タクマ式HN型全連続燃焼式火格子焼却炉 1,800トン/日(600トン×3)
清掃一組「新江東清掃工場」「概要」から
清掃一組は、平成29年8月27日に発生した新江東清掃工場での労働災害死亡事故の調査経過をホームページで報告している。
被災者は「No2ごみクレーン上にて作業員3人でワイヤー張替の準備作業中に約8メートル下のコンクリート床に墜落した。」ということであったが、、、単純な(?)作業中の墜落事故ではなく、他の作業での溶接の火の粉でバケット上のごみが燃え、被災者は、その出火を聞きつけて移動を開始する際に墜落したのではないかということのようだ。
事故の経緯は時系列で、推定原因、現時点での清掃一組の対応など詳しくでている。
ほんとうに、不運では済まされない惨事。危険な場所での作業は、まずは作業者の身の安全確保を第一に。清掃工場の安全な運転も、定期点検や各種の補修工事があってこそなんだろうから、、、、、
東京二十三区清掃一部事務組合
新江東清掃工場における労働災害死亡事故調査経過について(10月19日)

平成29年10月19日
東京二十三区清掃一部事務組合
新江東清掃工場における労働災害死亡事故調査経過につ いて
平成 29 年 8月 27 日(日)新江東清掃工場 における ごみクレーン の補修工事 中に発生した 労働災害死亡事故 の調査経過について 、下記のとおり報告いたします 。
記
1 発生 時刻 平成 29 年 8月 27 日( 日) 午後 5時 25 分頃
2 発生場所 新江東清掃工場 №2ごみクレーン上
3 被災者 株式会社 北畑開発研究所 (株式会社タクマ 二次下請け)
従業員 男性 63 歳
4 被災 状況 №2ごみク レーン上にて作業員 3人で 安全ネット取付用ワイ ヤー張 替の準備作業中に約 8メートル下のコンクリ床に 墜落した。 (別紙 )
5 事故の経緯
平成 29 年 8月 27 日(日)
午前 8時 30 分~午後 4時 30 分 作業(休憩等含む)
午後 4時 30 分~ 午後 5時 00 分 休憩
午後 5時 00 分 作業再開
① ガーダ下側での TIG 溶接 ※作業
(作業員 A、作業員 B)※TIG 溶接:火花の発生しにくい方法
② ガーダ上でワイヤのより戻し作業
(作業員 C、作業員 D、被災者)
午後 5時 25 分頃 溶接の火粉によりバケッ ト上のごみが出火
これに気づいた作業員 Aが火元 監視人 に連 絡。ガーダ上 で出火を聞きつけた作業員 C、作業員 Dが階段 を使用し コンクリート床へ 移動開始 。出火時ガーダ西側 の床上 に いた火元監視人は 、ガーダ東側 へ消火バケツを 取りに移 動開始。
午後 5時 26 分頃 被災者の墜落確認 (第一発見者 作業員A)
午後 5時 31 分頃 東京消防庁 へ救急出動要請
午後 5時 44 分頃 救急車及び警察到着
午後 6時 10 分頃 東京都立 墨東病院へ搬送
午後 7時 30 分頃 警察より死亡の連絡
6 推定原因
バケット 上で火災が発生し ため 、被災者が 安全帯を親綱から外して、ガー ダ開口部より火災状況を確認しようとて墜落た可能性が高いと推定され る。 その ため、主原因として以下4点 が考えられる。
(1) 溶接作業前にバケット上のごみが 清掃 されていな かったこと。( 別紙 写 真2)
(2) 作業床上の 火気養生が 外された状態で 溶接作業を行ったこと により 火 災が 発生 したこと。
(3) 火災に伴い 安全帯を親綱から外して行動たこと。
(4) 作業エリアとして設定されてい ないガーダ開口部より火災状況を確認 しようとしたこ。
7 亀戸労働基準監督署の対応
8月 28 日(月) 監察官 現場調査
8月 31 日(木) 労働基準監督署において 株式会社 タクマ事情聴取
9月 1日(金) 株式会社 タクマから提出された 再発防止計画書受領
再発防止計画書 の主な内容
① 火災防止対策
・ごみクレーンバケット外面清掃及び火気養生を実施
・作業床上の火気養生を実施
② 安全帯の着用
・墜落の恐れのある場所では、安全帯を外さないよう再教育を実施
(不安全行動の禁止)
9月 5日(火) 監察官現場調査
現場状況確認後 、工事再開承認
現地にて 事情聴取
9月 6日(水), 8日(金), 12 日(火) 労働基準監督署 において 事情聴取(事情聴取継続中 )
8 現時点での清掃一組の対応
(1) 8月 28 日に全工場及び中防処理施設管事務所へ事故の発生を周知し 、 注意喚起を図った。
(2) 8月 28 日に 臨時の清掃一組安全衛生委員会を開催し、 公務・労働災害発生防止調査会を設置した。
(3) 8月 31 日に清掃一組の工事等に関係する元請業者を招集して 安全会議 を開催し、労働災害発生防止と安全確保を徹底た。
(4) 9月 1日、 7日に 公務・労働災害発生防止調査会 により現地調査及び 株 式会社 タクマに対し事情聴取を実施した。
(5) 株式会社 タクマが労働基準監督署へ提出した再発防止 計画書 の実施状況 及び安全作業手順書 の見直し を確認の上 、9月 11 日に工事再開を許可した。
(6) 9月 14 日に臨時の工場長・所長会を開催し、 状況を報告するともに 危 機管理の徹底及び安全対策 の強化を 再度 指示した。
(7) 株式会社 タクマ を平成 29 年 9月 19 日から 2か月の指名停止とした。
9 今後の対応
労働基準監督署の調査進展に注視しながら、 株式会社 タクマ への追加 ヒア リング などを 含めた調査を継続して行い 、再発防止策を 速やかに取りまとめて いく。
また、プラントメーカ等元請事業者に対し、毎年の 定期点検補修工事等の前に各下請事業者に過去の重大災害例を説明することで、安全意識及び対策 前に各下請事業者過去の重大災害例を説明することで、安全意識及び対策 を徹底するよう指示していく。
関連(本ブログ)
■23区清掃一組 新江東清掃工場における労働災害死亡事故について(速報) 2017年08月28日