般ごみは、平成27年6月1日現在25市町で 有料収集となっています
有料化未導入(無料)は、小平市、国立市、東久留米市、武蔵村山市、篠原村


多摩地域ごみ実態調査(平成26年度統計)」からごみ処理手数料をグラフにした。



奥多摩町は可燃 120円/30㍑ 180円/45㍑・不燃 15円/10㍑ 30円/20㍑ 45円/30㍑
あきる野市、日の出町、篠原村は規定なし。


ちなみに、大田区城南島のスーパーエコタウン
食品リサイクル施設 処理単価(2015年当時)
食品廃棄物飼料化施設  (株)アルフォ:23円/Kg
食品廃棄物バイオガス発電施設 バイオエナジー(株):35円/Kg

23区内では、食品廃棄物を資源化するよりも、清掃工場の持ち込んだ方が安価、
多摩地域では、焼却工場の受け入れ手数料が高いので、食品廃棄物を城南島まで持ってくる事業者も多いと聞いた~


 


関連(本ブログ)
23区清掃一組 「清掃事業年報(平成28年度)」 --23区のごみ量は約275万トン前年よりも微減--2017年08月25日

◆23区埋立処理量の種類別内訳◆



◆埋立処分量の推移 23区分◆

廃プラスチックの分別区分変更で焼却となって以来、埋立処理量が大幅減少していたが、さすがに、福島原発事故の影響で、平成23年度は、平成20年度並みに戻ってしまった。こうしてみると、中防外側の埋立量が激減しているので、、、もう、ほぼ満杯となってしまったか?!





◆23区 清掃工場残灰等 埋立処分量の推移◆

焼却灰は増加傾向、灰溶融処理政策の破綻、、、
しかし、財政面からも、安全面からも、灰溶融炉の休止は大歓迎、
それにともなう焼却灰埋立量の増加は、不燃ごみ残さのプラスチック等の可燃分(現状は埋立処理)を,焼却することでかなりカバーできるということであった が、、、灰溶融処理に変わる施策として、平成26年度から「主灰のセメント原料化事業」が始まっている。




◆23区 清掃工場残灰等 の内訳 推移◆

灰溶融スラグの埋め立て分は大田第二工場分



◆23区清掃一組で受け入れている産業廃棄物◆


※他に、平成16年頃から事業系の不燃皮革ごみも若干量受け入れている。
◆粗大ごみ破砕処理施設では区収集の「不燃皮革」を1,232.56トン受入


◆産業廃棄物の埋立処理量(東京都分)◆

平成23年度、24年度は、23区分の焼却灰の埋立量の増加もさることながら、東京都分は、上水スラッジと、下水汚泥焼却灰は、放射能汚染で資源化できずにすべて埋立、おまけに多摩地域の下水汚泥焼却灰も受入ているので、大幅増加。


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