■ 関電高浜原発3・4号機の運転差し止め 大津地裁仮処分決定
日本経済新聞 2016年3月9日
関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを滋賀県の住民が求めた仮処分申請で、大津地裁(山本善彦裁判長)は9日、運転 を認めない決定をした。東京電力福島第1原発事故後に再稼働した原発の運転を禁止する司法判断は初めて。仮処分決定は、訴訟の判決と異なり直ちに効力が生 じるため、2基はいずれも運転停止の状態に追い込まれる。
今後の司法手続きで判断が覆らない限り運転は再開できず、関電の経営にとって大きな打撃となりそうだ。
2基は2015年2月に国の安全審査に合格。3号機は今年1月に再稼働し、現在も運転を続けているが、4号機は翌2月に再稼働しながら、直後にトラブルが発生したため停止している。
争点は、耐震設計で想定する最大の揺れの強さである基準地震動を700ガル(ガルは加速度の単位)とした関電の想定や、原子力規制委員会が定めた原発の新規制基準の妥当性。
住民側は関電の想定が「安全を担保するには不十分」とした上で、事故が起きれば、滋賀県の住民も被曝(ひばく)、琵琶湖が汚染され近畿地方の飲み水に影響が出ると主張。新規制基準も安全レベルは低く、実効性のある避難計画も策定されていないと訴えている。
関電側は「安全性は確保されている」などと反論していた。
住民らは仮処分申請とともに運転停止を求める訴訟を起こしており、大津地裁で係争中。
山本裁判長は高浜原発3、4号機について、再稼働前の14年11月の仮処分決定でも裁判長を務めており、この際は「再稼働が差し迫っていない」との理由から申し立てを却下していた。
2基を巡っては福井地裁でも争われ、昨年4月に再稼働を認めない仮処分決定を出したが、同12月に別の裁判長が取り消し、住民側が名古屋高裁金沢支部に抗告している。
・高浜原発3・4号機 運転停止命じる仮処分決定 - NHK
・「地震や津波、避難計画に危惧」 大津地裁日本経済新聞
・関電「停止するが不服申し立て」日本経済新聞
・官房長官、高浜原発の地裁決定「再稼働を進める方針に変わりない」日本経済新聞
・高浜原発運転停止決定 関電「極めて遺憾」 (滋賀県)日テレNEWS24
・大津地裁、高浜原発運転差し止め仮処分 司法判断で初の停止へロイター
再稼働直後のミスで停止
・関電、原子炉停止で報告書提出福井新聞
・高浜4号機緊急停止、検知機の設定にミス 関電、原子力規制委に報告産経ニュース
■原発事故は「運命」…元原子力安全委トップが笑顔で大放言
日刊ゲンダイ-2016年3月9日
震災発生時の原子力安全委員会トップが大放言だ。8日放送の「みんなのニュース」(フジテレビ系)で、班目春樹・元原子力安全委員長が原発事故を笑いながら「天罰」「運命」と表現するシーンが放送された。 班目氏が ...