「第10回 容器包装3R推進フォーラム in 北区 」より転載
第10回 容器包装3R推進フォーラム in 北区
【日時】平成27年10月19日(月)10:00~17:30
【会場】北とぴあ(東京都北区王子)
【主催】3R推進団体連絡会
朝から参加した~
1年間中断したままの容リ法改正論議、、何か動きがわかるかと期待したのだが、、、、
基調講演 (郡嶋孝氏 同志社大学経済学部経済学科教授)
郡嶋先生は、経産省、産業構造審議会~容器包装リサイクルWGの座長、、
しかし、容リ法改正の具体的な話には触れず、、、ちょっぴりちくちくは、、
そもそも、、日本の容器包装リサイクル法の仕組み(役割分担)はよくできているというお考えのようで、
また、拡大生産者責任や原因者負担ということよりも、、、
結果が与える責任、結果がもたらす影響をどうとらえるかということを何度も何度も、、
それって、、、結局はどういうふうに解釈すればいいのか、、、具体的なお話はなかったが、、、、
結局は、事業者のみに負担を求めるな、,といいたいのか?
国の3R施策について (経済産業省、環境省、農林水産省)
経産省も、環境省も、、なんだか、嵐の前の静けさなのか、、、
淡々と、それぞれの取り組みを、
深瀬課長も、昨年のような、環境省に対するあからさまな暴言(?)はなかった、、
しかし、経産省としては、やはり、経済性云々は至上課題なのか、
EUの取り組みなど話され、国際的動向を踏まえて、経済性云々と、、、
午後は、第一分科会に参加した、
(気になった部分を当日資料からピックアップ)
東京都の取り組み
店頭回収された廃ペットボトルに関する東京都の対応
参考:店頭回収廃ペットボトルに係る再生利用指定について
店頭回収ペットボトルの収集運搬・処分に関する東京都知事の再生利用指定
再生利用指定で、産業廃棄物処理業の許可、マニフェスト交付が不要に=都内の店舗から都内のリサイクル施設に運搬する場合に限った措置。(ただし、産業廃棄物運搬・処分の委託契約は必要)
ということで、23区の「ペットボトル店頭回収事業(東京ルールⅢ)」は平成27年2月28日で廃止となったが、、その後の,コンビニ事業者等が資源化するための便宜措置はできたものの、、、東京都では、どの程度の事業者がその制度を適用して資源化をしているかの実態は把握はしていないとのこと。せっかくの制度、活用している事業者を把握して、武蔵野市ではないが、ECOパートナー認定のような表彰制度のようなことでもしてほしい。
23区も、ペットボトル店頭回収を廃止したあと、、、それらがその後どうなっているかの実態把握は必要だ。ただ「廃止しました」で終わりにしないで、、、東京都の「再生利用指定」制度のお知らせがてら、アンケート調査などでも実施して、コンビニが独自に資源化している割合、ごみに流れている割合などの調査、そして、資源化へシフトするための方策、、、とにかく23区の事業系ごみはあまりに多すぎるので、なんとか、資源化、ごみ減量を指導しなければ、、、
鎌倉市の取り組み(人口 173,000人)
鎌倉市のごみ減量・リサイクル ~さらなるごみ減量を目指して~
基本理念「ゼロ・ウエイストかまくら」の実現を目指して
「焼却量」や「埋立による最終処分量」を可能な限りゼロに近づける
ごみ処理施設
平成7年度、年間7万トンのごみを焼却
現在、3万トンのごみを焼却(名越クリーンセンター 昭和57年2月稼働)
(今泉クリーンセンター 昭和48年5月稼働 平成27年3月焼却停止)
ごみ焼却量を年間3万トン以下に
現在、新焼却施設の建設計画中(平成37年度稼働予定)
リサイクルの推進
紙類・布類、飲食用カン・ビン、植木剪定材、ペットボトル、容器包装プラスチック
☆鎌倉市の「ミックスペーパー(具体例)」は、、窓開き封筒、レシート、写真(紙焼き)などのいわゆる禁忌品もOKで、笛田リサイクルセンターで,圧縮・梱包の上で売却 (川崎市の三栄レギュレーターでリサイクルされるようだ)
植木剪定材は、山梨県の民間施設で堆肥化、堆肥は市内配布。
ペットボトルは、市内の民間施設で、圧縮・梱包 → 独自ルートで資源化(ペットtoペットにこだわり、独自ルート)
燃やすごみ、粗大ごみ、直接搬入ごみ → リサイクルセンターで焼却 → 焼却灰は灰溶融固化(外部民間事業者に委託?)
木くずは燃料チップ、布団・畳は固形燃料、羽毛布団は売却して再使用
燃えないごみ、危険・有害ごみ → 選別、解体、破砕 → 金属等有価物の売却、せともの屑、ガラス屑は溶融固化し路盤材等に、
使用済み食用油 → クリーンセンター等で詰替、資源化施設で飼料、塗料、バイオジーゼル燃料に資源化
製品プラスチック → 市内施設で積替 → 売却 パレットやスロープに再生
減量に向けた補助制度:生ごみ処理機購入費補助制度、リユース食器利用非補助制度、
減量を促進するための施策、事業系ごみのピット前検査、家庭系ごみの有料化(平成27年4月開始)
鎌倉市のリサイクル率は全国的に高く推移 平成25年度リサイクル率48.5%(全国平均20.6%)
人口10万人以上の市 平成16~20年度全国1位、平成21~25年度全国2位 (鎌倉市、リサイクル率は高いが、ごみ総排出量は平成25年度1,017g/人日と全国平均の958g/人日よりも高い--ちなみに23区はリサイクル率18.3%、ごみ排出量1,022g/人/日)
今後の課題
ごみ収集の効率化、資源化方法の見直し等によるごみ処理経費の削減
やはり、これだけの資源化をするには、相当お金がかかっているのだとうなずける。溶融固化の委託など、埋立処分量をゼロにするための取り組み、また、ミックスペーパーにしろ、ペットボトルにしろ、笛田リサイクルセンターで,圧縮・梱包などの手間暇かけている。地域特性もあるのだろうが、、焼却ごみの削減、埋立ゼロのための取り組み、危機感持ってしっかりと取り組む姿勢は、23区などと比べて、,,本気度が違う。うらやましい限りである。
気になったのは、鎌倉市、今、新焼却施設の建設計画中(施設規模124 t / 日 ストーカ式または流動床式)であるが、、、現状の「布団・畳は固形燃料」を、結局はRDFで燃やすのであれば、新クリーンセンターでの焼却の検討もしているような話しがあった。ほんとうに、RDFのとらえ方も、やはりそういうことになる。しかし、布団や畳を裁断して流動床などで直接焼却するのも、また大がかりな設備もいるし、新たなリスクも発生する。それはそれで悩ましい問題であろうな~ しかし、せっかくここまでやっているのだから、、可能な限りの焼却量の削減を推進してほしいと願う、、、、
武蔵野市の取り組み(人口 142,899人)
事業系一般廃棄物の分別・減量・資源化の取り組み
大きな特色として、ごみ総合対策課減量指導係のなかに専門チームを発足させ、事業系ごみの分別調査や排出・資源化の指導啓発を行っている。
増え続けた事業系持込ごみ、平成13年度持込ごみ量15,818t 可燃ごみ全体の約4割(39.2%)が事業系持込ごみとなったところで、平成14年4月に調査指導係を新設。事業系ごみの分別、減量、資源化の指導に取り組んでいるとのこと。(23区の場合は焼却ごみの34%が事業系の持込ごみ)
取り組み例
1.雑がみの資源化 → 平成15年度以降、年間平均約1,100tを資源化 ← まずは可燃ごみの調査をすることから、
2.廃プラスチックの分別徹底 → 平成17年度以降、適正な分別を指導 → お弁当の「バラン」が入っているだけでも、量の多少に関係なく、事業系廃プラスチックはすべて産業廃棄物ですを徹底
3.生ごみ資源化 → 平成18年度以降、毎年資源化
平成25年4月1日より事業系一般廃棄物処理手数料を改定
焼却処分手数料 20円/Kg → 40円/Kg
生ごみの資源化
処理手数料の値上げ後、25年、26年度は約4,000トンの生ごみを資源化
平成26年度 再生事業者別実績
(株)ジェイ・アール・エス 15.1%
バイオエナジー(株) 55.3% ← 大田区城南島の生ごみバイオガス発電施設
新座市並木畜産 4.5%
(株)フジコー 2.4%
太誠産業(株)狭山工場 0.8%
(株)アルフォ 21.0% ← 大田区城南島の生ごみ飼料化施設
ブライトピック千葉 0.2%
小田急フードエコロジー 0.2%
事業所内生ごみ処理機 0.5%
武蔵野市の場合、クリーンセンターの持込手数料が40円/Kgとしたことで、、一気に事業者の生ごみ資源化が進んだと言える。なにしろ、バイオエナジーは35円/Kg、アルフォが23円/Kgの処理費用なので、武蔵野市から、大田区の城南島まで運搬費用をかけても割が合う上、資源化できるのだから、、、問題は、現状では、生ごみの資源化施設がどうも不足しているようなはなしであった~
多量排出事業者等減量指導・啓発
●年間延べ100回の廃棄物保管場所立入検査 ← 早朝、深夜,、ごみ収集前の立入検査
●立入検査・不適正搬入を厳しくチェック
搬入検査・展開検査(クリーンセンター)
●不適正搬入を厳しくチェック
事業系ごみ(許可・持ち込み)量の推移
平成13年度 15,818t → 平成26年度 6,272 t(約60%の減量)
ECOパートナー認定表彰制度 ← 厳しく指導だけではなく、こういう表彰制度はいいですね、、、
すばらしい、よくやっているな~
ごみ減量も、危機感持って、しっかり取り組む、23区などとは本気度が全く違う、
北区の取り組み(人口 340,559人)
リデュースクッキング生ごみの減量
東京家政大学とおいしくリサイクル事業
参考:東京家政大学との連携
「第10回 容器包装3R推進フォーラム in 北区 」より転載
第10回 容器包装3R推進フォーラム in 北区
【日時】平成27年10月19日(月)10:00~17:30
【会場】北とぴあ(東京都北区王子)
【主催】3R推進団体連絡会
【開催目的】 自治体・市民・事業者等の様々な主体が連携して容器包装3Rを
推進する場づくりを目的として開催しています。
【プログラム】
10:00- 開会・挨拶
10:15- 基調講演 (郡嶋孝氏 同志社大学経済学部経済学科教授)
11:15- 国の3R施策について (経済産業省、環境省、農林水産省)
12:15- 包装の環境配慮に関するJISについて(日本包装技術協会)
12:30- 昼休憩
13:30- 分科会(第1分科会~第3分科会)
16:30- 各分科会からの報告と討論(パネルディスカッション)
17:30- 閉会
地域レベルでの3Rの取り組み
3Rの取り組みは地域によって異なります。地域の実情を反映した先進的な3Rの取り組みについて、東京都、鎌倉市、武蔵野市、北区より情報提供していただきます。
話題提供者 店頭回収の廃ペットボトル規制について(東京都) さらなるごみ減量を目指して(鎌倉市) 事業系ごみ減量の取り組み(武蔵野市) 家庭ごみの減量、食品ロスの削減への取り組み(北区) 第2分科会:容器包装3Rの新たな展開
容器包装の環境配慮については、事業者の自主的な取り組みが評価されています。また、今年5月に包装の環境配慮設計に関するJIS規格が制定さ れ、その運用が注目されています。従来の環境配慮の取り組みは今回のJISではどのような位置づけにあるのかなど、容器包装3Rの新たな展開について考え ます。
話題提供者 事業者の自主的な取り組み:温故知新の4R(宝酒造(株)) 事業者の自主的な取り組み:流通業界の取り組み(日本生活協同組合連合会) 事業者の自主的な取り組み:エコ基準とエコ商品(ライオン(株)) 環境配慮設計JIS の使い方について(( 公社)日本包装技術協会) 第3分科会:持続的3Rを可能にするシステムについて
世界の資源需要の増大によって再生資源価格が上昇するなど、包装容器の3Rを取り巻く環境は少なからず変化していることから、環境の変化を踏まえ、ビジネスとして持続的3Rを可能にするシステムについて考えます。
話題提供者 飲料空容器再資源化工場(( 株)ジャパンビバレッジエコロジー) リユース&リサイクルステーション(中部リサイクル運動市民の会) リサイクルのプロ(横浜市資源リサイクル事業協同組合) プラスチックのリサイクルシステム(全日本プラスチックリサイクル工業会)
参考
●最新の事業系一般廃棄物搬入手数料(東京都)
奥多摩町は可燃 120円/30㍑ 180円/45㍑・不燃 15円/10㍑ 30円/20㍑ 45円/30㍑
あきる野市、日の出町、篠原村は規定なし。
3R推進フォーラム、主催は3R推進団体連絡会、、いわゆる事業者サイドの連絡会、、、
しかし、このフォーラム、いわゆる事業者による、事業者のための,,自分たちはやってますよ~というだけのお手盛りフォーラムではなく、行政も市民も絡めて、それぞれの主体が連携して容器包装3Rを推進するための、、、という企画がすばらしい。現状の法制度の中での役割分担もいろんな考えはあろうが、、そういう中でも、いろんな工夫で、協働で、、少しでも前に進むというか、いい方向を求める姿勢は大事なことだと思うので、、、参考になる情報も多く、、充実した内容であった。
例年、行政サイドの参加者がとても多くて、熱心な行政がうらやましい、
今年も、資料を余分にいただいたので、、、明日は、区役所に届けることにしている。
いろんな自治体の取り組み、大いに参考に勉強してもらわねば、、、
北とぴあ、初めて行ったのだが、17階からの見晴らしはとても良い、、、
最近、体調不良で、分科会終了後、各分科会からの報告と討論はパスして会場をあとにした。