■ リサイクルセンターで事業完了 建物撤去へ 東北電力 /山形
毎日新聞 2016年4月2日
東北電力は3月31日、酒田市宮海の酒田共同火力発電敷地内の酒田リサイクルセンターで行ってきた柱上変圧器のポリ塩化ビ フェニール(PCB)無害化処理事業が完了したと発表した。センター内のリサイクル関連施設や建物全体の撤去工事を順次進め、2020年6月をめどに更地 にする予定という。
同センターは07年4月から、東北6県と新潟県の柱上変圧器を解体して絶縁油を回収。ごく微量含まれる有害物質のPCBを化学的に処理して無害化するとともに、08年1月からは変圧器のケースや内部の電線の洗浄処理などをしてきた。
これまでに、当初見込んだ柱上変圧器約71万台、絶縁油約3万キロリットルの処理を完了。記者会見した東北電力環境部の若松栄典(ひでのり)資源再利用 課長は「何事もなく事業を終了できた。協力に感謝する」と述べた。同センターの撤去について、「安全確保と環境保全に万全を尽くす」と語った。
一方、事業の終了に伴い、無害化処理作業を受託した酒共エンジニアリング(同市宮海)の従業員約190人は、この日で契約が満了となった。若松課長によ ると、3月25日現在で117人が再就職を希望。うち70人の就職が内定したという。未内定者の再就職支援については、親会社の酒田共同火力発電と公益財 団法人「産業雇用安定センター」の酒田出張所(同市緑町)が継続的に取り組むという。【高橋不二彦】
東北電力2007年4月からの処理が無事終了
柱上トランス 約71万台、絶縁油 約3万キロリットル
化学処理技術によるPCB自家処理
東北電力(株)<日本曹達(株)三井物産(株)>
金属ナトリウム分散体法(SD法)、溶剤洗浄法