映画 『消えた声が、その名を呼ぶ 』
角川シネマ有楽町 > 作品紹介より転載
第71回ヴェネチア国際映画祭 コンペティション部門正式出品 ヤング審査員特別賞若き巨匠ファティ・アキンが挑んだ、知られざる悲劇。
声を失いながらも娘を探し続けた父の壮絶な旅。
ベルリン国際映画祭金熊賞、カンヌ国際映画祭脚本賞、ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞と、世界三大国際映画 祭の全てで主要賞を受賞した、ドイツの若き巨匠ファティ・アキン監督。最新作の本作では、アルメニア人虐殺――100万人が犠牲になり、ヒトラーがユダヤ 人虐殺の手本にしたと言われる歴史的悲劇――を背景に、声を失った男が深い絶望を乗り越える壮大な旅路を描く。主演は、『預言者』『ある過去の行方』に出 演し、今最も注目される若手俳優のタハール・ラヒム。共同脚本には30年ぶりに復帰を果たした伝説的脚本家マルディク・マーティン(『レイジング・ブ ル』)。ドイツ、キューバ、カナダ、ヨルダン、マルタと5カ国に渡るロケーションを敢行し、3つの大陸に及ぶ壮大なる物語を7年の歳月をかけ完成させた。
1915 年、第一次世界大戦中のオスマン・トルコ、マルディン。夜更けに現れた憲兵によって、アルメニア人の鍛冶職人ナザレットの幸せな日々は終わった。妻と娘か ら引き離され強制連行された砂漠では仲間を次々に失い、激しい暴行で声も奪われた。やがて奇跡的に死線を乗り越えたナザレットは、生き別れた家族に会うた め、灼熱の砂漠を歩き、海を越え、森を走り抜ける。家族への想いはたったひとつの希望となり、平凡だった男を遠くアメリカ、ノースダコタへと導いていく。 地球半周、9年。さすらう男がたどりつく先とは....。
映画 『消えた声が、その名を呼ぶ 』オフィシャルサイトから
http://www.bitters.co.jp/kietakoe/
『消えた声が、その名を呼ぶ』で描かれる、1915年にオスマン帝国で起こったアルメニア人をめぐる悲劇。それは、「20世紀最初のジェノサイド」とも言 われ、100年後の現在においてもなお、アルメニアとトルコだけでなく、世界を巻き込んだ論争が続いている。欧米ではユダヤ人と同様に離散の民と言われ、 世界各地に広がるアルメニア人の歴史とは。
◆ アルメニア人とは? アルメニア人の故郷であるアルメニア地方は、世界最古の文明であるメソポタミア文明を育んだティグリス・ユーフラテス川の源流に位置する。旧約聖書の「ノ アの方舟」伝説の舞台と言われるアララト山が最高峰。紀元前2世紀に建国されたアルメニア人の国家、古代アルメニア王国は、東部アナトリア地域で独自の言 語と文化を持ち、繁栄していた。西にギリシア、東にペルシアがあり、ローマ帝国、イスラム帝国、モンゴル帝国、オスマン帝国などの支配下に入るなど、古代 から様々な民族による政治的な影響を受け続けた地域である。また、世界で初めてキリスト教を国教とし、独自の文字を創造した歴史を持つ。世界中にいるアル メニア人の大半はキリスト教東方教会の一派、アルメニア使徒教会の信徒。
◆ 多民族国家オスマン帝国の中のアルメニア人 オスマン帝国内では、1461年にメフメト2世が首都イスタンブールにアルメニア教会の設立を許可するなど、アルメニア人の経済力が重要視されていた。イ スラム教徒のトルコ人を支配層とする帝国は多民族国家であり、宗教的にはイスラム教徒のほか、ユダヤ教徒、キリスト教徒などが、人種的にはトルコ人のほ か、クルド人、アラブ人、ギリシア人、そしてブルガリア人などのスラヴ系住民などがいた。キリスト教徒であるアルメニア人もその中におり、イスラム教徒の 優位性を保ちながら自治を認めるというミッレト制の下、商業と産業、とりわけ建築部門で才能を排出するなど、比較的安定した環境の中で生活していた。
◆ 突然始まったアルメニア人の悲劇 1915年4月に発生した東部アナトリアの都市ヴァンで発生したアルメニア人による暴動をきっかけに、4月24日にアルメニア人政治家や知識人など約 600人が官憲に連行され、その多くが後に殺害された。これ以降、オスマン政府はロシア国境地帯のアルメニア人を居住地域からシリア、イラク方面に“移 送”した。その方法は、「イスラムの歴史上、類を見ない蛮行」という証言もあるほどだった。
◆ 現在も続く論争 アルメニア共和国政府は、1915年の事件について犠牲者は150万人(第一次世界大戦前のアルメニア人の人口は約180万人)であり、アルメニア人の民 族根絶を狙った「ジェノサイド(集団殺害)」だと主張している。一方、オスマン帝国の後継国であるトルコ共和国政府は事件の実態は「戦乱の中で起きた不 幸」として「ジェノサイド」ではなかったと主張し、両国の国交正常化交渉の障害となっている。一方でロシア、カナダ、フランスなどの21か国はアルメニア 人迫害を「ジェノサイド」と認定し、欧州議会はトルコのEU加盟の条件として「アルメニア問題」の解決を要求しているなど、100年を経た現在でも国際社 会を巻き込んだ論争になっている。
◆ 世界に広がるアルメニア人コミュニティ 劇中のナザレットは、現在のトルコ南東部のマルディンから大西洋を渡り、アメリカ・ノースダコタまで、各地のアルメニア人コミュニティを訪ねていく。アル メニア人は現在ロシアに110万人以上、米国に48万人以上いるとされ、在外アルメニア系住人は本国の人口298万人を上回る。現在の在外アルメニア人に とって、「1915年のオスマン帝国による迫害という民族の非劇を共有できるものがアルメニア人」という考え方も根強い。 今年の映画の見納めに、
角川シネマ有楽町の 『消えた声が、その名を呼ぶ(原題 The Cut) 』 を観てきた~
オフィシャルサイトによると、この映画は、「ドイツ、キューバ、カナダ、ヨルダン、マルタと5カ国に渡るロケーションを敢行し、3つの大陸に及ぶ壮大なる物語を7年の歳月をかけ完成させた。」となっている。(ドイツ・フランス・イタリア・ロシア・ポーランド・カナダ・トルコ・ヨルダン合作) 映画は、アルメニア人大虐殺のみにスポットをあてているわけでもないが、想像を絶する恐怖を感じる。 奇跡的に生き残り、声を失った主人公は、娘を探して、トルコの灼熱の砂漠からレバノン、キューバ、フロリダ、そしてはるか北アメリカのノースダコタへの地球半周の旅というストーリー… …
映画は、凄絶な歴史を伝えるだけではなく、やっと娘を探し出す、、、、、
いろんなことを考えさせられる映画でした、、
歴史は繰り返すというか、
いまでも悲劇惨劇は世界各地で起きている、、
ジェノサイド、テロ、戦争、内戦、
堂々と国家が、空爆、殺し合いをしている狂気の世界
どうして、なぜ、、、