消防庁「平成 26 年 中の 危険物に係る事故の概要 の公表」より転載
危険物施設の火災の発生や流出事故は増えているようだ。
総務省消防庁の「平成26年中の危険物に係る事故の概要の公表」によると、 危険物施設における平成26年度の事故発生件数は599件で、前年に比べて35件増加 。事故発生件数は高い水準で推移しているという。また、火災事故発生原因は、維持管理不十分や操作に当たっての不手際など、いわゆる人的要因が多いとのこと。
最近、廃棄物処理施設での火災事故のニュースも多い。
また、消防法上の危険物かどうかはわからないが、毒物・劇物とおもわれ事故も多い、
PCB無害化処理施設も、絶縁油など扱うので、危険物施設なのだろか?
廃棄物処理施設でも、さまざまな危険物など薬品を扱っている、
消防法上の危険物には、「それ自体が発火又は引火しやすい危険性を有している物質のみでなく、他の物質と混在することによって燃焼を促進させる物品も含まれています。」となっているので、、、JESCOの東京事業所はイソプロピルアルコールも、、
1月26日、市原市で危険物火災発生
数日前、千葉県内で発生の「市原市消防局:火災情報 2016年01月26日15時58分頃発生した、市原市万田野481番 ジャパンクリーンテック付近の危険物火災は活動を終了しました。」(危険物火災:鎮火17:38現在) とされていた住所が、低濃度PCB認定施設 杉田建材の施設設置場所と同じだったので、気になってあれこれ調べてみたのだが、、、具体的な火災の内容まではわからなかった。(Googleでみてみるとグループ会社で一帯が処理施設と処分場のようだった。)
新聞やテレビで大々的に報道されない限りは、どんな事故があっても、どんな火災が起きても知り得ることは不可能なのだが、、今は、ツイッター情報で、公式・非公式関係なく、いろんな情報が流れているので、それらの信憑性を見極めながらチェックしていくしかないのだが、、
ということで、産廃施設,一廃施設、溶融処理施設の火災はとくに気にしているのだが、
人的被害がなくとも、1月の愛知製鋼知多工場の加熱炉爆発事故は、トヨタの操業を止めることになったようだし、
人為ミス、うっかりミスで取り返しのつかないことにもなってしまう、
PCB廃棄物も、収集運搬にはガイドラインもあり、収集運搬中の流出事故の場合に備えているようだが、想定外の大事故も起こりえるし、PCB廃棄物の処理施設も、JESCOの処理施設は、未処理の処理物を大量に保管しないようなことを聞いたような気もするが、、、低濃度PCBの処理物はどういうこことになっているのか? 何か基準でもあるのだろうか、よくわからない。
過去には PCB無害化処理施設での火災も発生
「消防防災情報誌「消防科学と情報」」のNO.83 (2006.冬号) で、「建物火災 PCB無害化処理施設の火災 (名古屋市消防局)」として、火災原因などが写真入りで詳しく報告されている。電力会社の自社保管絶縁油の無害化処理(アルカリ触媒分解法(BCD法))となっているので、おそらく、中部電力(株)が名古屋市港区潮見町でおこなっていたものだろう。2005年2月から約10年間の予定となっていたが、もう処理は終了したのだろうか?現,PCB無害化施設も、これらの事故を教訓としてさらなる安全操業へ~
火災原因調査の「おわりに」として↓↓ 人為ミス・・貴重な教訓とある、、
当該施設は、特別管理産業廃棄物であるPCBを処理する施設として、各装置の温度管理や監視体制、消火設備等、操業にあたっての安全性には十分に配慮さ れていたはずでしたが、使用条件に合わない仕様の部品が使われていたという基本的なミスにより、操業6ヶ月にして思わぬ火災が発生しました。火災そのもの は監視体制と消火設備が機能して大事には至りませんでしたが、特別管理産業廃棄物の漏洩火災という重大な事態の発生ということで、発災事業所の関係者はも とより私たち消防関係者にも貴重な教訓を残した事例でした。
冬場は空気の乾燥もあり、火災の発生は多い、
昨日は、「三菱重工長崎造船所で火災、今年3度目 建造中の大型客船」もあり、←こちらは不審火?
また、先日は、「配線器具で火災、5年で28人死亡 誤使用目立つ」と、要注意である!!
以下、消防庁のホームページから転載
平成27年5月29日 消防庁
平成26年中の危険物に係る事故の概要の公表
消防庁では、今般、平成26年中(平成26年1月1日~12月31日)に全国で発生した危険物に係る火災及び流出事故の概要を取りまとめました。詳細は、別添の「平成26年中の危険物に係る事故の概要」のとおりです。
○ 危険物施設における事故発生件数平成26年中の事故発生件数は599件であり、前年に比べて35件増加しました。事故発生件数は高い水準で推移しており、平成元年以降、事故が最も少なかった平成6年と比べると、危険物施設数は減少しているにも関わらず、事故発生件数は約2倍に増加しています。
○ 事故の発生要因(別紙参照)最近の事故要因別発生件数の推移より、次のような特徴が分かります。 ① 火災事故発生原因 については、維持管理不十分や操作に当たっての不手際など、人的要因によるものが多くを占めています。 (火災事故発生件数203件中124 件) ② 流出事故発生原因については、腐食疲労等劣化など、物的要因によるものが多くを占め ています。 (流出事故発生件数396件中227件)
危険物施設における事故の発生要因
平成26年中の危険物に係る事故の概要の公表
平成26年中の危険物に係る事故の概要
5 主な事故 ←具体的な事例の掲載もある
平成 26 年中の主な事故事例【火災・爆発】 (死者1名以上、負傷者2名以上若しくは損害見積額 1,000 万円以上)
平成 26 年中の主な事故事例【流出】 (死者1名以上、負傷者2名以上若しくは損害見積額 1,000 万円以上)
平成 26 年中の主な事故事例【その他】 (死者1名以上、負傷者2名以上若しくは損害見積額 1,000 万円以上)
危険物安全対策の推進
消防法では、①火災発生の危険性が大きい、②火災が発生した場合に火災を拡大する危険性が大きい、③火災の際の消火の困難性が高いなどの性状を有する物 品を「危険物」として指定し、火災予防上の観点から、その貯蔵、取扱い、運搬方法などについてハード、ソフト両面からの安全確保に努めています。
一定量以上の危険物は、原則として市町村長等の許可を受けた危険物施設以外の場所では貯蔵し、又は取り扱うことができません。これらの危険物施設の位置、構造及び設備については消防法に基づく技術基準が定められており、全国統一的に運用されています。
また、危険物災害には取扱いミス等の人的な面での欠陥に起因することも多いことから、危険物取扱者制度を充実させ、危険物取扱者の資質向上を図るとともに、消防法に基づく貯蔵、取扱基準の遵守、国民の危険物に対する意識の高揚などに努める必要があります。
危険物保安室では、これらの課題に適切に対応し、危険物行政に係る制度の企画、立案や運用、技術的支援を行うなどして、危険物に対する災害を未然に防止し、安全な国民生活を確保するよう努めています。
(1)消防法上の危険物とは
消防法(第2条第7項)では、「別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう」と定義されています。
また、それぞれの危険物の「性状」は、「消防法別表第1 備考」に類別に定義されています。
消防法上の危険物には、それ自体が発火又は引火しやすい危険性を有している物質のみでなく、他の物質と混在することによって燃焼を促進させる物品も含まれています。
(2)消防法上の危険物施設とは
消防法で指定された数量(以下「指定数量」という。)以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う施設は、以下のとおり、製造所、貯蔵所及び取扱所の3つに区分されています。
【製造所】
危険物を製造する目的で指定数量以上の危険物を取り扱うため市町村長等の許可を受けた場所をいいます。
【貯蔵所】
指定数量以上の危険物を貯蔵する目的で市町村長等の許可を受けた場所をいいます。
・地下タンク貯蔵所(地盤面下に埋没しているもの)
・簡易タンク貯蔵所
・移動タンク貯蔵所(タンクローリー)
・屋内タンク貯蔵所
・屋外タンク貯蔵所
・屋内貯蔵所(屋内に設置し、タンクを用いない。)
・屋外貯蔵所(屋外に設置し、タンクを用いない。)
【取扱所】
危険物の製造以外の目的で、危険物を取り扱う場所をいいます。
・給油取扱所(ガソリンスタンド)
・販売取扱所(店舗において容器入りのままで販売するため危険物を取り扱います。)
・移送取扱所(危険物を送るパイプライン)
・一般取扱所(上記以外の施設)
(3)危険物施設の状況
(4)危険物規制の体系と規制について
一般に存在している危険物質のうち、上記(1)に該当する「危険物」については、消防法の規制を受けることとなり(図1参照)、危険物に係る運搬、貯蔵及び取扱いの基準については、図2のように、消防法又は市町村の条例に定められています。
(5)危険物保安についての普及啓発
危険物関係の事故の原因の多くは、危険物の取扱いミス等の人的要因に基づくものです。
こうした事故の発生を未然に防止するため、消防庁では「危険物安全週間」を6月の第2週に設定し、危険物関係事業所における自主保安体制の確立並びに家庭や職場において危険物を取り扱う方々の危険物の保安に関する意識の高揚及び啓発を推進しています。